比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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賭け

 

 

ルドルフside

 

 

八幡「よし、タイム更新している。良い調子を保てているな。」

 

ルドルフ「はぁ……はぁ……ふぅ、本当かい?」

 

八幡「あぁ、先週よりもタイムは縮んでるしフォームも良くなっている。更に洗練されているのがよく分かる。」

 

ルドルフ「意識した甲斐があったよ。それじゃあこのまま……むぅ………」

 

八幡「どうしたルドルf……そういう事か、また来てるのか?」

 

ルドルフ「あぁ。君から見て4時の方向に居る。どうやら我々の偵察も兼ねて来ているらしい。」

 

八幡「なんつぅかこれじゃあ諦めが悪いっていうよりも往生際が悪いって思うのは俺だけか?このままじゃ本当にシリウスと先輩が不憫なんだが?」

 

 

あの人の我の強さは折り紙付き……叔父上の目標でもある海外遠征が、このままでは頓挫する可能性が高い。いくら叔父上が本気でもトレーナーとの意思が噛み合わねければ無駄骨も良いところだ。しかし直接関係の無い我々ではどうする事も出来ないからな……

 

 

最上『………』

 

八幡「……とりあえず続けるぞ。残り2本、意識するポイントは変えずにな。」

 

ルドルフ「あぁ、分かった。」

 

 

ーーートレーニング終了後ーーー

 

 

八幡「よし、施術完了っと。おいルドルフ、終わったぞ~起きろ~。」

 

ルドルフ「ん、んぅ……そうか、感謝するよ八幡君。」

 

八幡「気にするな、もう日課だからな。そんじゃあ【コンコンコンッ】……ん?どうぞ。」

 

シリウスT「お邪魔するよ、比企谷。」

 

八幡「シリウスT先輩……それにシリウスも、どうしたんです?」

 

シリウス「お前等の所にも来たんだろ、親父の奴が。」

 

ルドルフ「あぁ。とはいっても遠巻きに眺める程度だったよ。君達の所には……連日と同じような感じかい?」

 

シリウスT「うん、ハッキリと言う時は言ってるんだけど納得してもらえなくて……もっとハッキリ言った方が良いのかな?」

 

シリウス「いいや、アンタはアンタで言う事は言ってる。問題があるとすれば………」

 

ルドルフ「実績、だろうね。」

 

八幡「やっぱそこに行きつくか……」

 

シリウスT「やっぱりそこだよね……俺にはジュニアクラスの重賞を勝ったくらいしか実績なんて無いし、それ以前に前科もあるようなものだから………」

 

八幡「……なぁ?お前からも何か言ってやらないのか?」

 

シリウス「私が指咥えたまま良い子にしてると思うか?反論はしたが、聞く耳持たずって感じでな。」

 

八幡「………それなら、賭けをやらせてみたらどうだ?」

 

ルドルフ「賭け?」

 

シリウス「なんだぁ?ナカヤマみたいにギャンブルでもしろってか?」

 

八幡「そうじゃねぇよ。次に走る日本ダービーを賭けの舞台にするって事だ。勝てばトレーナー続行、負ければ降板、そういう賭けだ。」

 

ルドルフ「八幡君、いくらなんでもそれは大博打が過ぎると思うぞ?18人で競い合うレースで1着しか許されないのだぞ?」

 

八幡「厳しいのは分かってる。けど聞くぞ、あの分からず屋のおっさんが3着とか掲示板とかで納得するような優しい性格に見えるか?」

 

シリウス「皆無だな……だが面白ぇ。おい、次に親父が来たらそれを言え。テメェで勝負の場を作れ。」

 

シリウスT「えっ!?お、俺が!?」

 

八幡「当たり前ですよ、シリウスが言ったんじゃ説得力に欠けるし先輩の覚悟も伝わりません。それにこれは先輩のこれからが懸かってるんです、なら自分で作らないと意味ないですよ。」

 

シリウスT「……わ、分かった。次来た時に言ってみる!」

 

シリウス「やっと腹括ったか……念の為聞いておくが、お前私がダービーで負けるなんて思ってねぇよな?」

 

シリウスT「あ、当たり前だろ!勝つつもりでトレーニングしてるっ!」

 

シリウス「なら構わねぇ。邪魔したな、行くぞ。」

 

シリウスT「お、お邪魔しましたっ!」

 

 

……短い時間だったが、濃密な時間だったな。

 

 

ルドルフ「どうなるだろうか。」

 

八幡「こればかりは俺も分からん。けどトレーナーが担当を賭けて発言したのであれば、その言葉に耳を傾けざるを得ないだろう。」

 

ルドルフ「叔父上の反応に期待、という事だね?」

 

八幡「そうなる。しかし日本ダービーも近いってのにまだこんな事する人だとはな……娘の活躍する姿よりも自分の欲求を満たす事の方が大事なのかねぇ?俺には理解できないな。」

 

ルドルフ「君はウマ娘を最優先に心掛けているからね。」

 

八幡「この職業に就いたからには当然の心構えだと思ってる。」

 

 

君のそれは当然の事のように言っているが、それをこなせるトレーナーというのは世界を探してもそうは居ないだろう……

 

 

八幡「親で気になったんだが、スイートルナさんはお前の進む道について何か言ったりはしなかったのか?」

 

ルドルフ「特に言及される事は無かったね……自分の道は自分で見つけろ、そう教えられたからね。」

 

八幡「成る程……まっ、それならいいわ。」

 

 

その翌日、再び叔父上が学園に訪問した時にシリウスTが賭けの事を提案した結果、見事賭けが成立したと報告を受けた。条件もそのままで『勝てば担当を続行』『負ければ担当を変更』となった。これで本人達も益々トレーニングに熱が入るだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、日本ダービー当日となった。

 

 

 




最上、本当に諦めが悪い………
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