比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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重大な発表

 

 

八幡side

 

 

シリウスの優勝が確定したのはすぐの事だった。地下バ道へ行く途中では東京レース場の多くの観客達から祝いの声援が贈られ、ウィナーズサークルではシリウスTが合流して握り拳を作って空にガッツポーズをした。その気持ちも分かる、初のGⅠ制覇がこの日本ダービーなんだからな。誰がそうなったっておかしくは無い。加えて賭けにも勝ったんだから喜びもひとしおだろう。

 

インタビューでも2人は堂々と質問に答えていたし、次のレースでも活躍を約束する事も伝えていた。まだ次のレースの事は発表していなかったが、恐らく菊花賞のトライアルレースである事は間違い無いだろう。

 

 

ーーー数十分後・観覧席ーーー

 

 

ルドルフ「ダービー制覇、おめでとうシリウス。君らしい見事な走りだったよ。」

 

シリウス「当然だ。あの中に私の敵は居なかった、それだけの話だ。」

 

シリウスT「比企谷、最上さんは何処に居るんだ?此処まで来るのに辺りを見渡しながら来たんだが、姿が見えなくてね。」

 

八幡「いえ、シリウスのゴールしたところまでは一緒に居たんですけど、その後は退室したので俺達も分からないんですよ。スイートルナさん、先に帰ったとかあり得ますか?」

 

スイート「そうね……その可能性もあるわ。けれど妙に引っ掛かるのよ。」

 

八幡「そうですよね……」

 

シリウスT「どういう事?」

 

ルドルフ「シリウスが1着入線した時に賭けの事で話をしたのだが、特に何かを言う事も無くこの場を去ったんだ。どうにも不自然に感じてね。まるで賭け自体がどうでも良いみたいな雰囲気だった。」

 

スイート「えぇ……それに勝った事にも興味が無いように見えたわ。あの態度にも何だか気になるわ。」

 

シリウスT「でも俺達が勝ったんです、向こうだって文句は言えない筈です!」

 

スイート「えぇ、その通りよ。だから余計に腑に落ちないのよ……最上の潔さに。」

 

 

コンコンコンッ!!ガチャッ!!

 

 

「奥様、お嬢様方!!大変ですっ!!」

 

スイート「何事ですか?お客人も居るのですから平静になさってください。」

 

「それどころではありません!!最上様がとんでもない事を発表しました!!」

 

スイート「……内容は?」

 

「こちらをご覧くださいっ!!」

 

 

執事の人がタブレットをスイートルナさんに手渡すと、そこにはレース場のインタビュー席に座っている親父さんの姿があった。

 

 

『え〜最上さん、シリウスシンボリさんの今後について重要な発表があるとの事ですが、まずはシリウスシンボリさんの日本ダービー制覇、おめでとうございます。』

 

最上『どうもありがとう。我が娘は大きな舞台で良い成果を出してくれたと思っている。』

 

『皐月賞では調整が間に合わず回避という形になって直行でのダービー挑戦になりましたが、それが吉と出ましたね。』

 

最上『いやいや、調整が間に合わなかったのはトレーナーの職務怠慢に他ならんよ。そのせいで皐月賞を取りこぼしたとも言える。加えてウィナーズサークルでの所業は目に余る。GⅠを、ダービーを勝てた喜びは理解出来るがあの場所であんな事をする必要は無かった、プロ意識に欠けていると言わざるを得ない。』

 

 

八幡「言いたい放題だな。」

 

ルドルフ「シリウスの調整に間に合わなかったのは自身のせいだとは微塵も思っていないのだろう。」

 

八幡「タチ悪いな……」

 

 

『で、では本題に移りましょう。重要な発表との事ですが、シリウスシンボリさんの今後というのは次走の事でしょうか?』

 

最上『それで間違っていない。シリウスの次のレースは、欧州イギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスSに参戦する事を表明する。』

 

 

シリウスT「な………何だって!!?」

 

シリウス「………」

 

スイート「まさか、勝手に次走を決めるなんて!」

 

 

『それは前々から決めていた事なのでしょうか!?』

 

最上『シリウスは海外挑戦に強い興味を持っている、この時点で日本のクラシッククラスの頂点に立ったシリウスならば、世界を相手にしても不足ではないと私は感じた。だからこその海外挑戦だという事だ。』

 

『成る程……現在のURA副会長、スピードシンボリさん以来の日本の挑戦という事になりますね!』

 

最上『スピードシンボリ殿が海外に挑戦されてから16年、日本の海外への挑戦は全くと言っていい程に消極的だった。今回の挑戦で起爆剤となればと思っている。それともう1つ発表を………シリウスの帯同として、シンボリルドルフを起用する事を考えている。』

 

 

シリウス「っ!」

 

ルドルフ「私を?」

 

八幡「俺達まで巻き込むかこのおっさん……」

 

 

最上『まだ確定ではないが、同じ家の者が海外挑戦をするのだから前向きに検討してくれる事だろう。日本が世界に飛躍する為の第一歩として相応しい舞台だと私は確信している。』

 

 

………まさかこんな事をしていたなんてな。成る程、海外挑戦をするなら現地のトレーナーに任せた方が効率的だし、シリウスTから引き離す事だって可能だ。にしてもこんな手を使ってくるなんてな。

 

 

スイート「……母上、ご報告したい事が……あぁ、ご存知でしたか。その通りです、最上が………いえ、シリウスも担当トレーナーも今この場で私達と状況を把握しました………最上にはしっかりとした説明をさせてもらうのと同時に発表した内容の撤回をしなくては……いえ、まだですが………分かりました。では今日の夜に屋敷でよろしいでしょうか?……はい、分かりました。そのように伝えます……はい、失礼します。」

 

ルドルフ「祖母上ですか?」

 

スイート「えぇ。シリウス、ルドルフ、担当のお2人方。先の最上の発表の件でお話したいと思っています。ついてはシンボリ本家で全員を集めて詳細の説明を最上に行った上で方針を決めたいと思っています。本日の夜、お時間をいただけないでしょうか?」

 

八幡「分かりました。こちらもお話を伺いたいと思っていましたので。ルドルフとシリウスについては俺から理事長秘書と寮の寮長に連絡しておきます。」

 

シリウスT「自分も大丈夫です!」

 

スイート「ありがとうございます。」

 

 

一体何を考えたらルドルフを帯同させようなんて考えに至るのか、しっかり聞かせてもらおうじゃねぇの。下らない理由だったらどうしてくれよう、マジで。

 

 

 




最上の奴、勝手に次走決めやがった……!!何考えてんだ!?
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