比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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朝の秘密

 

 

ルドルフside

 

 

ルドルフ「………」

 

 

遂にこの時間が来た………私のレース人生最後の日だ。私は既に勝負服に着替えてパドックで控えている。これから紹介に入るところだ。僅か10人という少人数のメンバーだが、だからこそ気は抜けない。ライバル同士でもあるが、恐らく私以外の9人は私を潰しにかかるだろう。自慢に聞こえるかもしれないが私を倒せる事が出来れば、それだけで箔がつくのもまた事実だ。

 

 

実況『さぁお次のウマ娘の紹介です!』

 

 

……出番だな。

 

 

実況『圧倒的1番人気!6枠6番、シンボリルドルフです!』

 

解説『今日が最後のレース、所謂引退レース、ラストランという事ですが、それだけあって仕上がっていますね。しかもこれまでの中で1番の仕上がりだと言っても過言ではありませんよ!これまで抑えていた闘争心を全て剥き出しにしているかのようなオーラさえ感じますね。』

 

実況『圧倒的1番人気、圧倒的実力差にも感じますが、その辺はいかがでしょう?』

 

解説『難しいところですね……他のウマ娘達もきっと彼女を警戒すると思いますし、思い通りのレース展開をするのが難しいと思われますけど、前走のジャパンCでは予想外の場所からスパートをかけましたからね。彼女がどのタイミングで動き出すのか、どのポジションに位置づけるかが鍵になってきますね。』

 

 

……確かに他のライバル達の動きは気になる、だが今日の私は八幡君からもお墨付きを貰っているのでね。残念だが負ける気がしないのだよ。

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

八幡「………あのさ、出走前なのにコレやる必要あるか?コレをやるのってGⅠ勝った後って約束じゃなかったっけ?今これやったらダメじゃない?」

 

ルドルフ「もうこれが普通になってしまったのだから致し方ない事だ。それに前のジャパンCではこれのおかげで大きな力を出す事が出来たのだから、やっておいても損は無いと思うが?」ギュ∼!

 

八幡「じゃあやらなくても損は無いって事だよな?なら「いいや、もしやらなかった場合は大きく調子を落とす上にやる気が削がれる。」………何それ、超致命的じゃん。」

 

ルドルフ「そうだ致命的だ。だからこそこれは必要な事なのだ。分かってくれたかい八幡君?」

 

八幡「うん、理解した……ってなるわけ無いだろ。ほらもう離せ、もう行きなさい。」

 

ルドルフ「私はラスボスなのだろう?ならばコースに入場するのは最後で良いじゃないか。」

 

八幡「………まさかお前に屁理屈を言われる日が来るとはな。」

 

 

この時間は何時間経っても足りないくらいだ……トレーニング前後にもやって欲しいくらいだ。

 

 

八幡「なぁラスボス、お前今日どんな走りをするつもりだ?一応言わせてもらうが、あまり無茶な走りはしないでくれよ?ケアはしたとはいえ、レース後の事は俺にも想像がつかない。」

 

ルドルフ「……あぁ、分かっているよ。君が怪我に敏感な事も知っているよ。だが君も理解しているだろう?他の9人はきっと私をマークする……だから多少の無茶はするつもりだ。」

 

八幡「……まぁこれを言ったところで聞かない事は分かってたからな、頭の片隅にでも入れておいて欲しいと思って言っただけだ。それだけだ。」

 

ルドルフ「あぁ、分かった。君からの指示は承ったよ。それでも私は勝ちに行く。」

 

八幡「あぁ、分かってる。ほら、もう時間だから行ってこい。観客達もお前の事を待ち侘びているだろうしな。ちゃんと自分を見せびらかしてこい。」

 

ルドルフ「ふふふっ、君は相変わらずだな……あぁ、分かった。」

 

 

よし、【皇帝】最後の出陣だ。他のライバル達には悪いがこのレースでも勝たせてもらう。

 

 

ルドルフ「さぁ、行こうか!」

 

 

ルドルフsideout

 

八幡side

 

 

八幡「戻りました。」

 

タリアト「あぁ、ご苦労だった。」

 

スピード「ご苦労様。ルドルフはまだ姿を現していないが、理由があるのかい?」

 

八幡「ヒーローは遅れてやってくるでしょう?でもそれはラスボスも同じ事です、ルドルフは後者なので威圧感増し増しで本バ場登場してもらおうと思っただけですよ。」

 

タリアト「つまり他の9人でボスを倒せ、というわけか?中々考えたものだな。ルドルフもそれは承知しているのか?」

 

八幡「朝にもそれを言いました。」

 

タリアト「成る程、了承済みなら構わない。」

 

スピード「時に八幡君、君とルドルフは今日に限って昼からの現地入りだったが、理由はあるのかい?」

 

八幡「………一応あります。」

 

スピード「よければそれを教えてはもらえるかい?」

 

八幡「……分かりました。今日の有マ記念、ルドルフは朝にこれまで以上の仕上がりで臨みたいと言っていました。これまでで1番は去年のジャパンCでした。その時以上のパフォーマンスにしたいというお願いがあったので、学園でトレーニングをしていました。」

 

スピード「何っ!?トレーニング!?レース当日の朝にか!?」

 

八幡「はい。レースに支障をきたさない範囲で行っていました。勿論ケアも最大限に行いました。なので今日のルドルフは解説の言っていた通り、過去1番の仕上がりだというのは100%本当の事です。」

 

タリアト「……そうだったか、いつも以上に見えたのはそれが原因か。」

 

スピード「今日の有マ記念、去年の菊花賞同様に忘れられないレースになりそうだ。」

 

 

 




ルドルフ、まさかのレース当日にトレーニング!!
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