比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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走る意味

 

 

カフェside

 

 

カフェ「はっ……はっ……はっ……」

 

 

こっちの道は近道になりますが坂が多くてペース配分が必要……反対の道は遠回りですが平坦な道が続いています……どちらを選ぶにしても、私には必要な道に見えます。であればっ!

 

 

ーーーゴール地点ーーー

 

 

八幡「……おっ。」

 

カフェ「はっ…はっ…はっ…はっ…」

 

八幡「頑張れカフェ~ラストスパートだ~!」

 

カフェ「っ……はぁぁぁぁ!!」

 

 

ピッ!

 

 

八幡「よし、お疲れさん。どうだった?」

 

カフェ「はぁ……はぁ……前日に、はぁ……いただいた資料の……通りでした。はぁ……はぁ……」

 

八幡「下見をしておいて正解だったな。どうだ?長距離が得意なお前でもかなり堪えてるんじゃないか?」

 

カフェ「はぁ……は、はい………」

 

 

私達のトレーニングが本格的に始まって3日が経ちました……本日行っているのは、選んだルートに沿いながらゴール地点を目指すという簡単な内容ですが、その道がとても険しいのです。前日に渡された資料には幾つかのポイントがあり、そのポイントは必ず分かれ道になっています。そして最終目標は八幡さんが設定したタイムよりも速く走破する事、です。

 

 

カフェ「それで……タイムは、どうでした?」

 

八幡「1時間26分だ。つまり後26分縮めないといけないって事だな。」

 

カフェ「26分………」

 

八幡「カフェ、最初から高望みはするなよ?」

 

カフェ「え……どういう事ですか?」

 

八幡「1時間っていうのはお前に長距離の適性が無ければ設定していない。もし中距離までの適性しかない奴にこれをやらせたら、きっと2時間半以上はかかる。最初でこのタイムはお世辞抜きでも上出来だ。」

 

カフェ「………」

 

八幡「だから自分の中で26分をどうやって縮めるかを色々研究してみろ。今日はこのコースだったけど、他のコースではどうなるのかも1つの勉強だ。菊花賞は長距離は勿論だが他のレース場に比べても脚の使い方やスタミナの使い方がより重要になってくる、長距離にもなれば尚の事気を付けなきゃならないと言っても過言じゃない。」

 

カフェ「……あの、他のコースを見に行ってもいいですか?」

 

八幡「あぁ、いいぞ。ただし歩きながら行って来い。走りは厳禁だ。このやり方は脚にかかる負担が大きい、証拠にお前の脚は震えてるだろ?だから次にチャレンジ出来るのは最低でも3日後だ。それまでは他のトレーニングをしながらお前の調子との兼ね合いになる。」

 

カフェ「……分かりました。」

 

八幡「じゃ、山を下るついでに歩いて行くか。じゃあお前の行かなかった道を歩きながら下っていくぞ。」

 

カフェ「はい。」

 

 

他の道はどのようになっているのでしょうか?資料に書かれていましたが、実際に走ってみないと分からない事もありますので。

 

それから私達はお話をしながら私の走っていないルートを歩きながら山を降りています。風と共に鳴る木の葉のせせらぎが涼しい気持ちにさせてくれます……

 

 

カフェ「ところで、明日以降はどんなトレーニングをする予定なのですか?」

 

八幡「考えているのは遠泳だな。ペースはゆっくりでもいいから長く泳ぐ事を意識してやりたいと思っている。何かやりたい事でもあったか?」

 

カフェ「いえ、明日はどんな事をするのか気になっていましたので……」

 

八幡「今日みたいなキツい内容じゃなくて安心したか?」

 

カフェ「それはあり得ません……八幡さんの考案するトレーニングは、奇抜なので楽しくやらせてもらっています。」

 

八幡「楽しく、か……それなら良かった。」

 

カフェ「それに八幡さんは、私の悩みでもあった爪の事もすぐに解決してくれました。その証拠に、去年から1度も爪の炎症は起きていません……」

 

八幡「1度もお前から怪我の報告は受けてないが、1度も無いのか?」

 

カフェ「はい、1度も起きていません。」

 

八幡「そうか、それは良い事を聞けたな。怪我が無いのが1番だからな。」

 

 

………八幡さんは、本当に怪我が無いのが1番良い事みたいに言うんですね。

 

 

カフェ「八幡さんは、GⅠのタイトルが欲しいとは思わないんですか?」

 

八幡「?どうしてそう思うんだ?」

 

カフェ「その、八幡さんはあまり欲が無いように見えましたので。GⅠのタイトルは欲しいのかなと思って……」

 

八幡「まぁトレーナーをやっている以上、1つは欲しいって思ってる。けど何をしてでも欲しいとまでは思わないな。俺達がやってるのはウマ娘が輝けるように手伝いをする事だって思ってる。そりゃ多少の野望とか野心とかは必要だと思うが、それが大きくなるとウマ娘を1つの道具としか見えなくなっちまう……俺はそうなるのは御免だ。あくまでも、俺達はウマ娘が輝けるように手伝う……自分の意志も大切だが、そこを間違えちゃいけないと思ってる。短距離の適性のウマ娘に『3冠獲れ!』なんて無理な話だからな。そりゃ頑張れば目指せるかもしれないけど、無理強いしてまで自分の物欲しさの為にやらせる事じゃない。カフェの質問には最初に答えたが、まぁ……ウマ娘次第、っていうのが最終的な答えだな。」

 

カフェ「ウマ娘、次第?」

 

八幡「担当するウマ娘が『あのタイトルが欲しい!』とか『あの偉業を達成したい!』とかそういう意志だな。お前でいうところのお友達を追い越したいってヤツだ。その目標に向けてトレーニングをしているし、お前も頑張ってるだろ?お友達は関係無くなるがお前の適性である長距離でこれから勝負していくっていう理由に関しては、ウマ娘が輝くっていう意味に近いな。」

 

カフェ「………」

 

八幡「お節介かもしれないが、トレーナーをしている以上は少しでも上を目指して欲しいからな。」

 

カフェ「いいえ、お節介なんて事はありません……八幡さんの本音を聞けて、嬉しいです。」

 

 

私も、走る意味というのを……もう1つ見つけられた気がします。

 

 

 




やっぱり八幡はウマ娘を第1に考えているのが分かりますね。
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