八幡side
八幡「だから、今から飛行機に乗って帰るので……」
『本当だな!?なら今日戻ってくるんだな!?』
八幡「いや、流石に今日は無理ですよ……明日まで待ってください。」
『頼むぞ比企谷!もう色々とこっちは限界なんだ!』
八幡「一体何があったんですか……その色々がかなり気になるんですけど。」
『それを説明してもいいんだが、俺は今隠れてお前に連絡を取ってるんだ。ウマ娘達にこれが知られたら携帯をひったくられかねない………』
八幡「………俺、そっちの学園に帰りたくなくなってきたんですけど。」
『うぉい!!滅多な事言ってんじゃねぇよ!!そしたらお前と仲の良いウマ娘連中がもっと壊れるだろうがっ!!』
俺はオーストラリアの空港に居て、これから日本に帰るところなのだが……トレセン学園がヤバい事になってるという事を先輩のトレーナーに聞いて帰るのが億劫になっている最中だ。端的にどういうのが起きているのかというと………
・シービーが教室でも食堂でもダラァ~っとしながら俺の名前を口にしまくっている。
・ライスが食堂の昼食をしているのだが、なんだか物足りなさそうにしている。
・ジャーニーが委員会のある席に勝手に座られると、『すぐそこを退きなさい、小バエ……』ってめっちゃドスの効いた声で言う。
・オルフェの威圧がいつも以上に増していて、酷い日にはジャーニーと同じでドスの効いた声で周りを必要以上に威圧する。
っという感じだ。なんというか、何やってんだって感じだ。少し呆れてる面もあるが……他の連中はは大丈夫なんだろうか?
八幡「とりあえず明日の朝には日本に着きますから。今日の学園だって終わってるんですから大丈夫でしょう?」
『明日の朝、待ってるからな!!絶対戻って来いよ!!』
八幡「(余程、戻ってきてほしいんだな……)分かりました、日本に着いたらすぐに学園に行きますから。では、失礼します。」
タリアト「日本に着いてからは大変になりそうだな。」
八幡「えぇ……まぁトレセン学園には平穏なんて言葉、似合いませんけどね。」
カフェ「すぐに学園に行くみたいですが、大丈夫そうですか?」
八幡「まぁ少しなら大丈夫だろう。」
カフェ「少しでは済まなそうな感じがしますが……」
八幡「………確かにな。」
俺、学園に戻ったらどうなるんだろう………あの姉妹の機嫌が悪くなっていない事を祈るばかりだ。ホントマジで頼むから。
ーーー機内ーーー
八幡「日本に帰ったら間違いなく取材とかが押し寄せてくるだろうな。はぁ……」
タリアト「しかし、お前にも立派な名がつけられたじゃないか。【mirage】……【蜃気楼】か。」
八幡「蜃気楼……意味はよく分かりませんけど、聞いた事のある単語ですね。」
タリアト「カフェが【摩天楼の幻影】で八幡が【蜃気楼】か……意味合いは全く違うが似たような単語だな。」
カフェ「どのような意味なのでしょうか?」
タリアト「摩天楼は天に届く程の高さに例えられた高い建物の事だ。蜃気楼は温度の異なる大気中の熱気と冷気による光の異常な屈折によって、遠くの景色や物体が逆さまに見えたり伸びて見えたりする現象の事だ。」
ホントに全然意味合いが違う言葉だな。しかしどうして俺はそんな名前をつけられたのだろうか?
そして飛行機は離陸して、日本へと飛び立った。
ーーー1時間後ーーー
八幡「………」
オーストラリアでもメニューは作ってたし、今日はこのくらいでも大丈夫か。
コンコンコンッ
タリアト「八幡、入るぞ。」
八幡「どうかしましたか先生?カフェももう寝ていますし、俺もそろそろ休もうと思っていたんですけど。」
タリアト「明日にはお前と会う時間は無さそうだからな、今が良いと思ってな。」
八幡「はぁ………」
タリアト「八幡、お前に海外GⅠ優勝祝いだ。」
八幡「……コレ、世界でも有名なブランドのペンですよね?」
タリアト「あぁ、お前の使っているそのペン……20歳の誕生日に渡してからずっと使ってくれているのはありがたいが、替えても構わないだろう。せっかく大舞台で勝ったんだ、優勝祝いで渡してもいいだろう?」
八幡「ありがとうございます……でもコレ、3本セットですからそれなりの値段になったのでは?」
タリアト「何、大した値段ではない。にしてもお前はずっとそのペンを使っていたのか?」
八幡「はい。中のインクが失くなった時は詰め替えタイプので差し替えてました。」
タリアト「それにみたところ、あまり傷も見当たらない……」
八幡「それなりに大事に使っていましたので。」
だって誰かからの誕プレなんて久しぶりだったからな、大事にしたいって思うのは仕方ない事だと思う。
タリアト「私のトレーニングメニューを書く癖をお前に持たせてしまったからな、PCで作る事は今でもしていないみたいだな。」
八幡「もうこっちの方が慣れましたし。それに頭の中で思い浮かんだのをすぐに書き込めますし、何かあってもメモできますから。」
タリアト「なら、それはすぐに役に立ちそうだな。」
八幡「はい、遠慮なく使わせてもらいます。」
タリアト「それで、そのペンはどうするつもりなのだ?」
八幡「勿論使いますよ、そうですね……普段使いにでも。」
タリアト「何?お前、そこまで使い分けているのか?」
八幡「トレーニングの時はコレで、その他の時はその辺のペンを使ってますよ。」
タリアト「そうか………」
学園、大丈夫でしょうかね?