カフェside
カフェ「そうですか……オーストラリアでは先生さんの後輩の方達のお世話になるんですね?」
八幡「あぁ、そういう事だ。だから宿泊と食事の事は一切心配無くなった。トレーニングする場所についても融通を利かせてくれる事になっている。」
カフェ「……凄い方達なのですね、その人達は。」
八幡「そうだな。」
八幡さんの報告は昨日の先生さんのお電話の件でした。どうやら今日のトレーニング終わりにここまで先生さんが来てお話をしながら決まったみたいです。その先生さんは今、何処かにお出掛け中との事ですが………
「ねぇ、あんなウマ娘この学園に居た?」
「ううん、見た事無い。でもさ、体格すっごく大きいよね。」
「うん………」
あ………先生さんが帰って来たみたいです、それにしても荷物が多いですね。
タリアト「……八幡、この場にある食材で料理を作れ。」
八幡「………」
タリアト「………」
八幡「…どんな料理にします?ガッツリ食べますか?それともサッパリしたのを中心にしますか?」
タリアト「お前は分かってて聞いているだろ。」
八幡「相手のリクエストに応えるのは当然だと思いますよ。それに今日の先生の走り、実力の半分も出していなかった……それを見たら俺だってどっちを作るのが正解なのか、聞きたくもなります。」
タリアト「ふっ、お前らしい答えだ。では両方五分五分で頼む。」
八幡「分かりました、では厨房借りてきます。お時間かかりますけど、いいですよね?」
タリアト「あぁ、構わない。」
八幡さんは食材を持って厨房へと行ってしまいました……先生さんと2人になるのは初めて、かもしれません。
タリアト「遠征は心配か?」
カフェ「…いいえ、八幡さんがついていますので。」
タリアト「ふっ、そうか……しかし会見を見た時は少し驚いたものだ。まさか八幡が海外遠征に挑むなんてな。」
カフェ「意外、ですか?」
タリアト「あぁ。学園に配属して5年経ったくらいに挑戦すると思っていたが、最初の担当ウマ娘で挑戦するとはな。」
カフェ「私の適性を考慮しての判断です……」
タリアト「だろうな。そうでもなければ、あの慎重な八幡がこのタイミングで海外遠征を決断する理由も無いからな。」
………この人は、八幡さんの事をよく理解している。八幡さんの事をよく見ているのですね。
カフェ「あの、トレーナーになる前の八幡さんはどのような感じだったのでしょうか?」
タリアト「……そうだな、今のように熱心にトレーナーに打ち込むようなタイプでは無かったな。寧ろその逆と言って良い。」
カフェ「逆……手を抜く、という事ですか?」
タリアト「平たく言えば、な。だが手抜きでも私の教えについて来たのは後にも先にも八幡ただ1人だけだった……言っておくが最後まで手抜きだったわけでは無いぞ?」
……学生時代の八幡さんにお会いしてみたかったです。
ーーー数十分後ーーー
タリアト「それで八幡は何度ダメ出しを食らっても何度もメニューを作るようになってきてな、いつからか八幡に「先生、あんまり過去の事をほじくらないでくださいよ……」おぉ八幡。何、ただ待つのも退屈だからな。マンハッタンカフェの要望に応えてお前の学生時代の話をしていたところだ。」
八幡「知らぬ間に自分の事を話されていたんじゃたまりませんよ……とりあえず何品かは出来たので、これで繋いでてください。」
八幡さんはテーブルの上に調理した料理を置いたのですが、量がとても多いです……
タリアト「ほう……どうやら腕は鈍っていないようだ。」
八幡「最近はお菓子も強請られていますので、料理に関しては鈍るどころか磨きがかかっていると思いますので。」
タリアト「なら味も保証していいという事だな?」
八幡「その解釈で構いませんよ。」テクテク
タリアト「……ふふ、言うようになったな。さぁ、いただこうか。」
カフェ「………私もよろしいのですか?」
タリアト「勿論だ、マナーとしては良くないが、話しながら食事を楽しもう。」
………ですがこの量、食べ切れるのでしょうか?
タリアト「急いで食べる必要は無いからな、この後も料理は来るのだからな。」
カフェ「………はい。」
ーーー更に数十分後ーーー
私の心配を余所に、目の前の料理があっという間に無くなっていました……私は食べたい料理を取り皿に取って食べていましたが、それでもすぐに無くなってしまいました。
八幡「圧倒されてるみたいだな、カフェ。先生はかなりの大食いでな。そんじょそこらの量じゃ満足なんて出来ないんだよ。」
カフェ「……そのようですね。」
タリアト「八幡、腕は確かに磨かれているみたいだな。あっという間に完食だ。」
八幡「料理人ではありませんが、それはそれで嬉しいです。追加を持ってきました。今度はガッツリ系ですよ。」
タリアト「待っていたぞ。」
カフェ「あの、八幡さんは食べないのですか?」
八幡「安心しろ、味見しながらちょっとずつ食べては完成したら取り分けてる。俺の分も取ってある。」
カフェ「そうですか、なら良かったです……因みに、アレは放っておいてもよろしいのですか?」
八幡「ん?あぁアレか……別に放置でいいぞ。だってこの料理は先生が買ってきた食材で出来てるんだから。欲しかったら先生に直談判するしか無い。今日の俺に決定権は無いからな。」
タリアト「何だ、あの子達から視線を感じると思ったらこの料理が食べたいという意味だったのか。」
オグリ「………」ダラダラダラダラダラ
ブライアン「………」ギラギラ
スぺ「………」ジィ∼…
去年もそうでしたね………ですが、どうして八幡さんの料理ばかりに目が向くのでしょうか?料理してくださっているスタッフの作る料理も充分美味しそうに見えますが。
タリアト「まぁ仕方ないだろう。見慣れない料理に見た目、香り、それが幾多もあれば気になってしまうのは仕方の無い事だ。」
カフェ「……確かに、そうですね。」
少し分かった気がします。確かに去年の鹿肉料理も色々な人から見られていましたから。
ーーーおまけーーー
八幡「……うん。よし、出来た。後は盛り付けてから……保温と。」
この作業を繰り返す事数十分……
八幡「よし、第1陣完成っと。ほれ、ライス。」
ライス「ふぇ!?で、でもコレって……」
八幡「いいからいいから。美味しそうだなってずっと見てただろ?ほら、遠慮しなくていいから食っとけ。」
ライス「う、うん。ありがとうお兄様!」
八幡「因みに第2陣もあるからな。」
八幡の言っていた取り分けていた料理の正体は、ライスの為に残していたものでした。