八幡side
八幡「……ん、んんぅ……」
………既に外は明るくなっていて、腕時計に目をやると短い針が6時を指していた。日本とオーストラリアの時差は1時間程度だからそんなに混乱しないから助かる。だが……どうした事だこれは?
カフェ「すぅ……すぅ……」
八幡「……何で此処で寝てるんだよ、お前は………」
ファーストクラスの席なら自分の分もあるよな?何で自分の席を放置して俺の席に来てそのまま寝てんの?いくらこの席がリクライニング式で横になれるシ-トっつっても2人並ぶと狭いんですけどカフェさん?
八幡「とりあえず、トイレ。」
俺はトイレに行く為にドアを開けた。すると目の前にはお友達が外を眺めていた。
八幡「ようお友達、おはよう。」
お友達『んん?おぉ八幡、起きたか!いやぁ~ずっと外眺めてても飽きちゃってよ~。ずっと雲の上だし、周りは全員寝てるしで暇暇。』
八幡「そこは仕方ないと思ってくれ。でも後2時間かそこらで着くからもう少しの辛抱だ。」
お友達『まだ2時間もあるのかよぉ~……』
そうだよな、眠る必要の無いお前からすれば、2時間はかなり長いよな……
ーーー1時間後ーーー
朝の7時になったところで、ファーストクラスの俺達に食事が出された。飛行機に乗ったのは初めてなんだが、最初の搭乗がこんなに豪華だと普通の席になった時に物足りなくなるかもしれないな……
カフェ「………///」モキュモキュ
八幡「……あの、先生。これがファ-ストクラスの普通なんですか?」
タリアト「まぁそうだな……しかしこれが一概にそうだとは言わない。今回の席はファ-ストクラスの中でも普通の方だ。ドバイやヨーロッパ、アメリカ方面では時間次第で最高クラスの席が用意されている。」
八幡「………そうなんですね。(これで普通?絶対詐欺だろ……)ところで先生、現地のお世話になる……確かヨハネスブルグさん、でしたっけ?迎えに来るんでしょうか?」
タリアト「その手筈になっている。夏合宿の電話以来、LANEでのやり取りも増えてな。随分と手厚い歓迎がまっているかもしれないぞ。」
八幡「普通の歓迎でいいんですけどね。」
タリアト「ふっ、無駄な願いだな。しかし、カフェはどうしたのだ?普通に食事をしているみたいだが、顔が少々赤いようだが?」
カフェ「っ………///」
八幡「あぁ~………聞かないでやってください。」
タリアト「?まぁ深く探るような事はしないでおこう。」
カフェ(言えません……まさか眠っている内に八幡さんの席に運ばれていただなんて///あの子も何考えているの……シートが倒れてベッドになるからって、八幡さんの席に運んで……い、一緒に寝させるなんて………///)
八幡「まぁ、気にするなっていう方が無理な話か。」ボソッ
カフェ「……はい///」ボソッ
八幡「まぁその内、気にならなくなるだろう。」ボソッ
タリアト「八幡、現地に到着して荷物を置いた後はどうするつもりなのだ?」
八幡「とりあえずはレース場の視察……っと言いたいところですが、今日を含めて3日は休みを入れるってカフェに伝えているので、要望があれば付き合うつもりです。」
タリアト「そうか、ならばその3日の内の1日を私にくれないか?お前に紹介しておきたい人物が居るとリバティが言っていてな。」
八幡「それはきっと、現地のトレーナーではありませんか?」
タリアト「察しが良いな。その通りだ、私も招かれていてな。日程についてはこれから伝えておくとする。」
八幡「分かりました。カフェ、3日の休みだがどうする?」
カフェ「……では、明日だけ時間をいただきたいです。八幡さんにもレース場の視察といった色々なご予定があると思いますので。」
八幡「明日だな、分かった。先生、今日は……流石に向こうも予定があるので何とも言えませんが、明後日なら時間の都合はいつでも大丈夫です。」
タリアト「うむ、ではそのように伝えよう。それに私もムーニーバレー学園は気になっていたからな。」
八幡「色々と視察する場所が多そうですね。学園でも町でも。」
タリアト「ヨハネスにも聞く事が多そうだな。それに孫娘も居るみたいだからな、その子に聞くのも面白いかもしれないぞ。」
現地に着いたらやる事が多そうだな。けど、まずは着いてから思い切り身体を伸ばす事からになりそうだ。
ーーーシドニー空港ーーー
タリアト「漸く着いたな、やっと身体を伸ばせる……」グググ…
八幡「先生にはファーストクラスでも少し狭く感じたみたいですね。」
タリアト「そうだな……ふぅ。荷物を取りに行くとするか。」
俺達は飛行機を降りた後に荷物受取場で自分達の荷物を受け取って、入国した。
ヨハネス『先輩、お待ちしていました!お弟子さんも担当の子もようこそオーストラリアへっ!歓迎するよ。』
???『か、歓迎します!』
タリアト『あぁ、歓迎ありがとう。』
八幡『トレーナーの比企谷です。今日から2ヵ月の間、お世話になります。』
カフェ『マンハッタンカフェです……本日からよろしくお願いします。』
ヨハネス『電話でも会ったけど、実物では初めてだね。ウチはヨハネスブルグ、そしてこっちが孫のジャス……ジャスティファイだよ。ほら、挨拶しな。』
ジャス『は、初めまして!ジャスティファイです!あ、あの……貴女がセクレタリアトさんなんですよね!?』
タリアト『うむ、そうだ。』
ジャス『私、貴女に憧れてるんです!レースも全部見ました!私もセクレタリアトさんのように3冠を獲るのが夢なんです!!』
タリアト『ふっ、そうか……ならば今から気は抜けないぞ。戦いは既に始まっているのだからな。』
ジャス『は、はいっ!』
ヨハネス『さっ、とりあえずはウチに行こうか!』
競走馬紹介!今回はジャスティファイというアメリカの競走馬です!
戦績は6戦6勝の無敗で第13代アメリカ3冠に輝いた名馬です!6戦と短いキャリアですが実力は確かです。しかし、引退後にジャスティファイの禁止薬物スキャンダルによって裁判にまで発展し、サンタアニタダービーの勝利が失格処分となり、最終戦績が6戦5勝となりました。
この競走馬は今話通り、ヨハネスブルグのお孫さんでセクレタリアトの子孫でもあります。現在は種牡馬として活躍しており、既にGⅠ馬も輩出していて、今年のイギリスダービー、エクリプスSの優勝馬、シティーオブトロイの父親でもあります!
ホント、世界中の何処にでも居るなぁ……セクレタリアトさんの子孫。