八幡side
………あまり言いたくはないし自分で決めた事だから文句では無いんだが、手順が簡単過ぎて出来上がるのが早くなってしまった。いや、これは単純に俺の計算ミスなんだけどよ、やっぱもうちょっと献立考えておくべきだったよなぁ………どうする?他に何かメニュー考えて作るか?いや、でも材料あんまり無いからメインを張れるようなのは作れない。かといってサイドになると物足りないと思われるかもしれない……思わぬところで悩まされてるな、俺。
八幡「………」
このままいくか、もう諦めた。
「お腹空いたね~。今日何にしよっか?」
「そうだなぁ~ってトレーナーさん?何で厨房に居るの?」
八幡「何でって、料理する以外此処に居る理由なんて無いだろ。」
「へぇ~トレーナーって料理するんだ!」
八幡「一応、な。ほら、早くしないと席取れなくなるぞ。」
「は~いっ、行こっか!」
「うん。」
あっ、そうだ。鶏ササミあるからいけるかもしれない!
八幡「すいません、卵ってもらっていいですか?」
ーーー数十分後ーーー
ルドルフ「やぁ八幡君、さっきぶりだね。」
シービー「やっほ~♪」
八幡「おう、来たか。とりあえずルドルフにはコレだな。ほい、冷やし中華。」
ルドルフ「ありがとう。」
八幡「タレは自分でお好みで注いでくれ。食べ終わったら次用意しておくから来てくれ。」
シービー「ルドルフ、あたしも頼んで来るから席の確保、よろしくね。」
ルドルフ「あぁ、分かったよ。では八幡君、完食してからまた来るよ。」
八幡「おう。」
とりあえず、俺も今の内に食っちまうか……機会を逃したら終わるまで食えない可能性があるからな。
八幡sideout
ルドルフside
シービー「お待たせ、ルドルフ~……って、それだけ?」
ルドルフ「あぁ、八幡君から渡されたのはこの冷やし中華だけさ。これを食べ終わった後にまた何かを用意してあるみたいでね。」
シービー「いやいや、八幡言ってたじゃん。冷やし中華とスタミナステーキって。じゃあもう残ってるのはステーキしか無いじゃん。」
ルドルフ「そうだったね。しかし八幡君の事だ、何か隠しているかもしれないぞ?」
シービー「あぁ~あり得るね。」
ルドルフ「冷やし中華でさえも期待してしまうとは……彼の料理を食べ過ぎてしまっているからだろうな。」
では、いただくとしようか。シービーの料理が冷めない内に、ね。
シービー「ねぇルドルフ、冷やし中華一口ちょうだいよ。あたしのもあげるからさ。」
ルドルフ「いいだろう。」
ーーー数十分後ーーー
ルドルフ「八幡君、ご馳走様……っと言うのはまだ早いかな?」
八幡「早いな。お前だってまだまだ物足りないだろ?」
ルドルフ「あぁ、少々ね。」
八幡「じゃあ第2弾だ。次はコレだ。」
八幡君が次のお盆を用意した。八幡君がお盆に乗せたのはスタミナステーキだけではなく、目玉焼きが乗せられた丼だった。
ルドルフ「八幡君、これは何だい?」
八幡「目玉焼き丼っていってな。北海道の北見のとある焼き肉店で賄い料理として出されていた料理なんだが、それを見た客が『自分も食べたい。』と言って美味かった事が評判を呼んでメニューになった料理だ。今回は鶏ササミがあったから白米に刻み海苔とねぎ、焼いたササミとその上に目玉焼きを乗せて醤油をかけてある。」
ルドルフ「目玉焼き丼……北海道にはそんな料理があるのか、知らなかったよ。」
八幡「気に入るかどうかは人それぞれだが、運動してるお前達ウマ娘なら結構良い料理だと思うぞ。」
ルドルフ「ありがとう、では早速いただいてくるよ。」
………心なしか、随分と視線が増えた気がする。確かにこの辺りでは見ない料理だし、見た目だけでも興味を持つのは当然だろう。私も味にかなり興味がある。どのような味になるのか全く予想もつかない。
シービー「お帰り~……ルドルフ、それ何?」
ルドルフ「八幡君曰く目玉焼き丼という北海道の中でも更に北の地域の北見の料理らしい。丼に目玉焼きを乗せた料理みたいだ。」
シービー「それは見れば分かるけどさ、美味しいの?」
ルドルフ「それは私も気になっているところさ。では、実食と行こうか。」
半熟に仕上げられた黄身は突くとすぐに割れてとろけ始めた。白身を食べやすい大きさにスプーンで切って、ササミと白米と一緒に口の中へ投入した。
ルドルフ「………美味しい。」
シービー「ホント?どんな味っ!?」
ルドルフ「なんて例えたらいいか……美味である事は間違い無い。だがどう例えていいのかが分からないんだ。醤油がしみ込んだ米の味、程良く焼かれたササミの味、名前の代表にもなった目玉焼きの味、全てが組み合わさっているからだろうか、色々な食感と味が口内を蹂躙しているとでも言えば良いのだろうか。だがこれは……手が進む。」
私は自分でも少し驚くくらいの勢いで丼を食べていた。シービーからも催促があったのだが、流石にコレは一口も譲る気にはなれないな。それと同時にステーキも食べて見事に私の満腹中枢は満たされた。
ルドルフ「……ご馳走様でした。」
シービー「一口欲しかったなぁ~。」
ルドルフ「済まない、上げる気になれなくてね……しかし目玉焼き丼、また食べたいものだね。」
ーーーおまけーーー
八幡「ほいライス、そうめんの後はコレだ。」
ライス「?お兄様、なぁにコレ?」
八幡「目玉焼き丼っていってな、丼物に目玉焼きを乗せた北海道の北見でよく出されている料理だ。」
ライス「へぇ~こんな料理があるんだ~!じゃあ、いただきま~す!」
八幡「おう、召し上がれ。」
ライス「あぁむっ……っ!!~っ!!」ブンブンッ!!
八幡「美味いみたいだな。」
ライス「お兄様、コレすっごく美味しいね!」
八幡「そう思うか?なら良かった、どんどん食べてくれ。」
ライス「うんっ♪」
その後、目玉焼き丼だけでルドルフは3杯、ライスは6杯を平らげた。おまけでシービー1杯。かなり好評だったようだ。