八幡side
八幡「……どうだ、身体の方は?」
ルドルフ「………あぁ、今までで1番良いよ。ジャパンCでもこんなに高揚した感じでは無かった。」
八幡「そうか……じゃ、中山レース場に行くぞ。ヒーローは遅れてやってくるって相場は決まってるが、お前の場合はラスボスなんだから堂々としろよ。」
ルドルフ「ふふふっ、言い得て妙だな。私がラスボスか!ならば最後まで挑戦し続けてきた挑戦者達を迎え撃とうではないか。」
八幡「それじゃ、【皇帝】の出陣と行くか。」
ルドルフ「エスコートは任せたぞ、我が【宰相】?」
八幡「……そういやそんなあだ名付けられてたっけ。」
まぁそんな事はどうでもいい、とりあえず今は中山レース場に行くか。きっと先生達も会場入りしてると思うし。
ーーー車内ーーー
ルドルフ「八幡君、今回のレースの作戦は考えてあるのか?」
八幡「まぁ一応は。けどこの前のジャパンCでめちゃくちゃな走りであれだけの内容だから、今日のレースも同じようにしていいぞ。まぁ簡単に言えば、お前に丸投げだ。」
ルドルフ「身も蓋も無い言い方だね……だが何よりも分かりやすい、では私の自由にやらせてもらうよ。」
八幡「おう、そうしろ。後、外に出たら少し覚悟はしておいた方がいいかもしれないぞ。」
ルドルフ「?それは、一体どういう意味かな?」
八幡「さっき先生からLANEが入ったんだが、朝の時点で観客動員数の記録を更新しているらしい。だから今の時点で中山レース場には15万人以上の人が集まっていると思え。」
ルドルフ「朝の時点でその数とは……」
それもこれもお前のせいなんだけどな。
ーーー中山レース場・駐車場ーーー
八幡「ふぅ……さて、ここからだな。」
ルドルフ「八幡君、既に注目を浴びているのだが?」
八幡「浴びない方がおかしいと言いたいが、ちょっと異常だな……引退レースとはいえここまでなのか?まぁいい、とりあえずお前は『今の私に話しかけるな。』みたいなオーラでも身に付けておけ。その方が周りの人達も理解してくれるだろう。」
ルドルフ「うむ、少々失礼な気もするが致し方ない。分かった、それで行こう。」
八幡「よし、じゃあ行くか。」
話し合いを終えた俺達は中山レース場内のスピードさん達が居る観覧席を目指していた。すると何故か俺とルドルフが通る道の前に居る人達は横にずれて道を開けてくれたのだ。これってアレなのか?『【皇帝】の通り道を邪魔するな。』的なアレなのか?行く先々でそれの連続だからもうそのノリで行く事にした。
ーーー観覧席・入口ーーー
八幡「トレーナーの比企谷と担当のシンボリルドルフです。」
「比企谷様とシンボリルドルフ様ですね?確認しました、こちらは通行証です。どうぞ上へ。」
八幡「ありがとうございます。」
ルドルフ「………」
八幡「ルドルフ、もういいぞ。」
ルドルフ「ふぅ……慣れない事はしたくないものだ。」
八幡「これから先、嫌でもしなくちゃならない時が来ると思うと、先が不安か?」
ルドルフ「まさか、身が引き締まるよ。」
八幡「そいつは良かった。」
まぁルドルフの事だからそういう事にはもう慣れているだろう。学園に来るお偉いさんとか理事長の前とかで色々と経験してそうだしな。
ルドルフ「……この部屋だね。」
八幡「だな……【コンコンコンッ】トレーナーの比企谷とシンボリルドルフです。」
スピード『来たか、入って構わない。』
八幡「失礼します。」
ルドルフ「失礼します。」
スピード「君達が来るのを今か今かと待っていたよ。まぁ座りなさい。」
タリアト「八幡、お前はこっちだ。」
八幡「はい、失礼します。」
ルドルフ「では私もそちらに。」
タリアト「うむ、ではちょうどいいから2人に尋ねよう。まず先に八幡、何故家を構えた事を黙っていた?」
八幡「……えっと、それは………」
ヤッベぇ……完全に忘れてた!先生にはルドルフが居なくなったタイミングで教えようと思っていたのに、コイツが無駄に居候を続けるから言うタイミングが無かったなんて言えねぇ~!!
タリアト「どうした、答えられないのか?」
八幡「すみません。先生もプロフェッサーとの事でお忙しいと思っていたので、頻繁に連絡しては迷惑だと思いましたので。」
タリアト「お前からの報告を迷惑に思うわけが無いだろう。スピードから聞いたが、家を持ったのは今年始まってすぐらしいな?」
八幡「……はい。」
タリアト「であれば八幡、私の言いたい事は分かるか?」
八幡「……クリスマスプレゼントというわけではありませんが、ご都合のつく日がありましたら喜んでおもてなしさせていただきます。」
タリアト「流石の答えだ八幡。では次にルドルフ、お前だ。随分と長く八幡に世話になっているようだな?」
ルドルフ「は、はい。おかげさまで。」
タリアト「この前のジャパンCで食事の話を聞いたが、あの時には既に?」
ルドルフ「……タリアト殿のご推察通りです。」
タリアト「ふむ……お前達の信頼関係が私が思っているよりも深いという事は分かった。だがルドルフ、お前は自身の本分を自覚しろ。お前はまだ学生だ、学生の本分は勉学だ。それを勘違いしてはならない。」
ルドルフ「ご高説、痛み入ります。」
タリアト「それに、八幡が進んでこれを許すとは思えない。理由があるのだろう?」
その後、俺とルドルフは経緯を全て話した上で先生による優しい雷を受ける事になった。
先生、きっと手加減してくれたんでしょうね。