次はマイルレースとなります!
八幡side
小休憩が終わって、次はマイルレースになる。このコースでは1600mを走る事になってる。まぁマイルならオーソドックスな距離だな。1番無難と言ってもいい。だがその分、スピードとパワーがかなり重要になってくるって事だ。
八幡「さて、マイルではどんなウマ娘が居るのやら………」
東条「貴方もマイル狙いで行くのかしら?」
八幡「っ!東条さん、どもっす。別にそういうわけではないです。どんな奴がいるのかなって思って言っただけです。東条さんは目星ついてるんですか?」
東条「私はそれなりに此処に居るから、大抵の子なら分かるのよ。」
羨ましいこって。だがまぁそれはキャリアの差だよな。俺は来てたったの2日だ、それを埋めろと言われても無理だ。
八幡「因みにその目星のウマ娘を教えてもらうのは?」
東条「無理ね、同業者とはいえライバルだもの。こんな事軽々とは言えないわ。敵に塩を送るようなものよ?」
八幡「そうですよね。とりあえずは観察しながら決めますよ。」
東条「やっぱり貴方は書くタイプだったようね。この前のメニューを見た時も思ったけれど、タブレットやPCは使わないのかしら?」
八幡「使う時は使いますけど、俺は殆ど使いませんね。こんなのを作る時くらいしか使いません。」
使いやすいとは思うんだが、なんかもう慣れたんだよな。あの人がこういう性分だったから、俺も真似したらいつの間にかこれが当たり前になってたってヤツだ。今となっては直す気もない。それに気に入ってるしな。
八幡「さっ、そろそろ始まりますよ。」
東条「えぇ、見させてもらおうかしら。」
ガッコン!!
マイル部門も短距離同様に中々のハイレベルなレースだった。だが短距離とは違ってペースを考えないとすぐバテるし、中距離と違ってスロー過ぎても後に伸びなくなる。スピードもそうだが、1番重要なのはレース展開によるスピードの流れと言ってもいいだろう。
さっき知り合ったオグリだが、2レースで1着だった。正直あれはかなり走るな。バネもそうだが、恐ろしいのはあの力強さだ。あの脚なら中距離でも通用する。長距離のGIの中でも最短の有マ記念なら良い勝負出来ると思うぞ、あれは。
1レース1着のウオッカも中距離でも良い走りをしそうだ。しっかしあのウマ娘もかなりのバネだな。相当鍛えられてるんだろう。でなければ後ろからあんな追込は普通出来ない、囲まれてたってのに。
3レース1着のフジキセキはレース運びから何から何まで完璧だった。3レース全てにおいて、マイルとはどういうコースかというのを一番分かっているウマ娘だと思う。底が知れないウマ娘と言っても良いだろう。
こっからは2着と注目したいウマ娘の名前を出していくぞ。
2着
1レース:ダイタクヘリオス
2レース:ニシノフラワー
3レース:バンブーメモリー
注目
アイネスフウジン
シーキングザパール
ミホノブルボン
とまぁこんな所だ。この中で選ぶとしたら、オグリとフジキセキ、そしてニシノフラワーだな。オグリとフジキセキは可能性が未知だから、どこまで行けるのか育ててみたいっていうのがあるな。ニシノフラワーはどちらかというと短距離寄りの方だからそっち方面で育てたい。
その中でも特にオグリを育ててみたい。理由はさっきも言ったが、惚れ込んだ理由はもう1つある。それは………
オグリ「トレーナー、戻ったぞ。」
八幡「いや、俺はお前のトレーナーではないんだが?」
オグリ「そうだった、済まない。ところで1つ聞きたいんだが、いいだろうか?」
八幡「何だ?」
オグリ「飴玉はまだあるだろうか?お腹が空いてな。」
八幡「お前マジ?………ほれ、全部やるよ。3つしかないけどな。1着祝いだ。」
オグリ「か、感謝する!」キラキラ
八幡「それよりもお前、シューズ履き替えてこい。あちらこちら破けてんぞ。」
オグリ「むっ、そうだった。じゃあトレーナー、私は履き替えてからまた来る。」
八幡「いや、だから俺は………はぁ、まぁいいか。」
俺がオグリを育てたい理由、分かった奴も居たとは思うが、あのバネの強さは異常だ。1度走っただけで、あのシューズは普通あんなにボロボロになったりはしない。ウマ娘の履いているシューズは俺達が履いているスニーカーや運動靴よりも遥かに強度がある。ウマ娘の身体能力に合わせて作られてるから当然だな。
それなのにオグリは今日走っただけだというのに、シューズがあの有様だ。とんでもないバネだ………そんな走りをしたというのに、当の本人は何ともないような顔をしている。それがさも当然かのように。もしあのシューズがゴールするまで無事だったら後続をどれだけ離していたのかも分からない………
八幡「まだ2部門終わっただけだってのに、色んなウマ娘に目移りしちまう程に良いウマ娘が居るな。決められなかったらどうしよう俺。」
その時は逆スカウトでも待ってみるか?ハヤヒデとかなら来そうだからな………いや、無理か。他のトレーナーが黙ってる筈ないよな。つーか逆スカウトされたトレーナーっているのか?『私、貴方に育てられたいです!!』的な感じでさ。いや無理だな、そもそも新人のトレーナーに担当されたいっていう奴が居るとは思えない。余程の物好きくらいだろうな、ソイツは。
それに聞いた事ないよな………それとは別にチームとかなら加入って形になるから分かるんだが、個人でスカウトってのはどうなのだろうか?
以上、マイルレースとなりました。
今回は特にご紹介するウマ娘は居ませんでしたので、簡単な説明はなしにします。