マジでテンアゲバイブス上々なほどお天気が気持ちのいいものだった。めちゃたくさんのウマ友が通うトレセン学園。校庭にあるウマスタ映えすることこの上ないベンチの上。ダイタクヘリオスはスマホを眺めながらちょう悩んでいた。正直ダイタクヘリオスもヤバタンに驚いてしょうがなかった。こんなに悩むなんて、夏休みに友達とバカ騒いで夏休み最終日に宿題が鬼残っていた時以来だったから。
「やっば、今日の夜のパーティー。タコパとお好み焼きパ、どっちが皆ぶち上れるかな」
これはヘリオスにとって今年最大級のゲキムズ二択だった。ついつい、スマホを見る手も止まっている。真っ黒になったスマホの画面に映るヘリオスの顔はどちゃくそ難しい顔していた。ダイタクヘリオスの自慢の黒鹿毛の髪に、鬼映えるお気にの青メッシュも、なんだが元気がないなとヘリオスは思った。ズッ友で逃げ友のメジロパーマーに似合ってるねって言われたほっぺのメイクも、こんな顔してちゃ全然映えないじゃん、と自分の顔を叩いてダイタクヘリオスは気持ち切り替えた。
「いや、悩んでるとかウチらしくないっしょ」
「あ、ヘリオスだー。こんな所でなにしてるんだ?」
「ターボじゃん、おいすー。実はさ、究極の二択でマジ困ってんのよ」
気持ち切り替えたヘリオスが顔を上げると、ヘリオスのメッシュと同じぐらい青い髪したウマ友に話しかけられた。
ツインターボ。ちっこい体からは想像つかんくらいのエグい逃げをかます、ヘリオス、パーマーと同じ逃げ友である。そしてヘリオスにとって結構仲良さめのウマ友だった。ヘリオスはターボが悩んだりする姿を見ることはあんまりなかった。だからこそ、ターボに言えばなんか道開けるんじゃね、とヘリオスは思い託して悩み事を全部晒した。
「なんだ、ヘリオスがターボに言うなんて珍しいな。おなやみもターボに任せろ!」
「やば、頼りやすさ神じゃん。頼神じゃん、アタシ神と友達だったかー」
「かみ? ターボはウマ娘だぞ」
「マジか、いや、ターボウマ娘だったわ、いっけね。……そんなターボに聞きたいんだけどさ、今日タコパかお好み焼きパしようと思ってんだけど、どっちがターボは超絶テンアゲパーティーになりそう?」
「ちょう、ぜつ? テンアゲ?」
「ウエーイでパリピって、バイブスかち上げ、人生アルバム入り間違いなしイベントってこと」
「そっか!!!」
ターボは自慢のギザ歯見せて嬉しそうに返事した。ヘリオスはこんなターボの笑顔がまじ可愛くて癒しだなって思うことがちょくちょくあった。
「うーん」
ヘリオスは内心結構驚いていた。ターボが腕を組んで悩むぐらいに究極すぎる二択だったかと思ったから。ターボを見下ろすのはヘリオスは結構好きなイベントだった。ターボは悩んでなくても口をすぼめることが意外とある。そんなターボを見下ろすと上唇だけ見えてくちばしっぽく見える。かなり可愛くて癒しの塊みたいな光景を見るのがヘリオスはかなりのお気にだった。
「わかんない!」
「そっかー、分かんないかー」
やっぱアタシらには偏差値高すぎな問題だったかとヘリオスが内心思っていると、ターボはそのまま言葉をつづけた。
「一つやったら超絶テンアゲパーティーでしょ?」
「うん、うん?」
「両方やったら超絶テンアゲパーティー・超絶テンアゲパーティーのツイン超絶テンアゲパーティーになって最高に楽しいとターボは思った! ヘリオスはどっちかしかダメなのか?」
「やっぱ神じゃん、ツイン神じゃん」
「ターボはウマ娘だぞ?」
「っべ、忘れてた~~~~」
ヘリオスはあり得んぐらいの雷がズバンって体に走る感じがした。60秒と1分が同じだと知った小学生の時をなぜか思い出していた。紅茶と緑茶とウーロン茶が全部同じ葉っぱなんだってパーマーに教えてもらった時も思い出した。それくらいヘリオスにとっては世界が540°ひっくり返ったくらいのヤバ発見だった。
灯台のすぐ下はマジ暗いということわざがヘリオスの頭の中に浮かんできた。神はあんがい近くにいるし、究極二択も実は二択に選ぶ必要がないっていうヘリオスのマイメモリーに保存しなきゃいけない本当に大切なことも知ることができた。
今日のヘリオスは萎えポイントが有マくりだった。
ちょっと起きるの遅れたし。あんま良くない点数のテスト返ってきた。だから、普段なら気にしないようなことも結構萎え度が増していた。いつものアイロンを持ってくるの忘れてパーマーに借りた。なんでもないことだけど今日のアタシまじで情けないなーとヘリオスの萎えを加速させていた。だから、ヘリオスはヤなこと全部逃げて、気持ち切り替えるためにパーティーしようと考えたけど、それも悩んでしまっていた。悩むウマ娘いれば逃げるウマ娘いるってことで、ヘリオスはターボの神発言によってヤなこと全部から爆逃げかませたような気がした。うじうじしてる暇なんかないってヘリオスは絶好調になったのに気づいた。
「人生、楽しんだもん勝ちだもんね」
「?」
「ターボ、アタシらで今から買い出しいかね? 今夜のツイン超絶テンアゲパーティーかます準備しないと」
「ターボもいいのか!?」
「もち! むしろ、ターボにはいてもらいたいっていうか。神だし」
「ターボはウマ娘だぞ?」
「っべ、忘れてた~~~~」
ヘリオスはバチバチに計算する。ツイン超絶テンアゲパーティー、ツイテパに向けて必要な材料が何かをレースで走る時並みに死ぬ気で考えた。
「うっし、計算終了。ターボの好きなもん言ってよ。今日のターボにはマジ感謝だからいくらでも買うし」
「えーーっ!? 本当か? なら、マシマロ食べたい」
「マシュマロ、めちゃ良き~~~~。皆でシェアハピするためにいっぱい買ってこ」
「な、なあ、ヘリオス」
「うん、どしたん?」
「ヘリオスは焼きマシマロできる?」
めっちゃ目キラキラさせながらターボはヘリオスに聞いてくる。癒し度も神越えしちゃったなとヘリオスは思いながら、自分の道開いてくれたターボに向かってマジで返答する。
「もち! アタシの焼きテクまじで神ってるから、マジ期待値跳ね上げても、余裕で飛び越えるから覚悟しといてよ!!!」
「??? ヘリオスはウマ娘だぞ?」
「っべ、忘れてた~~~~」
今日はまじで人生アルバムトップクラス記録するぐらい、パリピった最高のテンアゲマックス誰よりも最高に幸せズッ友たちと絆深める鬼ヤバイベントになりそうだな、とダイタクヘリオスは笑いながら思った。