比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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半年の成果

 

 

八幡side

 

 

肌に冷たい風が当たるような季節になり、この時期は所謂『秋のGⅠシーズン』とも呼ばれている。9月のスプリンターズSから始まって12月の有マ記念、ホープフルSまで連日GⅠ開催みたいなものだ。多くのウマ娘達はそれを目標にしていると言っても過言では無いだろう。かく言う俺達も将来はそうなりたいわけだが、今日は違う目的で来ている。

 

 

現在日曜日の午後。東京5レースの芝2,000m……カフェのデビュー戦だ。

 

 

カフェ『準備、出来ました。』

 

八幡「ん、入るぞ。」

 

 

控え室に入るといつものジャージという服装とは違い、半袖と黄色い短パンに黒タイツ、9番のゼッケンを着用したカフェが居た。

 

 

八幡「ん、大丈夫そうだな。来る前にも聞いたが、調子はどうだ?」

 

カフェ「平気、です。やっと走れる、といった気分です。ターフが待ち遠しいです。」

 

八幡「それは何よりだ。とりあえず作戦……と言いたいところだが、今日の作戦は無い。お前のやりたいように走ってみろ。それが1番やりやすいと思うしな。この半年間、お前の脚質なんかも色々見てきたから自分の得意とする戦法は理解しているだろ?」

 

カフェ「はい。」

 

八幡「それを存分に生かしてみろ。だからこの東京レース場を選んだ……」

 

カフェ「分かりました。」

 

八幡「お友達も走りたいように走ってくれ。今のカフェの力を見る為にも手加減は不要だ。するつもりは無いとは思うけどな。」

 

お友達『っ!!』コクコクッ!!

 

カフェ「あの、トレーナーさん。」

 

八幡「ん、何だ?」

 

カフェ「……勝ちます、このレースに。」

 

八幡「………」

 

 

初めてだな、カフェがお友達の勝負以外に勝ちたいと言ったのは。待たせた分、気持ちが溢れているのかもしれないな。

 

 

八幡「あぁ、勝ってこい。」

 

カフェ「はい。」

 

 

ーーー観覧席ーーー

 

 

八幡「………」

 

 

今回のデビュー戦、人数は15人とかなり多い。その中でもカフェは2番人気に推されている。カフェにとってまだ短い距離に感じるかもしれないが、この半年で蓄えた力はきっとどのウマ娘よりも遥かに強いと俺は思っている。お友達と夜に並走するくらいだ、元気は有り余ってるくらいだろう。

 

 

♪〜♪〜♪〜

 

 

八幡sideout

 

カフェside

 

 

実況『東京5レース、メイクデビュー戦。芝2,000mの戦いが行われます!15人のウマ娘達1つの勝利に向かって今ゲートへと向かっていきます。1番人気は15番トレジャー。2番人気は9番マンハッタンカフェ。3番人気は8番イサオヒート。この3人が人気を集めました。そして最後に大外アツスパーコがゲートに入って体勢完了です!』

 

 

ガッコン!!

 

 

実況『スタートしました!先頭争いで前に行くのはやはりトレジャー!メジロブルームとアルミランテも前に行きました!マンハッタンカフェとイサオヒートは中団に居ます!最初のコーナーをカーブして向正面に入って行きます!』

 

 

………お友達はやっぱり前。やっぱり速い……でも、私だって!

 

 

実況『さぁ先頭から見ていきましょう。メジロブルームとトレジャー、この2人が引っ張る形となりました!3番手にアルミランテ、トリプルタワー、シンゲンリュウオー横一線!その後ろブライアンマーチとその外アツスパーコ!ダイナミックラムが内を走ってイサオヒートとマンハッタンカフェはこの位置で脚を溜めてます!さぁ3コーナーカーブへと向かいます!』

 

 

やっぱりお友達の速さは落ちない……それどころか速くなってる、やっぱり此処の差が大きい。でも、私は……お友達に、追い越したい!

 

 

ズサァ!!!

 

 

実況『おっと!マンハッタンカフェが此処で動き出した!これはロングスパートだ!先頭との差を詰めて行くっ!!』

 

 

カフェ「くっ……!」

 

 

やっぱり速い!でも、まだ追える!

 

 

実況『さぁ4コーナーをカーブして直前コースへと向きました!マンハッタンカフェが外から追い込んで来る!!凄い脚だ!一気に先頭にたった!!しかしまだ400mも残っているぞ!!』

 

 

カフェ「ふっ……ふっ……はぁっ!!」

 

お友達『…っ!?』ダダダッ!!

 

 

実況『マンハッタンカフェ、速い速い!後ろとの差をどんどん離しているぞっ!2番手はトレジャー粘っていてイサオヒートが上がって来て、マイネルランツとアルミランテ3番手争い!!マンハッタンカフェ後ろを突き放して今ゴールインッ!!勝ったのは9番、マンハッタンカフェ〜!!』

 

 

カフェ「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

また、追いつけなかった……でも、

 

 

カフェ「前より、近付けた……」

 

お友達『♪〜♪〜』ピョンピョン!!

 

カフェ「……ふふ、嬉しそう。」

 

 

あんなに喜んでいるところ、見た事ない……今までずっと一緒に走って来たけど、あんなに喜んだ事は1度も無かった。

 

 

お友達『〜〜!〜♪』

 

カフェ「っ!」

 

お友達『♪〜♪〜』タッタッ!

 

 

お友達は機嫌良さそうにスキップをしながらターフから去って行きました。向かった先はきっと、トレーナーさんの所だと思う……結局、お友達には負けてしまったけど、私もとても気分が良かったです。先程、お友達からこう言われたからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お友達『カフェ、前よりも速くなった!嬉しい♪』

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 




カフェ、デビュー戦勝利!

そしてお友達もカフェの成長にご機嫌!
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