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スピード「突然の来訪だったというのに、もてなしてもらって済まないね。」
八幡「いえ、このくらい普通の事です。それに目上の者は敬えと言うではありませんか。」
スピード「達者だな、君は。」
八幡「それで、お話というのはやっぱり今日見た夢の件でしょうか?」
スピード「はぁ……私だけではなかったか、安心したよ。もし私の変な夢だったと思うと自分からは言い出せそうにないと思っていたのだが、どうやら同じ夢を見ていたのだね。」
八幡「確かにそう思うのも無理ありませんね。」
八幡とスピードは応接室の一室で話をしていた。2人は夜中に見た夢の事で話をしようとしていた。
八幡「それで、夢の事がお話だとすると何からお話しましょうか?」
スピード「あはは、確認という意味で会いに来たのだ。私からの要件はもう無くなってしまったよ。」
八幡「そうなんですか?此処に来る前に色々予測していましたが、なら良かったです。」
スピード「ほう?どんな予測をしていたんだい?」
八幡「あ〜……家に泊まりたいとか、祖母の部屋を見たいとか、墓参りとかを予測していました。」
スピード「どれも魅力的な提案だな……1つ目と2つ目はすぐに叶えられそうだが、3つ目は持ち越しになりそうだな。確かクリフジさんのお墓は京都の藤森神社にあるんだったね?」
八幡「えぇ。なので行ける機会があるとすれば京都レース場、もしくは関西に用事がある場合のみになりますね。なので今年はもう行けそうにありませんね、今年はジャパンCと有マ記念とどちらも関東なので。」
スピード「それは残念だ………っ!であれば八幡君、ルドルフから聞いているのだが日曜日はトレーニングが休みだったね?であればエリザベス女王杯もしくはマイルCSのどちらかの週に京都へ行かないかい?移動の際は私と同行する事になるが。」
八幡(随分と思い切った提案をするもんだな……まぁ今年は春の天皇賞に行ったっきりだったからな。婆ちゃん墓参り、もう1回行きたいし、行くのもアリだな。)
八幡「そうですね……それも良いかもしれませんね。それに祖母の墓前は何度でも行きたいくらいですし。」
スピード「であれば来週はどうかな?ちょうどエリザベス女王杯の開催日だし、早い方が良いだろう。」
八幡「それじゃあ行くのは前日の土曜日ですか?それとも当日ですか?」
スピード「前日の土曜日にしよう、翌日に時間を有意義に使えた方が良いだろうしね。」
八幡「分かりました。」
スピード「今週の楽しみが増えたよ、日曜日が待ち遠しいよ。」
2人の空間は重苦しいものでは無く、愉快な雰囲気が漂っていた。しかし………
スピード「そういえば君からも話があると言っていたね?その話を聞いてもいいかな?」
八幡「っ!はい……ルドルフの同棲、と言えば分かりますか?」
スピード「あぁ、その事か。君が知っているという事はルドルフから聞いたのかい?」
八幡「はい。ですが、条件がおかしくないですか?しかも全部俺に委ねられているような気がするんですけど?どういう事ですか?」
スピード「君達を信頼しての判断だよ。でなければ私が君の家に大事な孫娘を1人、男性の家への宿泊を許可する筈がないだろう?」
八幡「確かにそれはそうですけど、それはスピードさんもスイートルナさんも俺とルドルフに一任している、という事ですか?」
スピード「そういう事だよ。」
八幡「俺は断っているのですが、ルドルフが頑なに家に居座り続けようとしているので少々困っているのですが、スピードさんから何か言う事は出来ませんか?」
スピード「それだけルドルフがあの環境を気に入ったという事だろう。しかしそうだな……あまり君を煩わせて関係が崩れてしまうのは私やルドルフの本意では無い、それとなく伝えておこう。だがあまり期待はしないでくれ。」
八幡「そこは確実に寮に帰らせるくらい言ってほしかったんですけど……」
スピード「はははっ、若い芽を摘みたくないものだからね。これで我慢してくれ。」
八幡「聞かないと思いますけどね、ルドルフには。最近の話ではありませんけど、料理が食べられなくなるのを危惧して俺を脅すまでしているくらいですから。欲しいものは傍に置いておくって宝石大好きのドラゴンか何かですか?それともそういう教えですか?」
スピード「教えではないが、ルドルフは幼少期の頃から割と独占欲が強くてね……」
八幡「………何となく分かる時があります。」
この時、八幡はこう思っていた……
『あぁ〜そういえばアイツ、レース後のナデナデとか結構大事にしてたっけ?』っと。
そしてスピードはこう思っていた……
『ルドルフは小さな頃から気に入った者には、よく声をかけたり傍に居たりしていたな。』っと。
八幡「なんか、ルドルフの寮帰還の期待が全く出来ないんですけど。」
スピード「ルドルフもアレで頑固なところがあるからな。ははは、一体誰に似たのやら。」
八幡「絶対にスピードさんからですよ。俺を半ば強引に家に住まわせるくらいですからね。」
スピード「ふふっ、そういえばそうだったな。」
ルドルフ抜いて2人でお話。