八幡side
八幡「………」
スピード『今さっき本日の業務が終わったところだ。今から学園に向かうからルドルフと一緒に待っていてほしい。』
八幡「……まっ、とりあえず校門前で待っていれば確実に来てくれるだろう。」
ルドルフ「しかし祖母上のプライベートの電話番号を貰っていた事には驚いたぞ。君は手が早いな。」
八幡「アホな事言うな。」
ルドルフ「冗談さ。しかし驚いたのは事実だ。」
八幡「いきなり来られても困るからな。それに、連絡先知っておいた方が報告とかもしやすいだろ?例えば孫娘がやらかした不祥事とか。」
ルドルフ「私は何もしていないぞ。」
八幡「例えだ例え。おっ、アレじゃないか?」
見覚えのある黒塗りの車……けど今回のはリムジンで来たんですね?
プロロロロ………ウィーン…
スピード「やぁ八幡君、それにルドルフも。お待たせして済まなかったね。さぁ、乗るといい。」
ガチャッ
運転手「どうぞ。」
八幡「はい、失礼します。」
ルドルフ「ありがとう。」
スピード「思えば、君とこうして車で共にするのは初めてだね。」
八幡「確かにそうですね。これに乗ったのは今年のダービー終わりの時でした。シンボリ本家に行った時でしたね。」
スピード「あの時は本当に迷惑をかけた。シリウスの元トレーナーにも酷い事をしてしまったと思っている。あの後、彼はどうしているかな?」
八幡「1人、注目しているウマ娘が居るって言っていたのでこの子の担当になったと聞いています。」
スピード「そうか、それを聞いて安心したよ。もし未担当のままだったら支援をしようと思っていたが、彼はシリウスが目をかけたトレーナーだ、必要の無い心配だったな。」
シリウスとの契約破棄をした時は結構落ち込んでたけどな、無理も無い。やっと出来た担当を無理矢理奪われたようなものだ……でも今は新しい担当の子と一緒にトレーニングに励んでる。俺もチラッと見たが、結構走りそうな子だった。
スピード「ところで八幡君、その荷物は何だい?」
八幡「コレは今日の昼食で作った料理の余りです。大食いの奴が居たのでかなりの量を作ったのですが、何故か俺の料理はたくさん食べられないらしくて。本人曰く『私にも分からない、本当はもっと食べたい。』だそうなんですけどね。」
スピード「そうなのか、それは魅力的だな。」
八幡「夕飯にはまだ早い時間ですけど、お腹が空いていましたら食べてください。以前作った時の家庭料理より更にグレートが下がっているのを気にしないのであれば大丈夫だと思いますので。」
ルドルフ「八幡君、この料理の事を私は知らないのだがどういう事だい?」
八幡「どういう事も何も、お前カフェテリアに現れなかったんだから仕方ないだろ。それにオグリ相手じゃお前の分を残しておくのは無理だと思わないか?」
ルドルフ「そこは君の腕の見せどころではないか。」
八幡「無茶言うな、無理だそんな事。」
スピード「仲が良いみたいで何よりだ。八幡君、料理を頂いてもいいかな?」
八幡「分かりました、準備しますね。」
スピード「……時にルドルフ、月に1度の報告で1つ気になった事があるんだが。」
ルドルフ「はい、何でしょう?」
スピード「先月の報告に八幡君の家で奉納舞の練習の為に宿泊するという報告を受けたが、その後の事が音沙汰無しになったのが気になってね……私も双方の合意があればそのまま過ごして良いと許可は出したが、返事が無い。さて、詳しく聞かせてもらいたいところだ。」
………説教はやめてくださいね?こんな狭い空間で。
ーーー数十分後ーーー
ルドルフ「八幡君、私は本気だ。本気で君の家に住みたいと思っている!私とて誰にでもこのような事を口にするわけではない、君だからこそ言っているのだ。これも信頼の形の1つだ!許可してもらえないだろうか?」
スピード「ルドルフ、無理を言ってはならない。彼にも自分だけの空間が必要だ、彼の意図を汲んでやるのも信頼の形だ………ではあるが、中々に判断が難しいところだ。八幡君、折衝案として今年一杯まで孫娘の滞在を許してはもらえないだろうか?」
八幡「スピードさん、采配甘過ぎません?」
スピード「……済まない、孫娘相手だとやはりどうしても甘さが出てしまう。」
にしてももう少し頑張ってくださいよ……何でそこで押し負けてしまうんですか?孫娘にも料理にも。ルドルフにめっちゃ懐柔された挙句、料理にも手が止まらなくなってるし。現役時代に【遅咲きの名雄】と言われていた程の威厳はどこに行っちゃったんですか?
八幡「しかも何ですか後2ヶ月って?そちらのお孫さん既に俺の家に2ヶ月過ごしてるんですけど?もう四半期半分以上過ごしてるんですけど?」
スピード「君の家に世話になった者としての意見を率直に述べさせてもらうが、本当に居心地が良いのだよ。恐らく私がルドルフの立場であったとしても、きっとルドルフ同じように行動してしまうと思う。」
八幡「えぇ……」
ルドルフ「八幡君、今年だ。翌年以降はまた検討するとして今年は許してもらえないだろうか?」
八幡「おいお前!何が翌年以降はまた検討だよ!?普通あり得ないんだからな!?トレーナーの家に学生で担当のウマ娘が泊まりでしかも住み込むなんて!ちょっとは反省しろよ、生徒会長だろうがっ!!」
何で検討?話し合うまでも無く、そのまま寮に帰ってもらいますけど!!
祖母、孫娘に買収www