八幡side
有マ記念が終わった2日後。今日はカフェと一緒に近くのレストランに行く予定だ。レース後にこんな形で食事に行くのはこれまで1度も無かったが、カフェは今年、海外遠征までして頑張ってくれたし有マ記念も優勝してくれたから、このくらいの祝勝会を上げても文句は言われないだろう。さて、そろそろ時間だが……
カフェ「八幡さん、お待たせしました……」
八幡「?おぉ、来たか。」
カフェ「すみません、待ちましたか?」
八幡「いや、そんな事は無い。カフェの方は大丈夫か?」
カフェ「はい、問題ありません。」
八幡「んじゃ行くか。」
カフェ「はい。」
俺とカフェは歩きながらレストランへと向かった。車でも良かったんだが、カフェが俺の飲酒の事や学園からの距離を考えてくれて、歩いて行こうという結論になった。
八幡「そういや、調べたのか?今日行く店について。」
カフェ「はい、少しだけ……とても眺めの良いレストランでしたね。それにメニューも豊富でどれも美味しそうでした。」
八幡「なるべく食事に退屈しなさそうな場所を選ぼうと思ってな。それに運の良い事に、割と良い席を取る事が出来てな、景色については保証する。」
カフェ「それは楽しみです。」
他愛の無い会話をしながら足を進める事数十分、俺とカフェはその店に辿り着いた。
ーーーレストランーーー
「いらっしゃいませ~。」
八幡「2名で予約していた比企谷です。」
「お待ちしておりました、お席へご案内しますね。」
店内は八幡とカフェがサイトで見たのとは違って、クリスマス仕様になっていた。周りに居る客層も家族よりも恋人同士や2人客の方が多かった。
「こちらのお席になります。只今メニューをお持ちしますね。」
カフェ「……八幡さん、お飲み物はお酒でも私は構いませんからね?」
八幡「それに関しては感謝してるが、酔い潰れる程飲む気は無いからな?あくまで楽しめる範囲でだ。」
カフェ「酔った八幡さん……どうなるんでしょう、気になります。」
八幡「気にしなくていい、俺自身も御免だ。」
俺とカフェは飲み物とクリスマス限定のメニューを注文して、シニア級の1年を振り返っていた。
「お待たせしました。こちらお飲み物のにんじんジュースとジンフィズになります。こちらクリスマス限定メニューになります。ごゆっくり。」
八幡「……美味そうだな。」
カフェ「はい、とても……」
八幡「じゃあとりあえず……有マ記念、優勝おめでとう。それと1日早いが、メリークリスマス。」
カフェ「メリークリスマス。」
カンッ♪
カフェ「……こんな風に食事をするのは、初めてですね。学園ではいつも一緒なのに。」
八幡「そうだな。それに祝勝会みたいなのもやった事無かったしな……唯一メルボルンCを勝った時の夜のどんちゃん騒ぎくらいだったな。」
カフェ「リバティさんがとてもはしゃいでいましたね……ヨハネスさんも。」
八幡「誰も抑えないから大丈夫かと思ったが、意外と大丈夫だったんだよな。」
カフェ「ふふ、そうですね……」
八幡「今日の食事もその延長線で良いだろう。」
カフェ「はい。」
まっ、今日の食事も楽しむつもりで予約したからな。格式の高いレストランじゃこんな風にはなれない。俺もカフェもこういう店の方が落ち着くしな。
八幡sideout
ーーーーーー
2人が食事を楽しんでいる中、他の席で食事を楽しんでいる人達は八幡とカフェに気付きつつあった。2人には聞こえないように静かに話していた。
1「ねぇ、あの席に居るのってマンハッタンカフェじゃない?」
2「あっ、ホントだ。って事は目の前に居る人ってトレーナーさんかな?」
1「だと思うよ〜。イブに2人で食事かな?」
2「何かさ、レースの時と違ってすっごく楽しそうじゃない?」
1「もしかして……クリスマスデートとか!?」
2「あるかも〜♪」
3「あの、外に近いあそこの2人……アレってこの前のレースに勝ったマンハッタンカフェさんとトレーナーさんじゃないですか?」
4「ホントですね……2人でお食事でしょうか?」
3「でも、マンハッタンカフェさん楽しそうですね。レースと大分雰囲気違いません?」
4「確かに……トレーナーさんの前ではあんな感じなんですね〜!」
5「へぇ〜マンハッタンカフェさんってあんな風に笑うんだ〜意外〜!」
6「なんか新しい表情見れたかも……」
7「しかも雰囲気良いよね〜!出来る女として、ここは静かに見守っててあげようか。」
6「じゃあ早く彼氏作りなよ……」
7「い、今は見守るだけで良いんだってば!それよりも、あの2人の様子を遠目で観察しようじゃないの!」
5「貴女ねぇ〜………」
2人の楽しげな雰囲気を壊したくない為か、周りの人達は2人の様子を見守るようにして暖かい視線を送っていた。
ーーー数十分後ーーー
ーーーーーー
八幡side
カフェ「クリスマス限定メニュー、とても美味しかったですね。」
八幡「あぁ、此処にして正解だったな。」
カフェ「あの、メニューに載っていたスイーツを頼んでもいいですか?可愛かったので……」
八幡「あぁ、いいぞ。俺は……」
「失礼します。こちらサービスのパフェになります。」
八幡「………あの、頼んでないんですが。」
「サービスですので。(本当は他のお客様からのご注文なのですが、それは言わないでおきましょう。)」
カフェ「八幡さん、お断りするのも悪いですし……それに、せっかくのクリスマスですから。」
八幡「……カフェがそう言うのなら。」
1〜7(よしっ!!)
「こちらスプーンとおります。ごゆっくり。」
八・カ「………」
おい、おかしくねぇか?何でスプーンが1つだけなんだ?普通もう1つ持ってくるよな?さてはあの店員、分かってやったな?
カフェ「………」ジィ∼…
ちょっとカフェさん?なんでお前までそんな目で見てくるんだ?まさか……俺に食べさせろと?この人が多い所で……ん?
1〜7「………」チラチラ…
成る程、そういう事か……誰かは分からないが、周りの人達に気付かれていたってわけか。その誰かがこれを注文したって口だなこれは。
しかし今日はクリスマスだ、少しくらいなら……
八幡「………ほら、口開けろ。」
カフェ「………///」パクッ
1〜7・店員(よしっ!!!)
カフェ「……美味しい、です///」
八幡「……そうか。」
その後、俺はカフェにパフェを食べさせる事になった。途中でスプーンを渡そうかとも考えたんだが、カフェが少し悲しそうな顔するから最後まで俺が食べさせた。え、俺?食べてないよ?だって嫌だろ、男が口付けたのを使うなんて。
それと途中からはチラ見じゃなくて堂々と見てた他の人達は何人か居たんだが、ある席の人達は俺の視線に気付いたらサムズアップしやがった……絶対あの席の人達だな、パフェ頼んで寄越したの。
カフェ、良かったね……初めてのあ〜んだよ♪