比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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春の実力

 

 

ーーーーーー

 

 

実況『さぁ、今年もやって参りました!!4月の皐月を占う3冠路線トライアルレースの1つ、弥生賞!今年は何と言ってもホープフルSの優勝者、アグネスタキオンが再びこの中山レース場に戻って来ました!約4ヶ月の間でどれだけ実力を伸ばしたのかっ!?』

 

 

「やっぱりアグネスタキオンだよな〜。」

 

「あぁ、だって前走のホープフルSなんて圧勝だったしな。他のメンバーも地味だしタキオン1択だろ。」

 

「だな。」

 

「他のメンバーは?」

 

「地味も地味。唯一重賞勝ちしてるマンハッタンカフェが対抗出来るかどうかじゃないか?」

 

「あの走りに勝てる奴が今のクラシッククラスに居るとは思えないんだよなぁ〜。」

 

 

中山レース場に訪れていた観客達はタキオンの勝利を確信しているかのような物言いばかりだった。強いウマ娘が居ればその色に染まりやすいのがこの勝負の世界。今期のクラシック世代においては、まだ始まってもいない本番前にそれが既に出来上がってしまっていた。

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

カフェ「………凄い熱気、でしたね。」

 

八幡「だな。まぁこれからの皐月賞を見る上ではこのレースが1番確実だろうからな。それに、今日の弥生賞で結果がどうであれ皐月賞に出走しないと決めてるのは俺達くらいなものだろう。」

 

カフェ「……そうですね。」

 

 

八幡とカフェはこのレースが皐月賞トライアルで上位入線したとしても、皐月賞を回避する予定を立てていた。その理由としてはカフェの適性の問題だった。カフェの得意分野は長距離、この時期のクラシッククラスはまだ長距離を走れないのだ。春のクラシックを全走走ったとしても、勝利を得られなければ意味が無い。ならば1番勝率の高い秋に向けて今から力をつけるという意味合いで弥生賞で自分の力量を測るのと経験を積むという意味でレースに参加した。

 

 

八幡「カフェ、とりあえずはお前の今出来うる走りをしてくれればそれでいい。お前の本番は秋だ、その秋を物にするためにも今の実力は把握しておく必要があるからな。」

 

カフェ「分かりました……」

 

八幡「?」

 

カフェ「走るからには、1着を目指します。」

 

八幡「……あぁ。」

 

 

そしてカフェは控え室からターフへと向かった。

 

 

ーーーーーー

 

カフェside

 

 

実況『中山レース場に集結した8人のウマ娘が弥生賞出走権を得る為に争います!注目株はやはりGⅠウマ娘のアグネスタキオン!その次に今年の京成杯覇者のマンハッタンカフェとなっています。ジュニア王者にどれだけ対抗出来るか、期待しましょう!』

 

 

タキオン「よく見返してみれば君と戦うのは、これが初めてだねぇ。」

 

カフェ「………」

 

タキオン「ではお互い、良いレースにしよう。」

 

カフェ「………」

 

 

えぇ……そうしましょう。

 

 

♪〜♪〜♪〜

 

 

実況『雨は上がったものの、バ場のコンディションは不良のまま。この中でどんなレースが繰り広げられるのでしょうか!?ウマ娘達がゲートへと向かって行き、最後に大外ダイイチダンヒルが入って体勢完了です!』

 

 

ガッコン!!

 

 

実況『スタートしました!真ん中からデルマポラリス上がって先頭。最内にアグネスタキオン。その外並びながらニシノフェニックスとボーンキング!タキオンは4番手の位置、その後ろデビュー戦からの参戦ミスキャスト!2番人気マンハッタンカフェは後ろから3番目の位置で1コーナーをカーブしていきます!』

 

 

……離れ過ぎないように、タキオンさんの脚は鋭い。それに、お友達も前に居る。

 

 

実況『向正面中間!アグネスタキオンは単独3番手、マンハッタンカフェはやや位置を上げて5番手まで押し上げました!これから第3コーナーのカーブに入っていきます!逃げているのはデルマポラリス、その後ろにはボーンキング!アグネスタキオンはそれを追っている!』

 

 

……貴女だったら3コーナーでスピードを上げる。だって、貴女の得意な走り方だから。だから私も、貴女に追いつく為にそれを磨いた。だから、今日は……っ!

 

 

タキオン「っ!!」

 

 

実況『おっと!いつの間にかマンハッタンカフェがアグネスタキオンと並んで……いや、並ばずに置き去りにしました!そのまま単独3番手で前の2人を追っているぞ!!さぁ4コーナーのカーブは目前だっ!!』

 

 

タキオン「面白いじゃないか!!やはり君の行動は不可解だ!!」

 

カフェ「………」

 

 

実況『さぁ4コーナーから直線に向いた!!先頭は変わってマンハッタンカフェ!!マンハッタンカフェがアドバンテージをキープする形で先頭に立っている!!後ろからはアグネスタキオンが追い込んできている!!さぁどうだ!?最後の登り坂だ!!越えた先は何が見える!?』

 

 

カフェ「もう、少し……っ!」

 

タキオン「くっ……」

 

 

後……少しっ!

 

 

実況『先頭マンハッタンカフェ!!マンハッタンカフェだ!!アグネスタキオン猛追っ!!しかし前との差が縮まらないっ!!勝ったのは7番、マンハッタンカフェ〜!!!

 

 

カフェ「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

お友達『〜〜……〜〜……〜〜……』

 

 

いつもはケロッとしてるのに、今日は………

 

 

実況『これは大判狂わせっ!!勝利確実と思っていましたが、待ったをかけたのはマンハッタンカフェ!!1バ身差で見事にジュニア級王者を撃破しましたっ!!見事な捲りでしたっ!!』

 

 

カフェ「……追いつけてる、あの子に。」グッ!

 

八幡「………」

 

 

 




カフェ、早めの捲りでタキオンを完封!!
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