仮面ライダーヴァルキュア   作:キラトマト

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外伝 chapter.3 愛の出会い、悪魔も憎まず友達!!

 五十嵐三兄妹がこの世界に来た後、彼らの元いた世界からもうひとりの男がやって来た。オルテカを崇拝する男、竜瀧友輔だった。彼はこの世界へと転生したのだ。転生特典としてギフスタンプディアブロスタンプに連なるアタナトイスタンプ、そして崇拝するオルテカと同じダイオウイカプロトスタンプを受け取った彼は横暴を繰り返していた。そんな中、五十嵐家の長男一輝と次男大二は話し合っていた。

 

「おい大二、本当か!? オルテカの信者がこの世界に現れたってのは」

 

「ちょっと落ち着いて兄ちゃん! まだ信者って決まったわけじゃないから! でも、そいつがギフスタンプに似たスタンプを持ってたっていう目撃情報は出てる……。しかもイカに似た怪物に変身したって……」

 

「なんでスタンプを持ってんだよ!」

 

「わからないよ! でも、ひとつ言えるのはギフスタンプに似たスタンプを人に押してたってことだけ」

 

「おい! それってまさか……!」

 

「うん、ギフテリアン……もしくはそれににた怪物に変化させられた可能性が高い」

 

「おい一輝! ギフテリアンって確か人間を喰っちまうんだよな!」

 

 一輝の悪魔、バイスが出てきて言った。

 

「あぁ……玉置の友達や千草さん……大勢の人が犠牲になったんだ……放っておけるわけが無い!」

 

「兄ちゃん! まだ居場所どころか顔も割れてないんだよ!」

 

「だったらどうすんだよ! このまま黙って見てる訳にはいかないだろ!」

 

「ひとつだけ……手掛かりがあったんだ。そいつが今この世界の大半を支配しているグラナトファっていう奴らと組んでるって」

 

「グラナトファ? なんなんだよそれ」

 

「人間を超えた新しい種……らしいよ」

 

「人間を超えた種……。悪魔じゃないのか?」

 

「いや……違うみたい……。とにかく、今の日本はそいつらに占拠されてるみたいなんだ」

 

「日本が!? ……大二、日本に行くぞ」

 

「……ふっ、兄ちゃんとそう言うと思ったよ」

 

「私も行くからね!」と、末っ子のさくらがひょいと顔を出す。

 

「は〜い! 俺っちも〜!」

 

「よぉ〜しみんな! 一気に行くぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 バイスが変身したプテラゲノムで日本にひとっ飛びした五十嵐三兄妹、そして一方、左翔太郎たちとシルヴァニアは……。

 

「てめぇが組織の……PALのリーダーだな」

 

 なんとかPAL研究所へと逃げおうせた赤城。

 

「お、おおお俺はリーダーなんかじゃない! なにかの間違いだ!」

 

「シラを切っても無駄だよ、彼女たちは生きてる」

 

「ふっふっふ、私たち姉妹は不死身なのだ!」

 

 とよすがは言った。

 

「……クソがァ!」

 

『バイラス!』

 

「あのメモリ……おいわだち! リボルギャリーに妹たち避難させろ! このメモリは危険だ!!」

 

「あぁ、あの時は使用者が意識不明だったおかげで倒せたようなものだったが……万全な状態なら……あの男の命よりまずは自分たちの命を心配した方が良さそうだね」

 

 事実、バイラスのメモリには都市一帯をパンデミック陥らせる程の力を有していた。

 

「あぁ」

 

「「変身!」」

 

『サイクロンメタル!』

 

 リボルギャリーに避難する彼女たちを巻き込まないためのメモリを選択する。

 

「はぁっ!!」

 

 攻守に優れたメモリの組み合わせ。だが、決定打に欠けるため中々攻撃してもダメージを与えられない。

 

「翔太郎! 彼女たちの避難は完了したみたいだ!」

 

「あぁ、わかったぜ!」

 

『ヒートトリガー!!』

 

 ウイルスは高熱に弱いという特性を活かし、火の玉を次々と放っていくダブル。

 

「弱点も克服してやがるってのか?」

 

「過剰適合者、もしくはハイドープだろうね……しかし、彼にはもう自我は無い。恐らく既にウイルスに侵され死んでしまっているんだろう」

 

「ちっ、なんて厄介なメモリなんだよバイラスってのは……」

 

「まずい翔太郎! はウイルスを辺りに撒き散らす気だ!」

 

「クソっ! 仕方ないフィリップ! ツインマキシマムだ!」

 

「大丈夫なのかい!? 翔太郎!」

 

「今の俺たちなら! きっといける!」

 

 過去、ウェザードーパント戦にて使用した際は体に深いダメージを負ったが、今の俺たちならと、ヒートメモリをベルト右横にあるマキシマムスロットに、トリガーメモリをトリガーマグナムのマキシマムスロットに装填する。

 

『ヒートマキシマムドライブマキシマムドライブマキシマムドライブ』

 

 壊れたようにガイアウィスパーがマキシマムドライブ音を鳴らす。

 

「「トリガーエクスプロージョン!」」

 

 トリガーマグナムから爆炎が発射されるが、ドーパントもそれに対抗しウイルスを放つ。両者の力が拮抗するが、ダブルの、いや翔太郎の身体への負担が限界を迎えようとしていた。その瞬間……! 

 

『イーグル! スタンピングストライク!!』

 

 二色のエネルギー弾がダブルの攻撃に加わる。

 

「君は一体……」

 

「今はいいです! とにかくあの怪物を倒せばいいんですよね!?」

 

 ダブルの前に、腰にマントを携えた、自らの姿に似た仮面ライダーが現れた。

 

「はぁぁあああ!!!」

 

 なんとかバイラスドーパントを倒すことが出来た3人。

 

「ふむ……つまり君たちは1人で2人の仮面ライダーということだね?」

 

「はい! あなたたちは……竜さんが言ってた2人で1人の仮面ライダーWですよね!」

 

「あぁ〜、照井が前言ってた仮面ライダーってのはお前らか〜」

 

「悪魔と共に変身か……興味深いねぇ……。ねぇ! 君のそのバイスタンプ、少し見させてくれないかな?」

 

「あちゃ〜……」

 

「ん? ってあ!! 俺っちに何する気だ!!!」

 

「え、フィリップさん!?」

 

 フィリップは一輝の持っていたレックスバイスタンプをひょいと取り、バイスを出現させ体のあちこちを隅々まで探る。

 

「あぁなったフィリップは止めらんねぇんだ、すまねぇ一輝」

 

「え、まぁ危害が加えられないならいいですけど……」

 

「ねぇ一輝くん! 悪魔っていうのはやっぱり死なないものなのかい?! それにこのバイスタンプっていう代物、明らかに人工物だけど誰が作ったんだい?」

 

「え、えっと……」

 

「おいフィリップ! そこらへんにしとけ! 一輝が困ってるだろ!」

 

 ────なんて、彼らは談笑していたが、PAL研究所は渚輪区本島にあるため、五十嵐三兄妹は行くところを間違えてしまっていたのだ。彼らはシルヴァニア姉妹を連れてようやく日本列島にたどり着くことに成功した。

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