ウマ娘 ワールドダービーDLCカサマツ編 東海ダービーレギュレーション   作:ウママママ

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N27-特別練習

 それから、海堂は二度目の受験勉強を始めた。

 

 トレーナーになるための条件を調べ上げ、大学の講義と並行して試験勉強を行い、空いた時間で参考書には乗っていない生のレースを観て、自分がトレーナーだったらどうしていたかを考える。

 ほぼ全ての時間を試験勉強に費やし、初めて抱いた【夢】を叶えるため、血の滲むような努力を積み重ねた。

 

 まず、中央を目指すか地方に行くか。それを考えた。

 

 当然、中央か地方かで言われたら中央を選ぶ。レベルの高い場所でライバルと鎬を削り合うというのは海堂の目標でもあったからだ。

 ただ、問題は″自分のやりたいことがやれるかどうか″であり、まずはそれを優先するのが一番。給与や待遇は二番目、三番目に優先すべき事項である。

 

 給与や待遇、レベルといった面では中央が圧倒的に勝っている。

 ただ、一番優先すべき事項────自分のやりたいことがやれるかどうかという点では、地方が圧倒的に勝っている。

 

 ならば、迷わない。海堂は地方に行くことを決めた。

 

 中央ですら人手不足なのだから、その下の地方も人手不足であるというのは当然である。

 所謂、学徒動員。契約を結んだ新人トレーナーが下積みもせずに自立するというのは珍しい話ではない。

 中央では10人、20人を擁する大規模なチームがあるため、そこでサブトレーナーを育成できるのもあってか相対的にマシに見える。だが、中央地方問わず、入りたての新人トレーナーがウマ娘と契約を結ばなければならないレベルの人手不足が続いているというのは事実なのだ。

 

 それは、どちらかといえば海堂にとって好都合であった。

 中央と地方で決定的に違うのは、サブトレーナーという制度が存在するかしないか。サブトレーナー制度が存在しなければ1年目から動くことができるというのは、大きなメリットだった。

 

 名家生まれの新人トレーナーというのは、トゥインクル・シリーズの歴史に名を残すことを期待されているトッププロスぺクトである。

 当然、大事に扱う。サブトレーナーとして経験を積ませ、経験が積めたと判断すれば、メイントレーナーの管理下にあるチームの一端を託す。その全ての工程が終わると、トレーナーとして一人立ちができる。

 

 中央ライセンス試験に受かるには、地方試験の4~5倍の努力が必要になる。1〜2年で地方に受かると仮定してその4~5倍の期間が必要になると考えた場合、中央試験を受けた場合でデビューを果たすのは22歳から23歳。その上、サブトレーナー制度で動きが制限される制約もくっついてくる。

 

 反面、地方の場合は全くの逆である。

 デビューを果たすのに4、5年もの年月を掛ける必要が無く、地方にはサブトレーナー制度が存在しない────つまり、1年目からトレーナーとして自立ができる。

 

 故に、海堂は地元のカサマツを選んだ。

 中央ライセンスは中央にしか行けないが、地方ライセンスは中央でなければどこにでも行くことが出来る。そういった利便性も魅力的であった。

 

 そして、海堂は試験に8ヶ月で合格した。

 4月に試験勉強を始め、12月4週にあった試験に合格した。期間が8ヶ月であるため、1年か半年かで言えば半年に近いのは確かである。

 その後、大学の退学手続きを済ませ、カサマツトレセントレーナーとしての雇用契約を結んだ。僅か1ヶ月でその2つを済ませた。

 

 その年の2月には、カサマツに19歳のトレーナーが誕生した。

 当然、カサマツトレセンはザワついた。ウマ娘側もトレーナー側もザワついた。

 

 URAがライセンスの受験条件を大幅に緩めたため、こういった未成年トレーナーが誕生することというのはおかしくないことではあった。

 しかし、条件を緩めたからといって、緩める前よりも若い者が受かるようになったかという訳ではない。

 というか、逆である。なまじ誰でも受けることができるようになったせいで、合格者の平均年齢が増加傾向にあったのだ。

 

 中央ライセンス試験の合格者の全体は、桐生院家や東条家のような名家が合格者の7割強を占め、残りの2割弱を一般人────それこそ、血の滲むような努力をした者。それらが占めている。

 名家生まれは実質一本道であるということを考えると、一般人が争う枠は全体の内の3割も残されていない。

 

 100枠を1万人が争っているように見えるが、実際に空いている椅子の数は30個のみ。倍率を数字通りに受け取ることはできなかった。

 その上、受験の敷居が低い。誰でも受けられるということは、地方志望であったが、ワンチャンを狙って中央に挑むといった者も現れる。

 そして、倍率が跳ね上がれば、当然合格基準点も跳ね上がる。

 

 試験に合格するためには、合格基準点を超えた上で、試験の順位で上位を取らなければならない。倍率の向上は、その両条件に致命的な損害を与えた。

 そうなった結果、試験勉強に長い時間をかけた者が試験に受かることとなる。そして、その長い時間をかけた者というのは、大方が″他より長く生きた者″である。

 

 敷居が低くなった結果、中央地方問わず合格者の平均年齢は4〜5歳上昇した。

 それが意味するのは、大卒1年目でトレーナーになる者。ましてや、未成年でトレーナーになる者。そういった″若いトレーナー″の減少。

 

 といっても、中央はそこまで深刻ではない。名家の若いトレーナーがストレートで中央に流れ込むのもあり、意外と高齢化は進んでいないようにも見える。

 

 ただ、深刻なのは名家の存在しない地方であった。

 若く才能のある者は中央へ行き、地方に来るのは25歳以上のトレーナーばかり。25歳も厳密に言えば″若い″のだが、20歳前後のトレーナーがそこそこ流れてくる中央と比べたら微妙ではある。

 

 そんな状況の中、大卒1年目はおろか、未成年のトレーナーがカサマツに誕生した。

 トッププロスペクトの誕生に、カサマツトレセントレーナーは湧いた。ドラフト1位で競合し、くじで当たりを引き。名球会入りがほぼ確定した選手を引き当てたチームのファンのような反応を見せた。

 

 そして、ウマ娘側も沸いた。

 若く、容姿端麗なトレーナーが田舎のカサマツに来た。しかも年齢は19歳────自分たちと1、2歳しか変わらないと来た。

 

 若いイケメンのトレーナーがいた方がやる気が上がるというのは、思春期の女子校生の思考としては至極真っ当である。

 というか、一部の生徒はウマ娘とトレーナーの禁断の恋が実現するのではないかとワクワクしていた。当の本人は全くその気もなかったのだが。

 

 とにかく、海堂真がカサマツを選んだことで、多くの物事に影響を与えたのは事実であった。

 

 

***

 

 

 契約を結び、正式にトレーナーとなってから2ヶ月。

 

 新入生入学と同時に、海堂のトレーナーとしての生活は始まった。

 それまでは、トレーナーとしての先輩から話を聞きつつ、ウマ娘の悩みを聞くカウンセラーとしての活動をメインとしていた。海堂らしいと言えばらしい役割である。

 

 春の訪れは、トレーナーにとっての一大イベントが始まることを意味する。

 新たに入学した新入生と交渉をし、契約を結ぶ新入生スカウト。今後の展開が大きく変わる争奪戦に、トレーナーは鎬を削り合っていた。

 

 ただ、海堂はいささか心配であった。

 先輩トレーナーから話を聞いたとはいえ、結局は″聞いた″止まりである。百聞は一見にしかずであり、100の物事を聞くよりも1の物事を見る────つまり、自分で行うことが重要なのだと。頭では理解していた。

 若くしてライセンス採用試験を突破し、経験者から多くの話を聞く。それらのような下準備をしたとしても、初回で大ゴケする可能性は0ではない。なんなら半々レベルである。

 

 自分の行動に責任が伴い、人生を壊してしまうかもしれない。夢を預かる側としては、これ以上に怖いものはない。

 結果、海堂は″待ち″を選択した。1年目のトレーナーと組みたい変わり者がいるなら、新入生であろうがなかろうが自由に来てもらって構わない、と。

 

 そして、それから1週間が経過した。

 

「……意外といるんだね、変わり者も」

 

 契約を希望するウマ娘の名前が書かれたリストを机の上に置き、海堂は呟く。

 

 海堂の予想に反して、契約を希望する者は多かった。

 見積もっても2、3人。なんなら0人も有り得るし、そうなった場合はこっちから動くとしよう。そう考えていた。

 そうして集まったのは、海堂の予想の10倍の30人。内新入生が25人で、在学生が5人。リストの中には、数回話したことのあるウマ娘の名前もちらほら見られた。

 

(こんなはずじゃなかったんだけど……)

 

 まぁ、つまりは────若いというのがどれだけの高ステータスであるかを、海堂は理解していなかったとも言える。

 

「そりゃそうなるぜ。ウマ娘だって、できるなら若いイケメンのトレーナーと組みたいだろうしな」

「北原先輩……聞いてたんですか?」

「聞いてたっつーか、お前が逆ナンされてんのも結構前から知ってたぞ」

 

 北原がいる方向に体を向けるために、椅子をぐるりと回す。

 この時は、海堂は穣さんと呼んでいなかった。″北原先輩″と、親しみはあるが少しばかり距離があるような。そんな感じの呼び方をしていた。

 

「正直、こうなるとは思ってなかったんですよ。ウマ娘だって経験豊富なトレーナーを選ぶと思ってましたし、俺なんかに目もくれないかと……」

「つっても、ここは中央とは違うからな。トレセン学園に入った以上、良い戦績を残したいって奴もいるだろうが。大抵は楽しむことも優先する」

「戦績と楽しむ……その割合の問題ですか?」

「ま、そうだな」

 

 中央のウマ娘は、良い戦績を残すことだけを考える。言ってしまえば、良い戦績を残すことと楽しむことの比重はほぼ9:1である。なんなら10:0もいる。

 だが、地方のウマ娘はそれとは違うのだと。北原の説明を聞いて理解することができた。

 

 良い戦績も残したいが、できる限り楽しみたい。その比重は1:1に近く、2:3であるウマ娘も、3:2であるウマ娘も存在する。

 勿論、割合は限りなく低いが、中には10:0も存在する。例を挙げるならば、この数年後に入学してくる芦毛のウマ娘の2人組。ああいったランニングジャンキーは完全な10:0である。

 

 まだ、その比重の問題は宗派というか、中央地方といったリーグレベルの問題なのだと。海堂はそう割り切り、再びリストに目を通してみた。

 

「意外といるもんなんですね、トレーナーと契約してない娘も」

「2年の代になってからデビューする奴もいるさ。俺らトレーナーは絶滅危惧種なんだからよ」

「なら、溢れた娘が俺の所に来たって感じですかね……」

 

 別に、大量に契約希望が申し込まれたこと自体は構わない。というか、なんならそこそこ嬉しいまであったのは確かである。

 

 しかし、ここまで増えると別の問題が生じるのだ。

 選ぶ候補が30人もいるとなると、誰を選べば良いかがわからなくなる。それが今の問題であった。

 

 この世に海堂真は1人しかいない。新人の海堂に担当できるウマ娘は1人しかいない。

 誰を選ぶかではなく、誰を落とすかで考えなければならない。それが意味するのは、1人は選ばれ29人は落ちるという事実。その29人をどうやって選べば良いのかがわからない。

 それで悩むのならば、チームを組んで複数人の面倒を見ればいいだろうという話に繋がるのだが、トレーナー1年目の海堂に複数人の面倒が見れるわけもない。それは当たり前といえば当たり前である。

 

「誰を選ぶか決まったのか?」

「流石に決まりませんよ。30人も候補がいるとなると」

 

 ほとんどのトレーナーならば、まずは走りを見る。最も得意とする距離を聞いて走らせるか、距離を一致させて単純にタイムを競い合わせるかの二択を取る。

 実質的なテストを行い、単純に一番速かったウマ娘を選ぶ。チームを組めない状態で複数のウマ娘が契約を望む場合、大抵のトレーナーはそうする。

 

 とはいえ、普通はトレーナー側からアクションを起こす。ウマ娘側から逆ナンされるというのは滅多にない話である。

 

(ただ、なあ……)

 

 しかし、この男にとって、ウマ娘の足が速いとか遅いとか、そんなのはどうでも良かった。

 夢の舗装者になる。そうなると心から決めた時から、考えることは変わらない。

 

 一番最初に担当するウマ娘は、自分が持つ夢に最も真摯に向き合うウマ娘にしようと。実際、今もそう考えていた。

 

 問題は、ウマ娘に夢を聞くとしてもどうすれば良いのか。

 まず、紙に″貴方の目標はなんですか?″と聞いて書かせる。一番最初に出てきた案はそれだった。

 それも良かった。だが、夢を盛るウマ娘がいるかもしれないと考えると、それはそれで若干怖いものもあった。女の奪い合いは怖いということを海堂は知っていた。

 正しく、平等に判断できる方法。それがあれば一発で解決するのだが、そんな方法があれば今更悩んではいない。

 

「まぁ、まだ期間はありますし。じっくり考えて、一週間後に結論を出す予定ではいます」

「そうか。大変だと思うけど、頑張れよ」

 

 右手をひらひらと振りながら、北原はトレーナー室から出て行った。

 

「……どうしようかな」

 

 まぁ、時間もあるしいつかは浮かんでくるだろうと。

 楽観的にならざるを得なかったその時の海堂は、そう考えていた。

 

 

***

 

 

 月光が照らす、カサマツトレセンのグラウンド。

 趣があるからとか、物思いにふけりたい気分だからとか、特にそういった古典的な意味があるわけでもなく。単に、ぼうっと。海堂はグラウンドを眺めていた。

 

 結局、あれから数時間かけて考えたのだが。しっくり来る案は全く浮かび上がってこなかった。

 こういう時は外に出て、とりあえず気分を変えた方が良い。試験勉強中もやっていたのだから、きっと良いはずだと。そう言い聞かせ、海堂は外に出てきた。

 

「……この時間まで、よく頑張るな」

 

 海堂の目に映ったのは、綺麗な黒髪ショートの小柄なウマ娘。

 近くにいないからわからないが、当時、165cmあるかないかしかなかった海堂ですら″小柄だな″と思ってしまうほどの低身長なのだから、おそらく150あるかないかであろう。

 

 カサマツのグラウンドにはナイター設備もついてはいるが、ないよりマシ程度である。

 暗く、少しばかりの人工光が照らすカサマツのグラウンド。小柄なウマ娘は、月光を一身に受け止めて懸命に走っていた。

 

 グラウンドにいるのは彼女のみであり、それを見ているのも海堂1人のみであった。

 

 チラリ、と腕時計を見て時間を確認する。

 現在時刻は20時。就寝時間が21時から22時であることを考えると、そろそろ切り上げた方が良いのではないかと心配になってくる時間である。

 

 スピードもウマ娘にしてはあまり出ていないし、脚に疲労が蓄積しているのだろうか。そう推測しながら、彼女の走りを分析する。

 

(フォームが若干崩れているような気がするな……まぁ、走り続けてたらそうなってもおかしくはないか)

 

 とにかく、このままだと悪化の一途を辿る。

 微々たる悪化を積み重ね、それに気づいた頃には戻れなくなる。それを回避させるためにも、海堂は話しかけることにした。

 

「君」

 

 海堂の呼びかけに気づき、彼女はゆっくりと減速していく。

 

「見たところ新入生のようだけど……いつからこの夜練を?」

 

 海堂のカウンセリングは人気だったというか、後悔はしないからとりあえず1回は行っとけといった風潮がウマ娘の中では流れていた。

 それもあって、在校生の顔は意外と覚えていた。名前を言ってみろと聞かれて百発百中で答えられはしないが、見たことはあるな、程度の認識はしていた。

 

 となると、見たことのない彼女は新入生になる。

 

「入学、してから……すぐ、です」

 

 乱れた息を整えながら、彼女は答える。

 

「トレーナーは?」

「いえ、まだ……」

 

 となると、この夜練は自分の判断か。

 まぁ、入学して1週間でトレーナーが決まる新入生の方が珍しいのだが。

 とにかく、彼女は1週間指導者無しで我武者羅にトレーニングを続けてきた。それも自身の走行フォームが崩れかけていることも気づかずに、である。

 

「そろそろ帰った方がいい。時間も時間だから」

「いえ……もう一本、走っていきます。時間はギリギリあるので」

 

 ダートに置いてあったペットボトルを掴み、残り少ない中身を飲み干したウマ娘は、まだ走ると海堂に告げた。

 オーバーワークは疲労骨折などの怪我に繋がる可能性がある。だから、トレーナーとしては止めるべきであった。

 

「……君は、何のために走る? どうしてそこまで努力する?」

 

 ただ、止める前に海堂は問うた。

 それは、間接的に″君の夢は何だ?″と聞いているようなものである。

 

「私……他の娘と比べて、足が遅いんです。走るのが下手だというか、単純に遅いんです。多分、レースをやったらコテンパンに負けちゃうと思うんです。でも、だからって、負けは受け入れたくない。努力して、努力して、努力して────それでも勝てなかったら、流石に諦めもつきますけど……でも、トレセン学園に入学した以上、頑張ることは放棄したくないんです」

 

 だから、私は走ります。

 海堂の問いに、彼女はそう答えた。

 

「だからといって、オーバーワークは見過ごせない。君は違和感を感じていないが故に気づいていないかもしれないけれど、多く走り込んでいる君のフォームは、徐々にアンバランスになってるようにも見える。片方の足に体重をかけ続ければ、いつかは壊れてしまうかもしれない」

 

 まぁ、これもトレーナーがいれば解決する話ではあるのだが。

 彼女の走りの修正をするトレーナー。その役が1人でもいれば、走りが速くなるかどうかは別として、おそらくフォーム自体は元に戻る。海堂はそう考えていた。

 

「この自主練、何時からやってるの?」

「自主練自体は、6時から8時30分の2時間半。基本は教本を読んで、走っての繰り返しですが……」

 

 というか、海堂はこういった娘を放っておけない性格をしていた。

 

「なら、担当ウマ娘が決まるまでは見てるよ。トレーナーになって2ヶ月しか経ってないカウンセラーみたいなものだけど……見てる奴が誰もいないよりかはマシでしょ?」

「……え、いいんですか? 海堂さんだって、自分のお仕事があるんじゃ」

「海堂さんって……知ってるのか、俺の事」

「えぇ、まぁ。若いトレーナーさんがいるって、新入生の間で有名でしたし」

「……まあ、確かに。新入生だけでも25人が申し込んできたんだし、そりゃ有名になるかもね」

「25人も……!? 超有名人じゃないですか!」

 

 耳をピコピコと揺らしながら興奮するウマ娘を見て、海堂は少しばかり微笑む。

 この日から、2人の特別練習は始まった。

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