転生したら果実だった件。 ☆そうだ! ボクが魔王様だ!☆ 作:ワソピース♪
海軍本部の大将と中将。
世界最高戦力と呼ばれる大将と海軍の英雄と呼ばれる中将の2人が今日も賑わう。
「ぶわーーーーっはっはっはっはっは!!」
「いつまで笑ってやがるガープ!!」
「これが笑わずにいられるか、センゴク! この際、お前さんの船で良い、乗せてくれ!! 直にやり有ってみてぇ!」
「誰がお前なんざ乗せるか! さっきも言ったぞ! この件はオレに一任されてるんだ。引っ込んでろ!」
でかいでかいニュースを海軍が発表し、その内容について 周りの迷惑考えずに騒ぎ合う。
そのニュースは瞬く間に全世界へと広がり……全ての海をにぎわせた
とある島では。
「わーーーっはっはっは! こんなの前代未聞だぜ!? 噂じゃ、あの
「託児所でも始めたんか? って思ってたが、こりゃ白ひげの記事、また一面飾るよなぁ……」
時の大海賊と呼ばれる男の海賊団船長が大笑い。
そして副船長は、訝しみつつも驚愕している様子。
船長は、この世界を騒がすニュースに、普通ならば驚愕する所、心躍らされてしまってる者の1人だ。
珍しい事は、
だが、明らかに限度を超えている事が起きているのだ。
「閉ざされた国から侍が出てきたってのが、ほんの一月前! 会って見てぇヤツがまた増えた! 終わりが近ぇってのに、お前んトコは、話題に事欠かなくて飽きないな、ニューゲート!」
その海賊団の船長の名はロジャー。
後の海を更に騒がす男の名。
「くっそーーー、最年少記録更新かよ! つーか、こんな金字塔永遠に破れねぇじゃねーか! 会ったら焼き入れてやらねーとだな」
「お前じゃ、相手にも話になんねーよ、バギー! ……でも、
何が起きても不思議ではない、と早々に解っていた筈なのに、覆された気分になるのは、海賊見習いと呼ばれている2人。
食い入るように新聞を見ては、喧嘩を再開させるのだった。
そんな大騒ぎの根源となってる海賊団は、そんな騒ぎは露知らず、今日もいつも通り、この海を往く。
勿論、世界が騒ぐくらいには、騒がしくしながら。
「てめっ!! このやろっ!! よくもオレの取りやがったなッ!?」
「うわぁぁん、ぱぱぁぁ~~!! マルちゃんがイジメる~~!!」
「誰がマルちゃんだよいっ!?」
今日も今日とて、快晴快晴。いや時折飴。
絶好の航海日和だ。
海は生きているのか、意思があるのかと思える程気まぐれに代わり、毎日がお祭り騒ぎ。
だが、それもこれも、この海賊団だからだろう。
名は白ひげ海賊団。
大海賊と呼ばれる海賊の1つである。
「むぅ……、パパ、か……。そう呼ばれた事は無ぇな………」
一団を纏める大きな大きな船長、白ひげ事ニューゲートは、何やら考え中だった。
声に出していたつもりは無い様だが、無意識なのかハッキリと出ており、そのボソリと呟いた一言は、バッチリ他の船員に届いていたらしい。
「「「オヤジが満更でも無ぇ、って顔してる!??」」」
「!! 馬鹿タレ! んな訳あるかアホンダラァ!!」
白ひげは、怒った。
オヤジが怒ると、空が海が地が、全てが揺れる―――のが通常なのだが、今回のソレは明らかに照れ隠し。
海は平穏のままであり、そもそも傍から見ていて明らかだ。
そんな
「待てよいッ! オレの生ハムメロン返せ!!」
「うわぁぁん、返せないもんっ! もう、ボクのおなかの中だもんっ!」
「もんっ! じゃねぇよい! 気色悪い! いい加減そのキャラ辞めろよい!」
「ボクはボクだもんっ! マルちゃんのいじわるっ!」
青い鳥と白い球状が舟の上で追いかけっこして遊んでいる。
それを眺めながら、仲睦まじそうに隣り合わせで居るのは男と女。
「わっはっはっは!! いつか、モモの助も ああやってあいつらと戯れるんだろうな! 今からでも遅くないか!?」
「いやいや、おでんさん。流石にそれは無茶よ」
「何を言う、トキ! モモの助と
「――――世界広し、まだまだ知らない事は多いと言えど、信じられそうに無いわ。あの人がモモの助と……なんて。まあ、捕まえて抱きかかえてしまえば、可愛らしいんだけど、ね」
青い鳥は時折瞬きを見せ、鮮やかな旋回を見せながら、白い球体に迫る。
いや、迫ると言うより攻撃だ。アレは。
球体は器用に躱しに躱して、これまた時折舟に降りてきては、周りを巻き込みながら逃げる。
丁度今、マルコは船員の1人ジョズとぶつかっていた。結構な勢いで。
酒飲んでいたジョズ、見事に口から霧を吹く。
「ぶふぉっっ!? てめ、マルコぉ! 何しやがる!!」
「ソイツに言えよいジョズ! オレのとっておき、喰いやがったんだ!」
今もまた、身代わりにせん勢いでこれまた器用に正面衝突させて、その影に隠れてる。
機動性が半端ない。不死鳥の二つ名を持つマルコが捕えきれない程に。
「……ププ~~、メシ程度でムキになって。ガキかよ、マルコぉ」
「「お前が言うな!! お前のがガキだ!!」」
影に隠れて、口調を変えて毒を吐く。煽りに煽ってまた跳び上がる。
いや、あの容姿はガキとは言えない。球体の中に居るのはガキ以下。……赤子だ。
「オヤジ、12時の方角。
「おう」
巨体をゆっくり起こし、特徴的な長い三日月型の髭を震わせながら地の底から響く様な声を張り上げる。
「野郎ども! 仕事だ!!」
ドンッ! と空気が震える。
まさに身が引き締まるとはこの事―――と言いたい所なのだが、空中デッドヒートはまだ続いてるらしい。
そろそろ災害級の時化だ。
「いい加減にしやがれ、マルコぉ!! ハルトぉ!!」
「ぐおっっ!?」
「んぎゅっ!?」
地の底から響く大声量と共に、天へと打ち付けた拳は大気を割る。
ドゴンッ! と言う衝撃音と共に放たれた衝撃破は、デッドヒートを続ける2人を容易に包み込んだ様だ。
包み込む、とは やや優しい表現だ。……ぶっ飛ばした、と言うのが正しい。
「ふぅ……一時休戦だな、マルコ。仕事だって」
「後で覚えてろよい! つーか、オレに乗るな! 自分で降りろ!」
「ヤダよ、疲れた。ほらほら、パパにまたどやされるよ?」
白い球体は消失し、中から現れたのは、白い布に包まれた――――赤子?
「チィ、いや、マジで覚えてろよい!」
「いやいや、赤ちゃんの記憶力あてにしないでよねっ!」
「喧しい!!」
青い鳥―――不死鳥は 鮮やかな青の炎を宙に散らせながら……無事に着地した。
「わっはっはっは! 漸く戻ってきたなぁ!」
「マルコってば、幼児虐待だよぉ、ほんと。ねー? おでん!」
「お前が幼児って玉かよ。まさに今でも驚きだ! 世界は広ぇな、全く!」
楽しそうに燥いでいると、その身体を包み込む様に、捕獲されてしまった。
その名はトキ。おでんの女房である。
「止め、やーめーてーー! トキさん、ぼく大丈夫ってば! 恥ずかしいっ!」
赤子のフリをしたり、急に毒吐いてみたり、とコロコロ表情から発する言葉まで変わる幼児だが、今は凄く慌てている様だ。
これが素の幼児の姿なのだろう。
「こうしてみていると、ただの赤ん坊にしか見えないんだがなぁ……」
「いや、喋る赤子なんて、妖怪の類だろ。最早」
「うんうん。憑依する類の妖怪だな。海って不思議だ」
「妖怪って。単なる能力者だろ?」
「いやまぁ、そうなんだが……。あの形見てると、能力者って言うより、妖怪、って言った方がしっくりくる、って言うかなんというか」
トキに抱えられて可愛がられてる幼児を見ながら、互いに笑い合う。
マルコはまだ機嫌が悪いままだが。
「この馬鹿息子共が!! とっとと働きやがれ!!」
「「「おわあああああ!!」」」
だが、笑い合うにゃ、まだ一仕事終えてない。
働かない船員たちに一喝入れる白ひげ。
彼は、自分の船に乗せた
例外が居るとすれば、おでん、そしてあの赤子ハルトだろうか。おでんは弟分として見ており、赤子ハルトは出会いがこれまた異質、中身と姿が一致しない姿はまさに異形。
「トキさーーんっ! 働かないとだから、ぼくを離して~~!!」
「ふふ、そう恥ずかしがらなくたって良いのに」
びゅんっ! と素早く空中移動するハルト。
この船で、赤子ハルトにとって数少ない弱点が、おでんの嫁、トキなのである。
これは悪魔の実と呼ばれる果実……いや、それは普通の悪魔の実じゃない。
数ある悪魔の実の中でも、異質の代物。
そんな世にも奇妙で奇怪で、異常過ぎる果実を口にした赤子の物語である。