「へ……?」
わたしは、一瞬朱莉から何を言われたか分からなかった。
わたしが、仲間?
「もしかして……」
「うん。一緒にゲームを作って欲しい」
「わたし、機械詳しくないよ?」
「知ってる。だから、サウンドクリエイターとして活動してほしい。風音、パソコン持ってる?」
こくりと頷く。
お母さんが高校生のマストアイテムだろうって買ってくれたけど、使ってない。初期設定してちょっと使って終わり。スマホで事足りるし。
「じゃあ、ちょっと打ち込みの勉強するだけか。うん、イケる! 私、忘れてないよ。風音が小さい頃作曲して、自分で作った曲をコンサートで弾くんだって言ってたこと!」
確かに、小さい頃は作曲をしていた。
確かに、コンクールで一番になるよりもそっちの方が最終目標だった。
自分で作った曲で朱莉が笑顔になってくれてたから、みんなも笑顔にしたかったの。
でも。
「覚えてるけど……」
「ね、ならいいでしょ! 今私、個人でゲーム作ってるから時間が足りていないのが弱点なの。だからお願い! サウンドクリエイターは、風音にしかできないの! だから。私と仲間になって!」
そう言って朱莉は頭を下げた。
さっきから店主と歌ってる女の子がこっち見てるんだけど、朱莉これ気づいてないよね……?
とりあえず「頭上げてよ」と言う。
朱莉がこんな冗談を言う人じゃないのはわかってるし、こんなことを冗談で言う人もわたしは知らない。
だから、朱莉が本気で言ってるんだろうなってことは簡単にわかった。わかってしまった。
でも、答えは決まっていた。
朱莉も本気で言ってくれてる。それがわかってるから、できるだけ朱莉を傷つけなくて済む方法を頭の中で探す。
親友だもん、傷つけたくなんかないよ。
でも、ごめんね。朱莉。思いつきそうにないし、もう決めてるから。
「ごめん、朱莉」
そう言うと、朱莉ははっと俯いていた顔を上げた。
私の言いたいことを察してしまったようだ。
「わたしは仲間にはなれない。もっといい人探しなよ」
「ねぇ、なんで! 私は風音と一緒にゲームを作りたい! 風音じゃなきゃ、ダメなの!」
朱莉は、真っ直ぐだ。
あの頃から変わってないな。
「もうわたし、音楽とは関わらないの……ごめんね」
そう言うと朱莉は、絶望したような顔をした。
わたししか、梅宮風音しか出来ないって言ってる以上この反応は当然だ。
きっとわたしが朱莉の立場でも、きっと同じような顔をする。
本当にごめん、朱莉。
「……ごめん、わたしもう帰るね。今日は悪いことしちゃったし、わたしが奢るよ」
わたしは席を立った。
もったいないからと今飲み干したミルクティーは、甘いはずなのに少し苦く感じた。
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実装曲
・リモコン / じーざす(歌唱:柚木創、梨田拓真)(3DMV)
・ねぇねぇねぇ。 / ピノキオピー(歌唱:初音ミク、桃井朱莉、梅宮風音)(3DMV)
・グッバイ宣言 / chinozo(歌唱:初音ミク、桃井朱莉、梅宮風音、柚木創、梨田拓真)