妄想投棄場   作:妄想投棄場

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ライス 重馬場
タイシン 良馬場、稍重
タマモ 重馬場(意味深)

ウマ娘放課後ちっちゃいものくらぶ


タマモ「ちっちゃいものくらぶってなんやねん!?」

「ということで、ライスはねちっちゃいものくらぶの会長として皆さんにお聞きしたいことがあります」

 

「ちょい待ち」

 

 トレセン学園の放課後の教室でウチら三人は集まっとった。

 

「どうかしたの? タマモさん」

 

「ライスは小さい、それは分かる。タイシンも小さい、それは分かる。なんでウチがおんねん!? 懐がこんなにでっかいウマ娘なんかおらんやろ!」

 

 小っちゃいものくらぶ言うん、謎の集会になんでウチが呼ばれなあかんねん。

 

「そこのバカの喚きはいいとして、アタシ。アンタたちに付き合ってる暇はないんだけど」

 

 ライスシャワーのごり押しで、ウチらは放課後の教室に拘束されとるけど、三人の内二人が不参加を表明しとるんや。

 もう、この集会は解散やな。

 

「そっか……」

 

「まあ、ウチかて暇やない。今度機会あったら遊ぼうや」

 

「アタシは、遊ぶとは言ってないけど」

 

「ええやないか! それでも男か!?」

 

「は? そこまで言うんだ、アンタには手加減なんかいらないよね」

 

 おー、こわ。まあ、なんとか解散の流れにもっていけたな。

 

「そうだよね……二人とも、ライスと遊ぶ時間なんてないよね。こんな面白くない子と遊んでもつまんないもんね」

 

 うぐぅ!……良心抉ってくるのやめーや。

 

「そうだよね。せっかく、ライスが頑張って昨日、眠れないぐらいいっぱい考えたお話も、二人には興味ないよね」

 

 おごぉ!…………だ、ダメや。ここで心許したらそのままズルズルいくんや。甘さは捨てなあかん。

 

「…………ごめんね、二人ともライスが誘ってきても、断る言葉も言いたくないから来てくれたんだよね」

 

 ぐはぁ!…………あかんて、それは。そんな健気エピソード出してくんなや。断れへんやん。

 でも、あかんよ。ウチは心を鬼にせなあかん。言わなあかんねん。

 

「そ」

 

「……アタシは別に、嫌とは言ってないし。今、トレーナーに連絡したら今日はオフでいいらしい」

 

「え?」

 

「ほ、本当に? ら、ライスに気を使わなくてもいいんだよ?」

 

「別に。……本当に嫌だったら、そもそもここにいないし」

 

「そ、そっか~。……えへへ」

 

 タイシン、おま、お前ェェェェ!!

 う、裏切ったんか? 裏切ったんか!?

 やめろや! ライスが抱き着くのをそっと受け入れるのやめーや!

 そっぽ向いて、何も気にしてへんみたいな表情しながら耳と尻尾揺れるのやめーや。

 ウチら、ATフィールドつよつよ組やろ? なにそんなまんざらでもない雰囲気出しとんねん。

 

「アタシは別にいいけどさ、あそこにいる芦毛のチビは用事があるみたいだ」

 

「た、タマモさんは忙しいもんね…………ごめんなさい。ライスのわがままにここまで付き合ってくれて」

 

 うぐぅぅぅぅぅぅぅぅ!

 

「あ、あー…………あー、ウチも用事今日や今日やなかった気がするわー。大丈夫、ウチモアソベルデー」

 

「ほ、本当に!? タマモさん、本当に大丈夫なの?」

 

「ウンウン、モチロンヤデー」

 

 せやから、そのキラキラした笑顔をウチに見せてくんなや。眩しいって。

 レースの中で落っことしたもん思い出しそうやん。

 

「ありがとうね。二人とも」

 

「別に」

 

「かまへん、かまへん」

 

「じゃあ、改めて、小っちゃいものくらぶ集合~、えいえいおー」

 

「ん」

 

「おー……って、タイシン、アンタも言えや! 今からバチバチの小っちゃいものくらぶ集会が始まるんやで!? なにすかしとんねん」

 

「別に、ガラじゃないし」

 

「二人は仲良しさんなんだね!」

 

「別によくないし」

「仲いいわけあるか!?」

 

「…………」

「…………」

 

「やっぱり、仲良しさんだ♪」

 

 あかん、反論したいけど、これでなんか言おうとして、また被ったら嫌やな。

 とりあえず、話題変えとくか。

 

「で、会長さん、ウチらを呼んで何がしたいんや?」

 

「!?」

 

 なんや、急に目を輝かせよった。

 

「そうです! ライスが会長です! 会長のライスは、お二人に聞きたいことがあるんだよ」

 

 あー、会長ちゅうんに、憧れとったんやなあ。

 かわええもんや。あんなに胸張ってなあ。

 …………うん、ウチのがあるな。

 

「そうなんだ」

 

「ほーん」

 

「おに……二人はトレーナーさんと普段どこに遊びに行く?」

 

 ???

 

「は?」

 

「なに言うてん、自分」

 

「?……二人はお、トレーナーさんとご飯食べに行ったり、一緒にお洋服見に行ったりしないの?」

 

「な、な、な、なに言うてん、自分! トレーナーとウマ娘は健全な関係やでそんなプライベートまで持ち込む必要あらへんやろ!?」

 

 あのトレーナーと? 普段から、あんな情けない奴と?…………ない、ないわ。

 ないないないない。

 

「……アタシもそういうのは、ちょっと」

 

 そう言うたで! それでこそ男や、アンタ!

 ……なんで、ウチのこと睨むんや。なんも口に出してへんやん。

 

「そっかー。ライスは二人ともトレーナーさんのこと大好きだから、もういっぱいお出かけしとるとおもってたんだけどなー」 

 

「!?!?!?…………は、ハハハ、なに言うてんねん、自分。ウチがあんな、なよっとした奴好きになるわけないやろ」

 

「……そんな声震わせても、説得力ないけど」

 

「うっさいわ!……タイシンはどうなんや!?」

 

「……別に。まあ、トレーニングの指示は的確だから従ってるだけ」

 

「えー? ライス、前にお兄様と一緒にゲームセンターに行った時、タイシンさんとそのトレーナーさん見かけたけど、とっても楽しそうだったよ?」

 

 ほーん、ほーん、ほ~~~~~~~ん。

 

「そうなんや~。なあ、タイシンちゃあん、楽しかったかなあ!? ゲームセンターデートはどうやったんですかあ!!!」

 

「チッ……ただ、偶然あっただけだし」

 

「でも、一緒にゲームしてたよね」

 

「…………」

 

「トレーナーさんに音楽ゲーム教えてるタイシンさん、とっても楽しそうに見えてね、ライスもとっても嬉しくなっちゃったの」

 

 へええええ。

 

「お楽しみやったんですねえ!? なんや、ゲームセンターで音ゲーして? 夜までうまぴょいですか? ああ、風紀が乱れてまうなああ」

 

「チッ……そういうゲスな思考できるアンタ、本当に嫌いだ」

 

「ウチはウチのことが大好きやからアンタに嫌われたところで全然ダメージあらへんもんねえええええ」

 

「え? タイシンさんもトレーナーさんとうまぴょいしてたの!?」

 

「!?!?!?」

 

「ほげえ!?!?」

 

 な、な、な、な、なんや。なんやそれは。

 こんな大人しい、恋もわかってへんような面してやることやってんのか、こいつ。

 ウチはタイシンと顔を見合わせる。無言で首振るところ見ると、タイシンも初耳やったみたいや。

 ホンマ恐ろしいで、女狐やないか。

 

「ライスはね、ダンスルームでうまぴょいしたよ~♪ 楽しかった~♪」

 

「!?!?!?」

 

 おいおい、おいおいおいおい、おいおいおいおいおいおい。

 やめーや。公衆の面前でやめーや。それは超えたらあかん一線やろ。

 楽しかった~♪って言えるのは、もっとメスメスしいやつやろ!…………メスメスしいってなんや?

 

「あー、ライス。トレーナーさんは止めんやったんか?」

 

「うん? お兄様からお願いされたんだよ。はじめてだから教えてくれって」

 

 おまわりさーん!? 学園内に小児性愛者がいますよーー!?

 

「ライス。アタシが言えた義理じゃないけどさ、アンタはもうちょっと人付き合い考えた方がいいんじゃないの」

 

「せ、せやで! アンタ、それでよかったんか? 自分も初めてやろ!?」

 

「?……今まで練習してるからちゃんと出来たよ?」

 

 勉強熱心な子でえらいですね~♪ってアホか!? あかん、ウチの中の常識がドンドン崩れていっとる。なんや、この異様な状況は。

 

「お兄様と一緒にうまぴょい踊るの楽しかった~♪」

 

「!?!?!?!?」

 

「お兄様はね、あんまりリズム感ないんだけど、年末にぼーねんかいのよきょーでうまぴょいを踊らないといけないから、ライスに頼んできたんだよ」

 

 あ。あー、あーー。ああああああああ。

 

「当たり前やんなあ!? ダンスルームとウイニングライブ以外でうまぴょいする機会とあらへんよなあ!」

 

「だからね、タイシンさんは、夜にどこでうまぴょいしてたのか、ライス知りたいなぁ……そこだったら、一人でできるようになるまで練習できると思うから」

 

 あかーん! 夜のホテルですなんて言えへんわあ!? ま、まあタイシンに話題振られとるしな。

 

「…………アタシは別に、うまぴょいしてないから。あっちが勝手に言ってただけ。タマモクロスなら夜にうまぴょい出来る場所知ってるんじゃないの」

 

「そっか~♪」

 

 うーん、自業自得!

 ウチ…………ここで死ぬんか?

 

「あー…………」

 

「タマモさん?」

 

「あー、思い出したわ!! うまぴょいの話やないんやけどな。ウチな~、トレーナーと一緒に一度だけお好み焼き屋に行ってご飯食べたことあるわ。せや、せや。いいお好み焼き屋知ってんで、ウチ」

 

「そうなんだ!」

 

「あれやろ? ライス、遊びに行く場所聞く言うんやったら、なんか参考になる遊びスポット聞きたいんやろ? せやから、お好み焼き屋思い出したでっていう報告や」

 

「わ、ありがとう。タマモさん! よく、ライスが聞きたいことが分かったね」

 

「ハハハ、ウチは高等部の稲妻やで、点と点をこうズバーンって、つなげば自然と分かるわ」

 

 なんで、こんな下らん会話でウチは頭をフル回転させんとあかんねん。

 

「そっかー。でもお好み焼き屋ってすごくいいね。狭いし、出口も一つしかないから」

 

 ?…………気のせいか。

 

「最近ね、お兄様にぎゅーって抱き着くと、お兄様は私をはがそうとするの。だから、私はお兄様がこんなに大好きだよーって言うために、狭い場所がいいなあって、それにちょっと暗いだろうし」

 

 ええ話やなあ。

 ……ええ話かな?

 

「あ、お兄様からメッセージだ!…………わ! 今度レースで勝ったらご飯に連れて行ってくれるって、タマモさんお店教えてもらってもいい?」

 

「……ええよ」

 

 たぶん、詮索したらあかん。ウチの脳内サイレンがガンガン信号鳴らしとる。

 黙って、ウチは前言ったお店の名前とURLを教えた。

 

「ありがとう! じゃあ今からお兄様と一緒に次に出るレースを決めるから、これで、第一回小っちゃいものくらぶ集会をしゅうりょーします!……二人とも、またライスと遊んでくれる?」

 

 はあ、はああ、はあ~~~。

 

「当たり前やん!」

 

「ん。忙しくなかったら」

 

「あ、ありがとう!」

 

 そう言って、ライスはウチとタイシンをぎゅっと抱きしめて教室から出ていったんや。

 

「あ”ーーーー、しんど」

 

「軽率にうまぴょいとかいうのは、本当にない」

 

「うっさいわ! 澄ました顔してメス顔でケツ振って誘ってんねんやろ」

 

「……殺す!」

 

「ああん!? やんのか!?」

 

 ウチとタイシンがバチバチになった瞬間、タイシンのスマホから着信音がなった。

 一瞬、沈黙がくる。

 

「フフっ」

 

 は? 

 やめろや。その顔。ホンマにメス顔やんけ。解釈違い起こしてますよ。

 

「なんや、なにが来たん」

 

「別に……ただ、UFOキャッチャーが下手くそだから助けてくれだって」

 

 おいおいおい、そんなんでなびくウマ娘なんかアンタは。

 

「たった、それだけやろ」

 

「そうだよ。たった、それだけ。でも、アタシの実力見せつけるにはちょうどいい機会だ」

 

 やめーや。なんかカッコつけとるけど、首もと撫でとる時点でこっちはお察しやで。

 尻尾を揺らすな! 耳ピコピコすな! 

 

「あーあ、ほんとにアイツはバカだ」

 

 そんな憎まれ口を笑顔で語るなや!

 

「おまえ! ウチから逃げるんか?」

 

「別に、アンタは敵でもないし、味方でもない。それだけだから」

 

 はい、眼中にない発言出ました。

 

「それじゃ、まあ、集会があったときにまた会うでしょ。そん時はよろしく」

 

「…………さいなら」

 

 そう言って、タイシンも教室から出ていった。

 

 

……………………

…………

……

 

「ライスもタイシンもどうせ夜のうまぴょいしとるんやあああああ!!!!!」

 

 ウチは悔しくて、床をドンドン叩いてまう。 

 

「うわあああああ! ライスだって咲ける言いながら夜の花を咲かせとるんやあああ!!!!」

 

 ご自慢の勝負服着ながら誘ってんねや! 絶対に!!!

 

「タイシンは、アタシがマジだってこと教えてあげる言いながら、トレーナーの上に跨ってうまぴょいするんやあああああああ! うわああああああああ」

 

 澄ました面しながら、言うとるんや!!!! 

 あんなに「ふーっ♡ふーっ♡」ってセリフ似合うヤツもそうそうおらんやろがい!!!

 

「タマモ、そんなに床叩いたら痛むよ?」

 

「…………トレー、ナー?」

 

「遅いから迎えに来たんだけど、なに、今の」

 

「いや!? それは、その……」

 

「他のウマ娘達の関係に嫉妬してるんだ。…………俺の告白は濁してるくせに」

 

「うぐぅ」

 

「ねえ、何回も好きだって言ってんのにさ、なんでまだ答えくれないの?」

 

 あ、あんまみんなや。ウチはこんなひょろっこいの好きやないねん。

 もっとな、こうがっちりした方がええねん。

 

「ふっ」

 

「ひゃあああ!?…………おい、トレーナー、殺すでほんまに」

 

 

 なんやこいつ。いっつもいっつもウチを挑発しよってから。

 耳フーはあかんよ。ほんまにあかん。

 

「そうだね。俺はひ弱だし、タマモに突き飛ばされたりしたら、絶対敵うわけがない」

 

 そういいながら、トレーナーは近づいてくる。

 なんや、力も勝っとる。ウチにはトレーナーに恐れるもんがないんに、なんでこんなに足が動かんねん。

 

「ほら、捕まえた」

 

 あれ、なんで、ウチ、押し倒されとるん?

 

「いいの、タマモ? 抵抗しないと、俺の好きにされちゃうよ? 俺なんかタマモに抵抗されたらすぐにこんなの解かれるんだけど」

 

 それはわかっとる! わかっとんねん!……でも、体が動かんのや。

 

「あーあ、期待してたのと違ったかも。俺が好きになったのはそんなに臆病なタマモじゃなかったんだけどな」

 

 ……うっさいわ、ボケ。

 

「チビ、臆病、弱虫」

 

 ……知らんわ。

 

「ざーこ、ざーこ。理由つけなきゃ素直になれないザーコ」

 

 …………

 

「ああ!? ウチを怒らせたな? ええわ、分からせたる。人間がウマ娘に勝てんこと、証明したるわ!!!!」

 

 気づけばウチはトレーナーを逆に押し倒し返しとった。

 

「ふーっ♡ふーっ♡」

 

「あー、やっぱり、ダメだった。俺じゃあタマモには勝てないんだね。……ねえ、タマモ。俺がお願いしてるからさ。…………いいよ?」

 

 なんや、なんやそれは。

 …………あれ、なんでウチ押し倒しとるんやろか? なんでや。

 待て待て待て、なんで、ウチの手はトレーナーのボタンに手をかけとんねん。

 ちゃうちゃうちゃう!

 

「タマモのエッチ」

 

「~~~~~~~~ッッ!!…………お、覚えとれよドアホ!!!」

 

 

 あかん、顔が真っ赤や。向こう一週間、まともにトレーナーの顔見られへんやん。こんなんじゃ。

 ああ、夕日が眩しい。

 こんなに、顔が熱いんは、夕日のせいや。

 

 

「意気地なし…………そこが可愛いけど」

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