エアグルーヴside
エアグルーヴ「………」
周りの奴等が辺りを警戒し始めた……ハイジの奴も何かを警戒しているかのような仕草をしている。だが誰もそれが何なのかは分かっていないようだ。それもその筈だ、見えない敵ほど厄介な者は居ないからだ。トレーナー、お前が教えてくれた事だ。
実況『さぁ、今年もこのレースがやって参りました!!クラシック第1レース、西に咲く満開の桜に囲まれながら若き18人の乙女達が桜の冠を目指してこの阪神レース場に集結しました!!昨年は人気薄のワンダーパヒュームが桜の栄冠を手にしましたが、今年も影の実力者が栄冠を手にするのか?それともジュニア王者のエアグルーヴや人気ウマ娘がやって退けるのか?桜花賞、まもなくファンファーレです!!』
♪〜♪〜♪〜
実況『さぁファンファーレが終わって各ウマ娘がゲートへと進んで行きます。生涯1度しか出られないクラシックの舞台、その中で1番目の女王の座に座るのはどのウマ娘なのか?3番人気のフィリーズレビューを勝ったリトルオードリーはすんなりゲートイン!残りのウマ娘も順調にゲートへと入っていく!2番人気ビワハイジも今ゲートインです!!さぁ今映し出されています、エアグルーヴも漸く動き出してゲートへと入りました!!さぁ最後に大外18番のアジュディケーターとなりましたが………嫌がる素振り無く入りました!さぁクラシック初戦、ティアラ路線の最初の女王は誰か!?第56回桜花賞、ゲートが開いてスタートしました!!』
よし、スタートは上手く出せた。後は策通りに走る、そして最後に差す!!
実況『先頭ホクトペンダントでしたがニホンピロブレイズも飛び出して先頭に立った!2番手カネトシシェーバー、並ぶようにホクトペンダントとビワハイジ、外にリトルオードリーです!エアグルーヴは今回後方に位置しています!!エアグルーヴは今回後方です!!いつもより後ろのこの位置から届くのかどうかっ!?』
本来ならばもっと前に位置取りを取るのだが、今回に限ってはこの走り方で行かせてもらう。それに番号も都合が良かった。2枠3番………この内に近い枠順ならば、可能性はある!
ハイジ(エアグルーヴは何処に居るの?此処からじゃ姿が見えないわ………まさかダッシュがつかなくて後方に?それとも前が開かない?どちらにしても好都合ね、これなら勝機はあるわ!)
リトルオードリー(表情が変わった………さっきから何かを警戒していたようだけど、何だったのかしら?まぁいいわ、私は私のレースをするだけよ!)
実況『さぁ中間過ぎて第4コーナーカーブを曲がり切る所まで来ました!!先頭は変わらずニホンピロブレイズ、後続勢も固まってグングンと上がってきた!エアグルーヴは内ラチ沿いの13〜14番手の位置に居る、これは厳しいか!?カーブ曲がり切って直線向きました!!先頭変わってカネトシシェーバーか!イブキパーシヴとノースサンデーも並びかける!外からファイトガリバーもやって来た!!』
見ていろお前達、溜めた脚を一気に爆発させるとは、こういう事だっ!!
実況『先頭2人の競り合いだが外からイブキパーシヴとファイトガリバーが突っ込んで来た!そして内から物凄い脚でエアグルーヴが追い込んで来た〜!!!さぁエアグルーヴ一気に射程圏内!!後200mになったが先頭を捉えた!並んだ!並ばず先頭に立った!!後ろからはイブキパーシヴとファイトガリバーが上がってくるが、2着争いか!?エアグルーヴ既に独走!!差を2バ身から3バ身離してゴール!!!』
よし!!獲ったぞっ!!
実況『エアグルーヴ今回は後方にて末脚炸裂!!そして5年ぶり、無敗の桜花賞ウマ娘の誕生!!内で待機して、直線向いたと同時に見事な伸び脚でした!!速報ですが勝ち時計が1.34.0、上がり4ハロンが47.1、3ハロンがなんと33.9でした!エアグルーヴが唯一の3ハロン33秒台でした!』
エアグルーヴ「はぁ……はぁ……先ずは1つ目だ!次はオークス、気を抜いてなどおれん。」
エアグルーヴsideout
八幡side
葵「す、凄い………」
沖野「内ラチ沿いで、しかも直線向いただけであの追い込み………どうなってんだよ、ありゃ。どんなトレーニングをしたらあんな追い込み出来んだよ………」
東条「………」
いや、俺も言葉が出ないんですけど。嘘でしょ?あんな位置からそんな脚を使えんのかよ……いや、確かに鬼ごっこの時は内側からも攻められる的な事は言ったけどよ、こんな風に使うか普通?
「ふふふっ、中々面白いレースだったぞ。まさかあんな風に出てくるとはね………君の入れ知恵かい?」
八幡「いや、まぁ少しはありますけど、作戦はアイツが考えたので実質俺は何もしてませんよ。」
「そうか。何にせよ、これで1つ目だ。クラシック初制覇、おめでとう。後日、祝勝としてお祝いをしようじゃないか。」
八幡「よろしいのですか?」
「構わない。言っておくが私と君の2人で、だからな?エアグルーヴは寮が解放してくれないだろうからな、私達は私達で楽しもうではないか。」
八幡「じゃあ、よろしくお願いします。日は改めて連絡します。」
「分かった、じゃあ君は彼女の元へと行ってやりなさい。担当トレーナーなのだからな。」
八幡「はい、失礼します。」