Keep ☻n Smile   作:榛名なのは

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第5話 私はもう

「へ……?」

 

 わたしは、一瞬朱莉から何を言われたか分からなかった。

 

 わたしが、仲間?

 

 

「もしかして……」

 

 

 

「うん。一緒にゲームを作って欲しい」

 

 

 

 

 

「わたし、機械詳しくないよ?」

 

「知ってる。だから、サウンドクリエイターとして活動してほしい。風音、パソコン持ってる?」

 

 

 こくりと頷く。

 お母さんが高校生のマストアイテムだろうって買ってくれたけど、使ってない。初期設定してちょっと使って終わり。スマホで事足りるし。

 

 

 

「じゃあ、ちょっと打ち込みの勉強するだけか。うん、イケる! 私、忘れてないよ。風音が小さい頃作曲して、自分で作った曲をコンサートで弾くんだって言ってたこと!」

 

 

 

 確かに、小さい頃は作曲をしていた。

 確かに、コンクールで一番になるよりもそっちの方が最終目標だった。

 自分で作った曲で朱莉が笑顔になってくれてたから、みんなも笑顔にしたかったの。

 

 でも。

 

 

「覚えてるけど……」

 

「ね、ならいいでしょ! 今私、個人でゲーム作ってるから時間が足りていないのが弱点なの。だからお願い! サウンドクリエイターは、風音にしかできないの! だから。私と仲間になって!」

 

 

 そう言って朱莉は頭を下げた。

 さっきから店主と歌ってる女の子がこっち見てるんだけど、朱莉これ気づいてないよね……?

 

 

 

 とりあえず「頭上げてよ」と言う。

 

 

 

 朱莉がこんな冗談を言う人じゃないのはわかってるし、こんなことを冗談で言う人もわたしは知らない。

 だから、朱莉が本気で言ってるんだろうなってことは簡単にわかった。わかってしまった。

 

 

 

 

 

 でも、答えは決まっていた。

 

 

 

 

 朱莉も本気で言ってくれてる。それがわかってるから、できるだけ朱莉を傷つけなくて済む方法を頭の中で探す。

 親友だもん、傷つけたくなんかないよ。

 

 でも、ごめんね。朱莉。思いつきそうにないし、もう決めてるから。

 

 

 

 

 

「ごめん、朱莉」

 

 

 

 

 そう言うと、朱莉ははっと俯いていた顔を上げた。

 私の言いたいことを察してしまったようだ。

 

 

 

「わたしは仲間にはなれない。もっといい人探しなよ」

 

 

 

 

「ねぇ、なんで! 私は風音と一緒にゲームを作りたい! 風音じゃなきゃ、ダメなの!」

 

 

 

 朱莉は、真っ直ぐだ。

 あの頃から変わってないな。

 

 

 

「もうわたし、音楽とは関わらないの……ごめんね」

 

 

 

 

 

 そう言うと朱莉は、絶望したような顔をした。

 

 

 わたししか、梅宮風音しか出来ないって言ってる以上この反応は当然だ。

 きっとわたしが朱莉の立場でも、きっと同じような顔をする。

 

 

 

 本当にごめん、朱莉。

 

 

「……ごめん、わたしもう帰るね。今日は悪いことしちゃったし、わたしが奢るよ」

 

 

 

 わたしは席を立った。

 

 

 

 

 もったいないからと今飲み干したミルクティーは、甘いはずなのに少し苦く感じた。

 

 

 

 

 

 

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    実装曲

 

・リモコン / じーざす(歌唱:柚木創、梨田拓真)(3DMV)

・ねぇねぇねぇ。 / ピノキオピー(歌唱:初音ミク、桃井朱莉、梅宮風音)(3DMV)

・グッバイ宣言 / chinozo(歌唱:初音ミク、桃井朱莉、梅宮風音、柚木創、梨田拓真)

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