八幡side
奉納舞……というよりも駿大祭が終わった後、俺達は着替えそのままで舞台に1度戻った後に帰る予定だったのだが、お爺さんお婆さん達から涙ながらに感謝されまくった。理由はどうやら、婆ちゃんの舞を40年ぶりに見られたからだという。神主さんも言ってたけど、難し過ぎて練習しても出来る気がしないから断念する子が多いって言ってたもんなぁ……この人達はその当時の舞を見ていた人や学生だった人達だろう。でなきゃこんな風に涙を流すのは無理だし、力の限り両手で握手をするなんて到底出来ない事だ。
その後には藤森神社の神主さんや絵師さん、先生達も来てくれた。勿論、スピードさん達も便乗する形で俺達の所に集まった。
神主『素晴らしい舞でした……まるで40年前にタイムスリップしてその時の光景を眺めているような、そんな来さえしました。きっとクリフジさんも喜んでいる事でしょう。』
絵師『貴方がお誘いする理由がよく分かりました。私もいつの間にか目頭が熱くなって涙していました……本当に良いものを見させていただきました。』
マンノウォー『日本にはこのような伝統があるとは聞いていたが、成る程……先人達への想い、か。また祖国に役立ちそうな教えが出来たかもしれんな。』
タリアト『奉納舞、楽しませてもらった。日本舞踊とは違うようだが、祈り以上に想いが伝わる舞だったと感じた。八幡、よければ私にも舞を教えてほしい。』
スイート『今年は比企谷さんが踊るから不安視もされていたけど、不安どころか大盛況な結果だったわね。皆2人の奉納舞で盛り上がっていたわ。』
スピード『ご年配の方々の声を聞いていたが、君達が今回踊った舞はクリフジ殿が踊っていたものだそうだね?素晴らしい舞だった。八幡君、それにルドルフも、私にもその舞を教えてはもらえないかな?クリフジ殿が踊ったという舞を私もやってみたいのだ。』
………っていった感じで駿大祭は大成功という形で幕を閉じる事が出来た。舞は俺もルドルフも失敗しなかったし、最後まで踊り切れたのが何よりも嬉しい。それに、婆ちゃんと踊れたのもすげぇ嬉しかった。俺にしか見えてなかったと思うが、それでも初めて婆ちゃんと何か出来た気がするから、個人的な感想だがめちゃめちゃ大満足だ。あっ、因みに親父達はLANEで『お疲れ様。』とか『凄い良かった。』と送って来てくれた。
そんで着替えた後は帰る予定だったのだが、せっかくだからという事で少しだけ楽しんでいる。今は………
「あっ、会長!奉納舞、お疲れ様でした!良かったらこれ食べてください!トレーナーさんも!」
「こっちのも食べてくれませんか!?今出来立てのホヤホヤですよ!」
「疲れた身体には冷たいドリンクとかが効くと思うですけど、どうですか?」
ルドルフ「皆ありがとう、その厚意ありがたく受け取るよ。八幡君もそうだろう?」
八幡「あぁ、そうさせてもらう。」
ルドルフ「しかしこのままだと長く居座ってしまいそうになるね……どうしようか?」
八幡「あんまり長居すると明日にも響くしな……コレを食べ終わって少ししたら行こうか。4時間くらいかかるからなるべく早く帰らないと日付変わりそうになるからな。」
ルドルフ「うむ、その方が良いね。秋になって日が沈むのが早くなったからね。」
それから俺達はお疲れ様会みたいな感じで2人で貰った出店の食べ物と飲み物を食べ終えてから帰路に着いた。
ーーー八幡宅ーーー
八幡「もうすぐで日付が変わる手前か……やっぱりお前だけでも電車で帰らせた方が良かったな。」
ルドルフ「君にそう言われたとしても私は君と共に車で帰っているよ。」
八幡「本当か?車だと4時間、新幹線だと早くて1時間半で着くんだぞ?そっちの方が時間短縮も出来たし、効率良く使えたと思うぞ?」
ルドルフ「?それはどういう意味だい?」
八幡「どういう意味も何も今日で駿大祭は終わりだし、お前がこの家に泊まる理由無くなっただろ。だから荷造りとか…身支度とか?」
ルドルフ「………八幡君、少し話そうか。」キリッ
八幡「頼むから変な話しないでくれよ?シービーみたいに此処に住むとかマジで勘弁しろよ?」
ルドルフ「八幡君、やはり君と私は相性が良いみたいだな。以心伝心とはこの事だな。」
八幡「当たってたのか………」
マジで?今日はもうやめよう?今日はもう身体も頭も動かしたくないんだよ……でも明日に持ち越したら、アレコレ理由付けてずっと居座りそうで怖いんだよなぁ……今話すか。
八幡「で?お前は此処に住みたい、と?」
ルドルフ「あぁ。寮生活も楽しませてもらっているが、こちらの生活の方が充実感があると感じている。できればこの家に厄介になりたいと思っているのだが、どうだろう?」
八幡「んな事言われてもなぁ……元々そういう条件でこの家に泊めてたんだから期間終わったら寮には帰さないと流石に問題になる。」
ルドルフ「因みに母上と祖母上にも相談はしてみたのだが、双方の合意があるのであれば構わないとの事だった。後は君の合意だけだぞ、八幡君。」
スイートルナさん、スピードさん、お願いですからそういう大事な事を俺に丸投げしないでくれませんか?しかもご自身の娘、孫娘の事なんですからもうちょっと慎重になりましょう?
ルドルフ、やっぱり八幡の家に居座ろうとしていますね。