比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

77 / 1580
エアグルーヴの威圧

 

 

八幡side

 

 

「ふむ、少しは吹っ切れた顔をしているようだ。私の助言通りにしてくれたみたいだな、感謝するぞ。」

 

八幡「先生の忠告を守れなかった責任もありますので、このくらいは甘んじて受けますよ。それに、最初で最後の助け舟でしょうから。」

 

「分かっているじゃないか。これからはお前が彼女を導くんだ。これからは私が介入しても成長なんてしないだろうしな。」

 

八幡「はい。」

 

 

無関心、というわけではないのだが、先生は興味を持った人物にしか話をしない。だから俺はともかくエアグルーヴに声を掛けたのは俺の担当ウマ娘という以外にも興味があるからなのだろう。好きの反対は無関心とはよく言ったものだ。

 

 

コンコンコンッ

 

 

八幡「?誰だ?少し見てきます。今開けます!」

 

 

ガチャッ

 

 

沖野「よっす!来たぜ比企谷!」

 

八幡「また来たんですか?お部屋間違えてません?」

 

沖野「いや帰らねぇから。」

 

葵「比企谷君!お邪魔しても?」

 

八幡「いや、すみませんが今日は先客が「構わない、八幡。私なら大丈夫だ。」っ!先生……」

 

「そんなに不安そうな顔をするな、大丈夫だ。」

 

八幡「……先生がそう言うなら、どうぞ。」

 

 

俺と同じトレセン学園のトレーナー達が入ると、やはりと言うべきか先生に目が集まっていた。

 

 

東条「貴女が比企谷君にトレーナーとしてのイロハを教えた大学教授なのですね?」

 

「まぁ、その通りだ。申しわけ無いが自己紹介は控えさせてもらうよ。あまり自分を探られるのは好きじゃなくてね、そういうのは現役時代で飽き飽きだ。」

 

沖野「比企谷からも聞いています。なので無理に探ろうとは思っていませんので。」

 

「それは助かるよ。それにだ、今回の目玉は私ではない。目の前の、桜吹雪く中で走るウマ娘達だ。現役を退いたウマ娘に集中するのはおかしな話さ。」

 

 

葵(けど、凄い……私でも分かる。この人、ただ座っているだけなのに圧倒的なオーラが滲み出てる。もしかしたら………今現役で走ってるどのウマ娘でもこの人には勝てないかもしれない。)

 

沖野(こんなウマ娘、ホントに居るのかよ………一体誰なんだ?けど比企谷が言うにはウマ娘に興味がある奴無い奴合わせても1度は聞いた事のある名前だって言ってたが………)

 

東条(今まで見てきたどのウマ娘よりも桁違いな強さね、これは。少し納得したわ、比企谷君があんなに優れた能力の一端がコレなのね。)

 

 

八幡「先生、コーヒーです。」

 

「ありがとう八幡………ん?少し上達したか?」

 

八幡「学園にコーヒー好きなウマ娘が居ますので、ソイツに淹れる約束をしてから少し自分でも飲むようになった、という感じです。」

 

「良い事だ、お前の作る品は最初こそ不出来だったが、今ではとても美味な物だからな。さて、君の担当のエアグルーヴはどんな様子だ?」

 

八幡「本調子ではありませんが、悪くない状態ではあります。」

 

「因みに作戦は?」

 

八幡「エアグルーヴに一任してます。」

 

3人「っ!?」

 

「ほう……本調子でもないのに作戦を全て任せるなんて、随分と彼女の力を信じているみたいだな?」

 

八幡「……アイツなら本調子でなくとも、結果を残せますよ。その力だってある。俺はそう思います。」

 

「成る程、やはりお前は誰よりも良い目を持っている、それこそ私よりもね。私も同じだよ、あの周りに居る娘達は全員同期で競い合うライバル同士。誰もがこのレースの勝利を目指しているだろうし、その覚悟もある。だがエアグルーヴだけは違う。それに影響されてか、他のウマ娘が少しイレ込んでる。」

 

 

やっぱり先生も気が付いてたか。人気の無いウマ娘達が周囲の様子を警戒するかのように辺りを見渡している。完全にエアグルーヴの出してる気迫の影響だ。人気上位のウマ娘でさえも耳を後ろに倒して威嚇するような、警戒するような構えをとっている。だが誰もエアグルーヴだというのは気付いていない。

 

 

葵「じゃあ、今回のエアグルーヴさんはいつもより仕上げが良いっていう事ですか?」

 

八幡「いや、仕上げ自体は普通だ。調子も上向きだが完全じゃない。だがエアグルーヴの中の何かがそうさせている。」

 

東条「じゃあアレでまだ完璧じゃないって事?それなのに他のウマ娘を警戒させるような気迫を出せるなんて………」

 

沖野「おいおい、今双眼鏡で覗き込んでみたけどよ……ありゃ完全に雰囲気に飲まれてるぜ。もしかしたら全員エアグルーヴの影響で能力が出せなくなるんじゃねぇのか?」

 

「まぁその可能性は充分に高いだろう。それだけなら問題は無いさ。だがエアグルーヴにも問題はある。」

 

葵「え、どういう事ですか?あんなに凄い気迫を………私にはあまり見えませんが………」

 

八幡「簡単な話だ。力が入り過ぎて逆に力まないかって事だ。幾ら勝ちたいレースに絶好調の調子で全力で臨んだとしても、変なところに力が入って能力が発揮出来ないんじゃご破算も良いところだ。」

 

東条「成る程、そこが唯一の不安材料って事ね?」

 

八幡「そういう事です。にしてもアイツ、いつまでアレをやるつもりだ?」

 

 

そろそろ身体ほぐしとかないとダメだろうに。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。