2つの顔を持つ男のガラル生活。   作:ゴキちゃん

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誤字や言葉遣いは大目に見てくれると幸いです。

処女作です。



はじまり

新天地に足を踏み入れる日にはもってこいな、きらびやかな青空が歓迎してくれている中

 

─────まもなく、終点シュートシティです

 

僕は電車の中で揺られていた。

 

 

「───えぇ、あと10分ほどで伺えそうです。………はい、それでは失礼します。」

 

しっかりと整備された道、街をレンガの褐色で彩りながら、まるで賑やかな街を表現してるかのように電光掲示板に流れる、文字通り色々な広告。

 

また町の広場には、この地の交通機関であるそらとぶタクシーの原動力にもなっている、この地方のポケモンとして有名なアーマーガアの銅像が建てられている。

 

街ゆく人々に視線を向ければ、その顔立ちのバリエーションの豊かさが分かる。

 

それはここが観光地として有名なこと、ひいてはこの地方──ガラル地方が広く知れ渡っていることが分かる

そしてこの街‥‥ガラル地方で()()()()の大きさを象徴するかのように堂々とそびえ立つ建物──ローズタワーがあった。

 

そう、ここシュートシティはその傘下に数多くの会社を持つ巨大企業グループ、マクロコスモスの社長であり、サッカーと並ぶエンターテイメントとして数多くの人々に楽しまれているガラルポケモンリーグの委員長を務めている──ローズによって造られた街なのだ。

 

 

『本日も、ご利用いただき誠にありがとうございました』

 

 

ローズ社長はガラルで採れる"ねがいぼし"という鉱物から抽出したガラル粒子というエネルギーを電気に変えることでガラルの人々の生活を支えている。

 

その他ライフラインもローズ社長率いるマクロコスモス社が供給している。

 

また、その他にもメディア・鉄道・航空・研究・建設・銀行・保険業などなど、多方面に渡って活躍している。

 

それにポケモントレーナーとしては、過去にはジムチャレンジに参加して、チャンピオンカップのファイナルトーナメントで準優勝を収めるなど、優秀な人物であったようだ。

 

その経験を活かし、ポケモンリーグ委員長を務めている彼は、ジムバトルに、これまたマクロコスモスが開発した特別なバンドで、ガラル粒子を使ったバトル……通称ダイマックスを取り入れガラル地方独自のポケモンリーグを世界中に広めた。

 

その上、現ガラルチャンピオンであるダンデをそのポケモンリーグの世界に引き入れた過去を持つ。

 

これだけの実績だけでも十二分に尊敬に値するのだが、彼のいいところはこれだけにとどまらず、『我々がやっていけるのは、支えてくれるファンのおかげ』という謙虚な考えのもと、ファンサービスを疎かにすることなく、とても気さくで思いやりのある人物だという。

 

それ故人々からも尊敬されるのは疎か、ファンも多くガラルで知らないものはいない。

 

一部狂信的なファンもいるくらいだ。

 

 

僕──ロン・ターリンは航空機でガラル本土まで行き、そこからは蜘蛛の巣のように張り巡らされている電車を利用した。

 

ここまでの移動時間は時差も加味してざっと12時間くらい。

長いようであっという間だった。

夜と朝の機内食や窓から見える景色、映画などで退屈をすることはなかった。

 

ちなみに先程名が挙がったそらとぶタクシーだが、これはジムチャレンジャーのみ利用が許されている交通機関であり、なんと無料で提供されている。

 

それに加えホテルもジムチャレンジ中は無料提供されるらしい。

 

(とはいえ、僕には関係ないけどね。)

 

 

 

 

立体型の駅を出ると僕は

 

異国の地(ガラル)と言うものを体全体で味わった。

楽しそうな学生の話し声やセレブ達の笑い声、カップルの幸せ満点の笑顔が聞こえてくる。

 

また外見がオシャレなお店から漂う上品な香りが

 

何より甘いものに目がない僕をこれまたオシャレなパティスリーが誘惑してくるけど─────

 

(今日は観光で来たわけじゃないから当分の間お預けだなぁ…‥はぁ…なんでこんなところに建てるかな。)

 

そう当たり前だが今日は挨拶を交わさないといけない。

 

職業や立場上一段落ついた時は来れるとは思うけど…

 

(いけない、待たせては!)

 

足早にガラル総局へと向かった。

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

「失礼します。」

 

 

「こんにちは局長、私これからお世話になりますロン・ターリンと申します。」

 

 

「君の功名はかねがね。よく来てくれた。」

 

そう言いながら手を差し伸べいるこの人はこのガラル総局で一番偉い局長だ。

見た感じ年齢は40半ば、スラッとした体型だが袖からチラリと見えた腕は鍛えられあげられた賜物だった。

 

「これからよろしく頼むよ。」

 

 

「誠心誠意務めさせていただきます。」

 

インターポールは基本自分のインターポールという身分が関係者以外にばれることをよしとしていない。

 

理由は簡単、秘密裏に捜査がしにくくなるためである。

 

そのためどんなに親しい仲でも自分から正体を明かすことはしてはならない。

 

すなわち普段は変装をしたり、仮面をかぶって(別の人間として)生活しなくてはならない。

これは国際警察としての()()()なのである。

 

しかし、必ずしも悪いことではない。そのさだめで得られるものもある。

例えば、僕の警部という立場もあるだろうが、ここに顔を頻繁に出す必要はないことになっている。

理由は、街に異変が起こった時、いち早くそれに気付くため自ら街のサイクルの一部とならなければならないからである。

 

つまり、部下からの応援要請や上司からの呼び出しがない限り、基本は自由行動となっている。

だから、ちょっとしたお出かけぐらいはできる。 

 

……断じてサボりなどではない。

 

それも立派な仕事の一つだ。 街の人達と交流を持つことや子供たちと仲良くすることなども。

 

だが、聞いた話僕ほどの待遇の人はほとんどいないらしい……それほど信用信頼してもらっているということだろう。

 

 

 

           ☆

 

 

 

「ロン君が来てくれて、頼もしいよ。なんせ組織全体で見てもロン君は特に優秀だからね。それに17ときた。

いい顔つきだし、事務局長に気に入られるのもわかる気がするよ。」 

 

 

「そんなに褒めてもらっても何も出ませんよ。

それに、僕はやれることをやったまでですから。」

 

目の前の青年──目は南国の海を連想させる綺麗なエメラルドグリーン、肌は薄橙で髪は白髪なため、余計に海を連想させる。体型はスリムだが相当鍛えていることが伺える――はたった17歳にして警部という重荷を背負う大人顔負けの青年である。

 

 

青年──ロン君はこの国際警察でトップである事務局長に気に入られており、今回もその事務局長の指示でロン君はガラル総局に来ることとなった。多分経験を積ませるとか各地の総局とのコミュニケーションを取っておくとかそういう類の理由だろう。

 

 

ロン君はその歳には相応しくない雰囲気を纏わせながらそう言った。若干またその歳には相応しくない悲壮的な表情を浮かべながら。

 

「それがすごいんだけどね。その謙虚さも気に入られる一つかもね。」

 

 

「困りましたねぇ。」

 

その後しばらく局長室には笑い声が響いていた。

 

          

 

 

 

─────────────────────

 

            

 

 

 

「───とまぁこんなところだ。これから連絡は基本さっき渡した携帯電話でするからね。どんなときでも持ち歩くようにお願いするよ。」

 

「了解しました。」

 

 

「あとは、協力者の彼だけど……連絡は取った?」

 

自分の正体を周りにバレてはいけない、そんなインターポールだが、例外もある。

それがこの"協力者"という立場である。

 

()()()()()()()()普段の町の警備や軽犯罪の取り締まりはジムリーダーやジュンサーの仕事なので、基本干渉しない。

 

国際警察は国民の生活に支障をきたす事件や犯罪を扱うため、協力を仰ぐ。

要請先は違うこともあるが、基本はチャンピオンである。

チャンピオンはその地で最も信頼できる存在と言っても過言ではない。トレーナーとしても人間としても。

なので我々国際警察はチャンピオンに協力を依頼する。

 

今回の地方もそうだ。

 

「はい、彼とはこのあと会うことになっています。」

 

 

「おお、仕事早いね! じゃあ、あんまり止めてたら悪いね。」

 

とはいえ、その協力者と()()()()()()()会えるのは、上の者に限られているが。

 

 

「いえいえ、それでは失礼し──」

 

 

「ちょっと!……いいかな?」

 

 

「?…はい…大丈夫です。」

 

ロン君はこの部屋を出ようとドアにかけていた手を止め不思議そうに私を見てくる。

 

君の根底にある()()()を取り除くことは私には出来ない。主治医が現れるのをただ待つことしかできない。

だが……せめて助手として、手を差し伸べてあげることができたら……

 

「…………いつでも頼ってくれて構わないからね。」

 

そう言うと、ロン君は驚いた表情を見せたあと、笑顔になった。幾分かその瞳に秘めた悲しみの感情が薄らいだ、そんな気がした。

 

「……ありがとうございます、そうさせてもらいます。」

 

そう言って去っていった。

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

           ☆

 

 

 

「─────とりあえず、ふたりともチャンピオン防衛おめでとう!」

 

 

「ありがとうな!」

 

 

「ありがとうね!」

 

僕ら3人はその内のガラルチャンピオンが行きつけだというレストランに来ていた。

 

そこで案内された部屋は、まず一番に目に入るのは煌々と輝いているシャンデリア。

12個の明かりをクリスタルが七色に変え、部屋を彩る。デザインは派手だが、壁を照らすランプも控え目で落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 

壁、天井に施されたモールディングはそれだけでも十分なくらいなのだが、それに囲まれている絵をより際立たせるものとなっていた。

 

大きなガラスの窓を飾るのは艶やかなシルクのカーテン、そこから見えるナックルシティの夜景は見事なもので、壁に飾られている芸術的な絵にも見えた。

 

なんでもここナックルシティは街の周りを城壁が囲んでおり、街の中心にお城のようなジムがある。

なるほど、だからモチーフがお城の一室なのか。

 

ここが行きつけとは…流石チャンピオンといったところか……

 

「いやー凄いな。それぞれ何年になるんだったっけ?」

 

 

「俺は今年でもう10年になるな!」

 

 

「僕も10年だね。」

 

 

「途轍もないな、そのまま墓場までチャンプの座持っていくんじゃない?天国のご先祖に最高の手土産だな。」

 

なんちゃってと付け加えると、何とも真面目な顔で

 

 

「それも悪くないな。」

 

 

「僕を倒してくれないと譲るものも譲れないからね。」

 

 

「ハハハ、ホントトンデモナイ…」

 

(ホントに出来そうなのが、怖い)

 

危うく滲み出るスターの雰囲気に飲み込まれそうになって、今後軽率な発言は控えようと誓ったロンであった。

 

「そ、それで、そのチャンピオンさんは朝こっちに着いてから今まで何してたの?」

 

彼は丁度僕が顔を合わせる日と彼の休暇とが被りそれならと同じ日に遠いホウエン地方からこちらに来ていたのだ。

 

「僕は一度行ってみたかったワイルドエリアに行ったよ。あそこまで広大で様々なポケモン達が住んでいる場所なんて然う然うないからね。」

 

 

「まぁ、そうなるよね。」

 

 

「ダイゴの行きそうなところなんて限られてくるもんな。」

 

そうはがねポケモンをこよなく愛し、珍しい石のためならば滝のぼりだってしてしまう変態石マニアことホウエンチャンピオンダイゴ…

 

「む、趣味に一途と言ってくれ。」

 

彼は僕の気が置けない大切な友人の一人である。

 

「あはは、それでお目当てのポケモンには出会えたの?」

 

 

「たくさんのポケモン達に出会えたよ、特にアーマーガアと会えたのはラッキーだったね。」

 

 

「アーマーガアはハガネ持ちだもんな。」

 

 

「あの金属独特の光沢を持ちながら靭やかに羽ばたく姿、鎧のような顔と胴体…素晴らしかったよ。

ただジュラルドンというポケモンに出会えなかったのは残念だったね。」

 

 

「それなら!俺の友人にジュラルドンを相棒にしてる奴がいるぞ、まだここに居るんだろ?頼んだら合わせてくれると思うぜ。」

 

そしてもうひとり。

 

公式戦無敗の記録を持ち、この地の王者の座に君臨する男ダンデ…

 

「本当か!いや、助かったよ。これから毎日ワイルドエリアに泊まることになっていたからね。」

 

彼もまた僕の大切な友人であり、何より彼こそが協力者である。

 

ちなみにダイゴも協力者なので、だからこそ親密に話せる。

 

歳はダンデが僕より3つ上、ダイゴが4つ上とどちらも年上で本来ならば敬語を使うべき相手なのだが、仲良くなりたいからとタメ口を許してもらっている。

二人からタメ口にしてくれと言われたときは嬉しかった。

 

「ははは、やっぱそうなるか。」

 

 

「これで鉱山にも行けそうだよ。」

 

 

「まあ、ダイゴが楽しそうで何よりです。」

 

 

「そういえば、ロンはこれからどうするんだ?」

 

 

「うーん、それなんだよね。一応どこでも行きやすいように、ここに家を買ったんだけど。」

 

 

「買った!? それにここってことは、ナックルシティに?! ここにもどうせ長くいないというのに。」

 

 

「セレブはやっぱり違うな!」

 

 

「何言ってるの、ダンデだってスポンサーからがっぽり貰ってるでしょ。」

 

 

「ここのジムリーダーやチャンピオンはほか地方とは比べ物にならないくらい皆の憧れの存在であり、スターみたいだからね。

あのマント、スポンサーのロゴでいつかダンデの顔が出来上がったりして。」

 

 

「いやいや、ここの中で一番リッチなのダイゴだぜ。

なんたってデボンコーポレーションの御曹司で尚且チャンピオンなんだからな。」

 

 

「確かに!因みに実際なんぼもらってはるんですかね、兄貴。」

 

 

「そこら辺の鉱山が買えるくらいかな。まあ勿論物によるけど。」

 

 

「鉱山が買える…?…ダンデ、もし起業したときには挨拶を忘れないようにしないとな。」

 

 

「あ、ああ、肝に銘じておくぜ。」

 

いつもとは違い、ダイゴが浮かべるその笑顔は、どこか末恐ろしいものを感じた。社会にはかなわない相手もいるのだと思い知らされた二人であった。

 

「それより。」

 

 

「ああ、ここだとガラルどこでも行けるし、拠点になるからね。ホテル住まいだと色々と不便だし、何より――」

 

手のひらサイズのボックスを手に取り

 

「いつも窮屈させてしまっているこの子達のためかな。」

 

 

「ああ、そうだな。」

 

 

「と、言ってもマンションだからそんなに広くはないのだけどね。」

 

苦笑いをしながらそう言うと、手に取っていたボックスがカタカタと揺れた。

 

「そんなの関係ないって言ってるんじゃないかな。」

 

 

「…ありがとうな、僕の最高の仲間たち。」

 

 

「いい仲間を持ったな。勿論、俺達も含めて。」

 

 

「……自分で言っちゃだめでしょ。」

 

 

「で、その最高の仲間からの頼みなのだが」

 

(……まあ、いっか。)

 

確かに彼らも僕の大切な仲間であることは変わりないので、もう考えないことにした。

 

「ちょっと、面倒を見てほしい人が居るんだよ。」

 

 

「ん?面倒を見てほしい?」

 

 

「そうなんだ、歳はロンくらい。」

 

 

「うーん、でもなあ、人の補助なんてした事ないし。

大体面倒を見るってそんな上から目線、相手はなんて言ってるんだ?」

 

ダンデは、ははっと笑いつつ言った。

 

「ああ、その事だったら問題ないぜ。ダンデさんが紹介してくれる人ならばと言ってくれてるんだ。

面倒を見ると言うのは少し彼女を助けてやってくれということさ。

俺から見て、彼女はまだまだ未熟。それに比べて同い年というのにロンはとても成熟しているからな。」

 

「あくまで助手と言う立場になるとは思うが、頼まれてくれるか?」

 

ダンデがそこまで計画的に事を進めているとは、失礼だが少し驚いた。

 

「なんだ、随分と手厚いね。もしかして、ダンテのお気に入り?」

 

彼の仲間を思う行動にしんみりとした気持ちになりつつもそれを悟られぬよう少し揶揄ってみたら

 

「お気に入り?俺はみんなのこと大切に思ってるぜ!」

 

全く面白くない回答が返ってきた。

 

「ダンデらしいね。」

 

 

「本当に。」

 

断る理由がないので僕は受けることにした。

 

「いいよ、受けるよ。仕事のためもあるし。」

 

 

「よし!決まりだな!」

 

いや、待ってくれ。その人に関して何も聞いていないんだけど?!

 

「ちょっと!その人は誰?名前は?」

 

 

「会ってからのお楽しみといったところかな?」

 

 

「ああ、お楽しみがあったらそれまで楽しいからな!」

 

 

「なんだよそれ、少々困るのだけど。」

 

 

「まあ、そう言わずに」

 

 

そう言ってニヤニヤしている二人をジト目で見つめながら、溢れ出そうになる言葉を流し込むように目の前のドリンクを流し込んだ。

 

 

 

 

 

───────────────────── ──────────────────

 

           ☆

 

 

 

 

いつもと変わらぬ人々、いつもと変わらぬ町並み、いつもと変わら匂い、いつもと変わらない街の様子だ。

 

ガラルの一大イベントである今年の──私のジムリーダーとしての2度目の──ジムチャレンジが終わり、1ヶ月が経とうとしていた。

 

ジムチャレンジ中はとても賑わっていた街もこのくらいになると段々と落ち着いてくる。

 

ジムチャレンジは期間が定められており、期間内にジムバッチを8つ集めないと無条件に失格となる。

その期間は6ヶ月間。

残りの6ヶ月間はいわゆるオフシーズンと呼ばれる期間だ。

トレーナーはそれぞれ英気を養うため、旅行をしたり、エキシビションマッチを見たり、実家に帰ったり。

はたまた修行をしにワイルドエリアに籠もったり、ガラルを出たりしている。

 

しかし、ジムリーダーやチャンピオンはそのような大型連休期間というのが設けられていない。

 

ガラルのジムリーダーには他の地方のジムリーダーと違い上位のメジャーリーグ、下位のマイナーリーグに格付けがされている。

 

18人のジムリーダーの中勝率上位8人がメジャーリーグに属し、スタジアムを任されジムチャレンジャーの選別を行う。

またファイナルトーナメントへのシード権も持っている。

 

その他10名のジムリーダーはマイナーリーグに属し上記の権利を持たない。

 

これらを決めるジムリーダー同士の戦い…俗に言うガラルリーグが毎年オフシーズンに行われている。

 

また、ガラルリーグはジムの代表であるジムリーダーのみの戦いなのだが、そこで決まったリーグ内での順位を決めるプレミアリーグがある。

 

このプレミアリーグはガラルリーグと違いジムリーダーを主将としたチーム戦となっている。

 

その為ジムトレーナーの育成もこなさなければならない。

 

他にも、メディアへの出演などがあるためジムリーダーは基本多忙だ。

 

ジムリーダーはそれだけ重要な役職ということだ。

 

とはいえ、ポケモンリーグは融通が利き申請さえすれば休暇を取ることができる。

 

 

話は戻り、ここラテラルタウンは山地にあり、日差しが強く他の街と比べると比較的田舎街だ。

 

だけど、特異にする所もある。

まず1つが遺跡。

 

大きな壁画とディグダの石像の2つがあり、よくポケモン博士や、考古学者、また観光客がそれ目当てで来ることがある。

 

そしてもう一つが掘り出し物市。

 

ここは普段変えないような珍しい品が並んでいることもあり、ポケモントレーナーが度々利用しているのを見かける。

 

そんないつもの日常に1人、明らかに浮いていた。

 

私は今日ある人と会う約束をしていて、柄にもなく私は緊張していた。

 

(流石に緊張しますね。)

 

 

時は遡り…

 

 

 

 

──────────────────── ─────────────────

─────────────

 

 

 

 

「……ふぅ、一旦ここまでにして昼食にしましょうか。」

 

私はカレーを作る準備をしていき、ポケモン達はテントを張ってくれている。

 

「もうちょっと頑張ってくださいね。」

 

ワイルドエリアは全地方屈指の危険地帯である。

 

生息しているポケモンのレベルは低くて10。高くて60にもなる。

天候はコロコロとかわり、荒れることも少なくない。

 

そのためトレーナーかもしくはトレーナーの付き添いがいる人など、限られた人しか立ち寄れないようになっている。

 

またその面積も広大なため、人に会うことが少ない。

 

だから、私は修行場所としてもってこいだと思い利用している。

 

それに今の時期は尚更人が少ない。

 

 

しかし、その日はこの限りではなかった。

 

私が薪を用意し忘れたことに気付き取って来ようとしたとき…

 

「すいません、キャンプお隣いいかな?」

 

ジムリーダーは有名人である。それはマイナーリーグ所属でも劣りはするが同じで、このように共同キャンプに誘われることもある。

 

「薪もいっぱいあるから、使って。」

 

しかし、こういう時は謹んでお断りさせて頂いている。

断ってもいないうちに準備を始めていることから()()()がマイペースな人と言う事を感じ取りながら…

 

「申し訳ないのですが、このようなことは………え」

 

お断りの言葉を申そうとしたのですが…

でもまあ、世の中例外というものもありまして…

 

「久し振り、サイトウ君。」

 

振り向いた私の目の前にいたのは、紛れもなく皆の憧れであり目標でもあるチャンピオンダンデ…

 

「ど、どうして貴方がここに……?」

 

と、なぜか凄く疲弊している彼の相棒のリザードン

 

「サイトウ君が良くここに来ていると聞いて。」

 

 

「……??」

 

 

「ささ、ポケモンたちがお腹を空かせている。

早くご飯を作ろう話はそれからだ。」

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

「───それで、話というのは…」

 

ご飯の用意ができ、食事を始めた時に私は聞いた。

 

「ああ、その話なんだけどね。」

 

「サイトウ君に聞きたいんだ。」

 

ダンデは急に顔を引き締め、真剣なチャンピオンの顔つきにかわった。

 

「上に上がる覚悟はあるか。」

 

今の状況を変えたいならば環境を変えろ、考え方を変えろ

 

「っ……あります!覚悟なら。」

 

よく言われている事だ、唯それには覚悟が必要になる。

 

「そうか、それなら良かった。」

 

ダンデの顔が少し緩む。

 

「では…助手を雇ってみないか?」

 

何故なら是迄自分が良しとして来た事を捨て、1から新しい方法で挑まなければならないのだから。とても不安というのが本音────

 

「成程、助手…ですか…。」

 

 

「そう、俺の親しい友人にとても頼りになるヤツがいてね。歳は丁度サイトウ君ぐらいだ。」

 

君さえ良ければだが。とダンデは付け加える

 

 

正直言って悔しい。

 

お前には無理だったんだ、そのような器ではなかったのだと言われている気がした。

皆が失望の目を向けてくる中私は唯一人…

 

───父さん達は情けない気持ちで一杯だ。

 

いつの日か言われた言葉まで蘇った。

 

 

しかしそれでも────

 

 

「ただ勘違いしないでくれ、これは君がジムリーダーとして力量不足だからではない。委員長から言われたことでもない。俺の独断だ。」

 

そんな心情を察したのかチャンピオンはそんなことを言ってきた。

 

「………」

 

もし、メジャーリーグにいて、そこでも食らいついていたら私は断っていただろう。

自分は大丈夫だと、1人(独り)でもやっていけると。

 

 

だけど───

 

 

「確かに君は今マイナーリーグで足踏み状態だ。

だけど、だからこそ環境を変えなきゃいけないだろう。」

 

そう、未だ私はマイナーリーグ(半人前)

 

「それに……」

 

チャンピオンが言った言葉は何よりも響いた。

 

「誰かを頼るのは弱さじゃない。」

 

「勿論、俺や周りの人達を頼ってもらって構わない。が、いつも側にいてあげられる訳ではない。」

 

「…彼は優秀だ。そして俺が見てきた中で一番───」

 

 

次に彼が言った言葉に私は驚かずにはいられなかった。

聞き間違えではないかとも思った。

しかし、彼の、チャンピオンの真っ直ぐな目がそれを否定した。

 

「───()()やつさ。彼のこと、尊敬しているぜ。」

 

 

「!!」

 

そのダンデの顔は幾度か見たことがあった。

それは今の私では画面越しでしか見る事のできない顔。

 

それは王者に認められし者(超一流)の証。

 

「まあ、俺も負けてないけどな。」と笑顔でダンデは付け加える。

 

 

 

どのような強さなのか、何に対しての強さなのか、

多くは語ってくれなかったが、私に足りない強さなんだと言うことは手に取るように分かった。

 

無敗伝説を誇り、ガラルどころか全地方最強とも謳われるダンテにそこまで言わしめる"彼"をこの目で見てみたいと思った。

同級生だというその"彼"と"私"の何処が違うのかというのも知りたかった。

 

 

─────変わりたい、その一心で…

 

 

「……お願いします。」

 

 

「よっしゃ、決まりだな。じゃ、後日連絡するぜ。」

 

 

────────────────

───────────────────

──────────────────────

 

 

(どのような方何でしょうか。年齢は確か同い年くらいと聞きましたが…)

 

暫くして何やら左手の方向が騒がしくなってきた。

 

(来られたようですね。)

 

そちらを見てみると2人組が此方へ向かってくる。

 

1人はこの地では知らない人がいない人物。

そして彼が───

 

「あっ、いたいた──っ!…ご、ごめん待たせて悪いねサイトウ君。」

 

紫色の髪をしたダンデが申し訳無さそうにそう言った。

 

「あっ、いたいたじゃないって。ホントに。」

 

白銀の髪をした"彼"が少し怒った様な、呆れた様な口調で言う。

そしてこちらを向いたと思えば直ぐに表情を整え

 

「待たせてしまい、申し訳無いです。」

 

と頭を下げた。

 

「いえいえ、今来たところですから…。」

 

 

「じゃあ、自己紹介からだな。」

 

ダンデはいつもと変わらない笑顔でそう言った。

 

「…ったく…。では僕から…はじめまして、()()と言います。」

 

──レイさんがこれからお世話になる人。

 

「はじめまして、レイさん。サイトウと申します。」

 

 

「よろしくお願いします!」

 

 

「こちらこそ、宜しくお願いします。」

 

 

私の日常が変わろうとしていた。

 




ここまで読んでくださりありがとうございます!
どうでしたか。楽しんで貰えたら幸いです!


書いてみて
結構長くなってしまい、そして結構時間がかかってしまいました。
誤字がないか心配。言葉使いが間違ってないか不安。






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