比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

81 / 1582
帰路

 

 

エアグルーヴside

 

 

エアグルーヴ「そうか、そんな事があったのか。」

 

八幡『あぁ、居てやれなくて済まない。お前の事だから心配はしてないが、まっすぐ帰って来いよ?今日は寮に帰って休んでもらっていい。明日ミーティングにする。』

 

エアグルーヴ「あぁ、分かった。」

 

八幡『んじゃ、また明日な。』

 

 

………バブルガムフェローが骨折していたとはな、もし私も奴の言う事を聞かずにトレーニングをしていたら出走を回避していたかもしれない。そう思うと、他人事ではない………私もベッドの上でレースを観戦するか、療養になってただろうしな。

 

 

エアグルーヴ「見舞いには行くべきだろうか?いや、無事に出走した私が言ったら何か言われたりしないだろうか?」

 

 

私はバブルの見舞いに行くか行かないかでかなり悩んでいた。全レースが終わってからウイニングライブが行われるのだが、その時間まで悩むとは我ながら情けない………

 

しかし、相手にはそれだけ気を遣わなければならん。クラシックに出るのが夢だったのにそれを断たれてしまったのだ、目の前に無事な奴が居て、しかも優勝していたとすれば、挑発にも取られる行為だ。流石にそんな事は私もしたくない。

 

 

エアグルーヴ「ひとまずは保留にしておくか。」

 

 

ーーー帰り道・電車ーーー

 

 

かなり遅い時間だ。全レースを終えてからのライブになるので、自然とこんな時間になってしまう。私の手には今回桜花賞を獲った者として、トロフィーと賞状が渡されている。流石にそのままでは目立ってしまうから、手提げバッグに入れている。

 

 

ライブが始まる前や最中、終わった後も観客は私の為に声援を送ってくれただけでなく、次走の事も言ってくれた。

 

 

『オークスでも期待してるよ〜!』

 

『母娘同一制覇期待してます!!』

 

『東京でも絶対応援します!!』

 

『次2,400mですけど頑張れよ〜!!』

 

 

様々な声を貰った。中には2着や自分の好きなウマ娘に向けて応援する人も居たくらいだ。

 

当然私はオークスを制するつもりだ。お母様と同じ舞台、そしてお母様が制覇した舞台だ。私が1番欲しいタイトルだ。桜花賞を終えた明日からの1ヶ月はこれまで以上に手の抜けない日々が続くだろう。府中の2,400mでも走り切れるというところを見せつけてやらなくてはな!

 

 

ーーートレセン学園・栗東寮ーーー

 

 

フジ「あっ、おかえりエアグルーヴ。」

 

エアグルーヴ「フジ……あぁ、ただいま。」

 

フジ「桜花賞制覇、おめでとう。耳に蛸が出来るくらい聞いたと思うけどね。」

 

エアグルーヴ「祝いの言葉は何度聞いても嬉しいものだ、悪い気になどならん。それよりも、お前はこんな時間まで私を?」

 

フジ「流石に皆を起こしておくわけにはいかないからね。皆君をお祝いしたかったみたいなんだけど、流石にそれは時間も遅くなっちゃうからね。次に持ち越しだよ。次の舞台は東京だけど、お祝い出来るかどうかは君の帰り次第だね。」

 

エアグルーヴ「おい、それは脅しているのか?」

 

フジ「そんなつもりは無いさ。それに君も疲れただろう?今日はもう部屋に戻ってゆっくりすると良いよ。今ならファインも起きてるかもしれないけど、レース後で疲れてる君の事を気遣ってくれるだろうしね。」

 

エアグルーヴ「だと良いのだがな。」

 

 

正直、今の私は疲れはあまり感じていない。それどころか普段のトレーニングの方が過酷に感じる。何故……と聞かれると、やはりトレーニングの質もあるだろうが、1番は奴が見ているからだろう。加減や違う動きをしようものならすぐに気がつく。最初から最後まで、足の爪先から耳の毛先まで一切気が抜けない。当然だがレースよりも見られているという意識を感じるのだ。

 

 

ーーー自室ーーー

 

 

エアグルーヴ「ファイン、入るぞ………」コソッ

 

ファイン「グルーヴさん、お帰りなさい♪今日のレースも凄かったよ!内側からビューンってっ!!寮で見てた皆も凄く驚いてたよ。」

 

エアグルーヴ「そうか。」

 

ファイン「けどね、私思うんだ。今のティアラ路線にグルーヴさんのライバルって居るのかなぁって。」

 

エアグルーヴ「走る奴全員がライバルだろう?」

 

ファイン「まぁそうなんだけどね?グルーヴさんと同じくらいの実力を持った同世代のウマ娘って居る?」

 

 

………そう言われてみれば、私と同じくらいの実力を持つ同世代のウマ娘とは競っていないな。

 

 

エアグルーヴ「3冠路線や他の路線のウマ娘と走ったわけではないからな、その点ではまだ分からんな。」

 

ファイン「誰が1番強いんだろうね?」

 

エアグルーヴ「さぁな、だがいずれ分かる事だ。さて、明日も学校がある。私は明日の身支度を整えたらすぐに寝るが、お前はどうする?」

 

ファイン「私もそうする。グルーヴさんの寝てる横で明かりなんてつけたくないもの。だって明かり苦手でしょ?」

 

エアグルーヴ「明かりが苦手なわけではない。フラッシュ……もとい閃光が苦手なだけだ。あの眩惑はどうにも慣れん。」

 

 

インタビューでのフラッシュもどうにかして欲しいものだと何度思った事か………まぁ、思うだけ無駄だろうがな。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。