比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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20年ぶりの孫孝行

 

 

八幡side

 

 

八幡「………」

 

 

此処………昔行ってた婆ちゃんの住んでた家の近所の道にそっくりだ。いや、そのまんまか?すげぇ……本当に懐かしいな~。婆ちゃんが死んでからは千葉の南の方には行かなくなったからなぁ………昔は何回もこの道登ってたっけ。

 

 

八幡「……っ!アレって!」

 

 

目の前には何度も見覚えのあるそれなりに大きな家が見えた。今の日本でも古風と思われがちな屋根瓦の一軒家で小さい門の向こう側にはスライド式の玄関で左に行けば物干し竿に縁側という昔ながらの風景だ。俺、昔は玄関に入らずに縁側から入ってたんだよなぁ。その方が婆ちゃんに早く会えるからって理由だったっけ?

 

 

八幡「っ!」

 

???「………」

 

 

またも見覚えのある人が縁側に座っていた。その人は綺麗な栗毛で和服を完璧に着こなしながら縁側で日向ぼっこをするのが好きなウマ娘だった。俺もよくその隣で話をしてたんだよな………

 

 

八幡「………婆ちゃん。」

 

クリフジ「……大きくなったねぇ~八幡。もう立派な大人だね。」ニコッ

 

八幡「……あぁ、すっかり。」

 

クリフジ「こっちに来てまたお話しないかい?八幡の話を聞きたいんだけど、いい?」

 

八幡「……勿論、時間の許す限り話したいよ。俺も婆ちゃんに話したい事が山のようにあるんだ。」

 

クリフジ「ふふふ、それは楽しみだね~。」

 

 

これが夢だってのは何となくだが分かってた。それでも良い、婆ちゃんとまたこうして話せるのなら何でも良い……こうして肩を並べて話をするのだって20年ぶりだ、何から話していいか分かんねぇけど、話したい事から話しても良いよな?

 

 

八幡「俺、今トレセン学園のトレーナーをやっててーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「そんで担当の子が宝塚記念って優勝して春の3冠を達成したんだ。んで今は夏合宿が終わってトレセン学園で秋の天皇賞に向けてトレーニングしてる。」

 

クリフジ「そう……凄いのね~。」

 

八幡「あぁ、俺には勿体無いくらいのウマ娘だ。」

 

クリフジ「ううん、その子も凄いけど八幡も凄いんだよ。」

 

八幡「………俺も?」

 

クリフジ「八幡にもあったでしょう?周りからの重圧とか、期待とか。それに負けないで担当の子と一緒に戦ってきたんだから、八幡も充分に凄いんだよ。」

 

八幡「……ありがとう、婆ちゃん。」

 

クリフジ「ううん、私は普通の事を言っただけ……凄いのは本当の事だからねぇ。」

 

 

こんな風に落ち着いて穏やかに会話するのっていつ以来だっけ……先生と話をした時でさえもこんな空気にはならなかった。

 

 

クリフジ「八幡、お婆ちゃんからお願いしたい事があるんだけど、聞いてくれるかい?」

 

八幡「?」

 

クリフジ「八幡も気付いてると思うけど、此処に来る前は学園のお庭に居たでしょう?そして気を失った……」

 

八幡「………」

 

クリフジ「その後にね、お婆ちゃんは八幡の身体を使って舞を踊ったの。八幡が見つけてくれた私の踊った舞を。」

 

八幡「えっ!?そんな事をっ!?」

 

クリフジ「ごめんね、勝手な事をして……ただね、八幡にお願いしたいのが……いつでも良いの、あの舞を踊ってほしいと思ってね。」

 

八幡「………」

 

クリフジ「あの舞は私が京都の藤森神社の神主さんから教わったもので他の誰にも踊れない舞……だから、あの舞が無くなるのはとても悲しいの。」

 

 

……だからこのタイミングで婆ちゃんが現れたのか、自分の舞を残す為に。

 

 

クリフジ「ウマ娘じゃない八幡にお願いするのはお門違いかもしれないけど、聞いてくれないかしら?」

 

八幡「………婆ちゃん、俺が婆ちゃんの言う事を聞かないわけ無いだろ。それに俺もあの舞は練習してんだ、婆ちゃんからの頼みなら喜んで聞くよ。」

 

クリフジ「八幡………」

 

八幡「確かにレースの事を考えると駿大祭の奉納舞をするのは大変になる……けど、婆ちゃんの舞を残したいのは俺も一緒だ。喜んでやるよ……ルドルフも説明すれば分かってくれるって。」

 

クリフジ「………ありがとうねぇ、八幡。」

 

八幡「っ!?婆ちゃん……」

 

クリフジ「ごめんね?大変な事をお願いしちゃって……それともうお時間みたいだから、お婆ちゃんももう行かないと。」

 

八幡「……そっか、もっと話したかったけど……仕方ないよな。」

 

クリフジ「大丈夫。私はいつも八幡を見守ってるからね、頑張ってね。」

 

八幡「あぁ!」

 

 

次に京都に行った時は、絶対に婆ちゃんの墓参りに行こう………そんでたくさん供え物しないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「……ん、んんぅ……此処は?」

 

 

保健室?あっ……そういえば俺って婆ちゃんに乗っ取られて舞を踊ってたんだっけ?そんで庭で倒れたって事か?

 

 

八幡「……まずはルドルフに連絡だな。」

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

ガラガラッ!!

 

 

ルドルフ「八幡君っ!!」

 

八幡「ルドルフ、心配かけたみたいで悪かった。」

 

ルドルフ「……全くだ、君という奴はっ!」ダキッ!

 

 

……今は甘んじて受けるか。

 

 

八幡「……ルドルフ、そのままでいいから聞いてくれ。奉納舞、やってみる気は無いか?」

 

ルドルフ「っ!八幡君……」

 

八幡「ちょっと断るに断れない頼み事をされちまってな……」

 

ルドルフ「……どういう、意味だい?」

 

八幡「そうだな………20年ぶりに孫孝行をしたいって思っただけだ。」

 

 

ルドルフは別に断ってくれても構わない……やるのは俺だけでも構わない、でもどうせやるのなら今を走ってるウマ娘にも舞ってもらいたい。

 

 

 




祖母と孫の20年ぶりのご対面!良かったねぇ~八幡。

そしてルドルフに奉納舞のお誘いっ!結果は?
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