比企谷八幡、ウマ娘トレーナーになる!   作:生焼け肉

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2度目の大舞台

 

 

ーーーーーー

 

 

12月23日の午後15時ちょうどの中山レース場……今、このレース場では年末の大一番のレースが行われようとしている。そのレースは年に2回しか行われないグランプリと呼ばれるレースで、選ばれたウマ娘しか出走する事が許されない選ばれたウマ娘だけのレース。暮れの有マ記念のパドックの時間となった。

 

 

実況『今レース3番人気、4番マンハッタンカフェ。前走菊花賞では後続を突き放しての勝利を収め、ここまで無敗のウマ娘です!3人しか居ないクラシッククラスのウマ娘の大将です!この暮れの有マ記念でも良いレースを披露してくれるでしょう!』

 

 

カフェ「………」チラッ

 

お友達『………』

 

 

カフェ(この前の菊花賞と同じ、凄く集中してる……でも、今度こそはあの子を追い抜く!お友達もきっと、この日の為に色々やってきたと思うけど、それは私も同じ。)

 

 

カフェ「………」

 

オペラオー「………」

 

カフェ「(この人は、確かに強い……でも。)チガウ。あの子とは、何もかも違う人。魂の形が……見えない……」

 

オペラオー「うーん、どうにもピンと来ないねぇ。芝居が噛み合う気がしない……ボクの共演者としては、異質過ぎる。オペラッタとスプラッタは違うものなんだが。」

 

ドトウ「あ、あのぉ〜、ここは仲良く〜……」

 

 

2人の間にライバル意識や火花がバチバチといった様子は全く見受けられなかった……しかし両者の間には異様な緊張感が漂っていた。

 

 

タキオン「カフェー!集中したまえー!」

 

カフェ「っ!」

 

タキオン「アドレナリンの分泌を妨げてはならない!ドバドバだ、いいかドバドバ!」

 

八幡「何を言ってんだお前………ん?」

 

 

カフェはタキオンの言葉に頷いたように見えた。そしてお友達もそれに呼応したかのように一足先に地下の方に向かって行った。

 

 

カフェ「必ずお友達を………」

 

 

ーーー控え室ーーー

 

 

八幡「お友達は先に本バ場入場を済ませてる、俺達はもう1度打ち合わせだ。」

 

カフェ「はい、お願いします。」

 

八幡「作戦はこれまで通り中団やや後方で他の連中を見ながら走れ、プラスお友達もな。幸い内枠を取れたから道中の流れは問題無いと思う。人気の2人は常にマークしておけ。この2人の追い出しには遅れないようにな。」

 

カフェ「……分かりました、お友達の走りにも気を付けて走ります。」

 

八幡「ん、じゃあ行って来い。」ポンポンッ

 

カフェ「………はい。」

 

 

今この時、カフェは菊花賞以来2ヶ月ぶりに八幡に頭を触られた。その時間は僅かなものだったが、彼女に確かなやる気を漲らせていた。

 

 

ーーーーーー

 

八幡side

 

 

八幡「戻ったぞ。」

 

同期2「お疲れさん、比企谷。にしても流石の数だよなぁ〜。あの2人がトゥインクルシリーズを引退してドリームトロフィーリーグに行く前の最後のレースなのに、これだけの人が集まるんだからよ。」

 

八幡「長い間、シニアクラスを賑わせた2人だからな。あの2人だけでワンツーフィニッシュは全部で6回だ、その2人が居なくなるんだから見届けたいって気にもなるだろ。」

 

タキオン「さてさて、どんなレースになるのか楽しみだねぇ。もしかしたら私もこのレースに出るかもしれないから、今の内に分析しておかないとね。」

 

八幡「お前はそれよりも金杯だろ?2ヶ月とはいえ久しぶりのレースなんだ、変なレースするなよ?

 

タキオン「ククク……任せたまえよ、君にも見せてあげよう。私の実験の成果をね!」

 

八幡「いや実験の成果は別に要らないけどよ、とりあえず金杯は楽しみにしておく。ところで、あれから先輩1と同期3はどうなんだよ?」

 

同期2「何にも変わらずだよ、相も変わらず旧理科準備室であぁだこうだの連日だよ。向こうから切ったくせに今更何だよって思うんだよなぁ……」

 

八幡「契約を切ったと思ったら、活動再開して別のトレーナーの担当になったと聞けば面白くはないだろうな。でも正式な手続きで契約を破棄したから、向こうだって何も言えないけどな。」

 

 

俺とカフェは先輩1に気付かれなかったが、現場に居たからな。やり取りだって聞いてる。嫌な別れ方をしたってのは確実に言える。

 

 

同期2「……っ!おい比企谷、顔は向けずに下を見てみろ。噂をすれば、だぜ。」

 

八幡「………居るな、あの2人。」

 

同期2「睨み付けてきてるぜ……あの2人もタキオンの事早く諦めればいいのによ。何でいつまで経ってもタキオンに固執するんだか。」

 

八幡「そんなの決まってるだろ。タキオンの才能は世代を除いても明らかにトップクラスだからな、確実にGⅠを取れるだけの力があるからな。みすみす取りこぼすような事はしたく無いって事なんだろう。まぁ、もう既に手遅れなんだけどよ。」

 

タキオン「私は既に彼と契約しているのだから、何度来たところで無駄なのだがねぇ……やはり彼等みたいな人種には何度言っても話が通じないのだろう。」

 

 

割と辛辣な事を言ってるが、タキオンの言っている事は的を得ている。実際、本当に話が通じて無いから今日までずっと『トレーナー代われ!』だの『我々の元に帰って来い!』だのと言ってくるんだろうな………

 

 

実況『ゲート前に居る13人のウマ娘達もやる気充分!今か今かと待っている様子です!さぁ今年最後のグランプリ、2分半のレースを楽しみましょう!1年の総決算、有マ記念のファンファーレですっ!!』

 

 

 




次回、有馬記念です!!
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