比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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新しい目標

 

 

八幡side

 

 

カフェ「デビュー戦、ですか?」

 

八幡「あぁ、俺は10月に出させたいと思っている。場所は東京で距離は2,000m、夏明けになるから他に出るウマ娘達も仕上げてくるだろうから、お前の実力を試すのにもってこいの時期だと思う、どうだ?」

 

カフェ「分かりました。ではトレーナーさん、それまでは中距離向けのトレーニングをするという事でしょうか?」

 

八幡「そうだな。まぁ根本的なトレーニングは変えずにスピード面を鍛えるトレーニングを増やす。カフェはスタミナが豊富だから2,000mなら余裕で走り切れるだろうと思う。だから夏の間はスピードが中心になる。」

 

カフェ「分かりました。では私もデビュー戦に向けて準備しておきます。」

 

八幡「あぁ。つってもまだ4ヶ月以上あるから慌てる必要も無いけどな。」

 

 

デビュー戦まで4ヶ月以上あるといっても、かなりあっという間だ。それにその後のレースも考える必要がある。恐らくレースの内容で決めると思うから、仕上がり次第で次走が決まるって感じだな。最低で条件レース、最高で重賞レースといったところだろう。

 

 

八幡「ところで、毎晩遅くまでお友達と走っているようだな?」

 

カフェ「っ……ご存知、だったのですか?」

 

八幡「知っていた、というよりも聞いたが正確だな。お前とお友達が走ってるって報告受けてるぞ。走るのはいいがトレーニングをした後なんだ、あまり感心はしない。」

 

カフェ「……ごめんなさい、気を付けます。」

 

八幡「分かってくれて何よりだ。お友達もカフェを併走に誘うのは程々にしてやってくれ。するなと言うつもりは無いから。」

 

お友達『………』コクリ…

 

八幡「そう落ち込むな。トレーニング中の併走なら協力を仰ぐかもしれないから。だから夜は我慢だ。」

 

カフェ「………」

 

八幡「じゃあそういう事だ。夜の併走もしくは追いかけっこは程々にって事で。」

 

カフェ「……トレーナーさんは『走るな。』とは言わないんですね。」

 

八幡「言うと思ってたのか?」

 

カフェ「……はい。」

 

八幡「カフェの思いは知ってるつもりだからな、それを蔑ろにするつもりは無いしな。それにお前の目標だろ、お友達を追い越すっていうのは。」

 

カフェ「っ!」

 

八幡「力試しくらいなら許可する。それでも俺に一言くらいは言ってくれよ?」

 

カフェ「……トレーナーさんはご存知だと思いますが、私には色々なものが見えます。他の人には見えない、不思議な子達が。」

 

八幡「………」

 

カフェ「でも、それを信じてくれる人は居ませんでした。『そんな者は居ない』『気味が悪い』『ただの幻覚』『妄想』『思い込み』たくさんの言葉が、私の大切なものを傷付けているようで……悲しかった……」

 

八幡「………そうか。」

 

カフェ「だから、幼く小さかった私は閉じこもったんです。大切なものが、傷付けられないように……元々身体も弱かったですし……周りを納得させるだけの理由は、ありました。でも……そんなある日、私によく似た後ろ姿の女の子が……走っていたんです。」

 

八幡「……それがお友達か?」

 

カフェ「はい。顔は見えなかったのですが、楽しさだけは伝わってきて……私は、とても羨ましくなって……閉じこもっていた暗い部屋から外に飛び出したんです。」

 

八幡「………」

 

カフェ「そこは眩しくて目が眩みそうになりました。でもお友達は楽しそうに走っていて……何を気にしていたんだろうって思いました。誰に信じてもらえなくても、あの子は楽しそうに走っているのに……それから、お友達はずっと……私の前を走り続けています。」

 

八幡「……初めてお前の昔話を聞いたな。」

 

カフェ「トレーナーさんも知っていると思いますが、私はお友達の顔を見た事はありません……私、追いつけないから……振り返ってはくれないから……だから、いつも背中だけを見ているんです。私は彼女に追いつきたい、隣で一緒に、走りたい。」

 

八幡「………」

 

カフェ「最初はそう思っていました。でも今は違います……今の私は、お友達を追い越して……お友達の顔を見たい、そう思っています。」

 

八幡「……そうか、なら一層頑張らないとな。」

 

カフェ「はい……新しい目標が出来たので。」

 

お友達『〜〜〜』ケラケラッ!!

 

カフェ「簡単には追い抜かさせない……うん、望むところ、だよ。手加減して勝っても、嬉しくない。」

 

お友達『〜〜?』

 

八幡「私もカフェと一緒にトレーニングしてるから、より速くなってる………確かにその通りかもな。でもだからこそ、追い越し甲斐があるってもんだろ?」

 

カフェ「はい……待っててね、きっと追い越してみせるから。」

 

お友達『っ!!』フンスッ!!

 

 

カフェも改めてやる気を引き出せたみたいだな。しかしお友達もカフェの神経を逆撫でするような事を言うなんてな、でもそのおかげでカフェもこれからのトレーニングの士気が高く保てそうだ。

 

 

お友達『♪〜』モグモグ

 

八幡「………毎回食べてるよなお前、美味いか?」

 

お友達『♪〜』コクコクッ!!

 

カフェ「食べ過ぎたらダメ、だからね?」

 

八幡「カフェ、もう手遅れだ。1日経ったら全部無くなってるから。」

 

カフェ「………太るよ?」

 

お友達『っ!!?』ギクッ‼︎?

 

 

 




カフェの新しい目標が出来たみたいですね。
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