転生したら果実だった件。 ☆そうだ! ボクが魔王様だ!☆   作:ワソピース♪

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大海賊vs大海賊

 

 

 

そして―――その時は訪れる。

 

随分とご無沙汰だった2つの大海賊がぶつかり合いが。

 

 

 

 

「わ~~~! 凄い! 魚が沢山! 入れ食い状態だね」

 

 

いつもの様にマストに背を預けてグランドライン新世界の海を眺めていた時に突然魚たちが大騒ぎをし始めたのだ。

大小問わず、ただただ1点を見据えて真っ直ぐに逃げ泳ぐ。小魚とサメが並走するなんて食物連鎖を考えれば中々考えられない程だ。

 

 

「ごはんっ、ごはん~♪」

 

 

でも、そんな事は気にならない、と言わんばかりにハルトは魚たちを確保に動いた。

生み出すは小さな竜巻。巻き上げられた魚たちは順次船に乗せられて、家族も皆大喜びなのだが―――――。

 

 

 

「うぉぉい、ハルト! ストップストップ!!」

「生け簀があふれる! 尋常じゃねぇ数だぞ、これ!!」

 

 

 

食糧確保は良い。

でも、明らかにキャパシティーオーバーだ。モビーディックに乗る量も結構あるのだが、それをアッサリ埋め尽くすだけの魚の数だった。

 

 

「OK! これでラストね~」

 

 

ハルトはそう言うと次を最後に竜巻式漁を止めた。

そして、家族の皆はお怒りになる。

 

 

「おいコラァ!! もう、こっちはいっぱいっつったよな!?」

「なんで最後に特大サイズのサメつり上げんだよ!!」

「うわっ! コイツ暴れるぞ! さっさと仕留めろ!!」

 

 

別に狙った訳ではない。

きっと、たまたま竜巻を止めるタイミングが悪かっただけだ。

きっと、悪気はないのだ。……多分。

 

ハルトは、ニヤニヤ~と笑っていたが直ぐに笑うのを止めて、一点を見据える。

それは、魚たちが逃げる原因であろう場所。

 

 

「今のは完全に悪意満載だろうがよい」

「! マルコ。来たんだ」

 

 

そこにマルコも飛んでやってきた。

感じるモノがあるのだろう、それをいち早く確認したかった為だ。

 

 

無論、もうその姿はマストからでなくともハッキリと見える。……解る。

 

 

それは名も知らない島。

 

 

まるで、島全体がうなりを上げているかの様に感じるのは決して気のせいではないだろう。

 

 

「マルちゃん。降りるよ」

「……自分で降りろや」

「こっちの方が楽だもん」

 

 

ひょい、とマルコの背に乗るハルト。

押し問答するのも面倒くさい、と言わんばかりにマルコは下へと降りていく。

 

目の前の光景にワクワクが止まらないからだ。ハルトとの絡みもある意味面白がってるのは確かなのだが、海賊だ。冒険してなんぼ。

 

それが危険地帯であれば尚更楽しい。……面白い。望むところ、なのだ。

逆に、これを楽しめないと言うのであれば、それは海賊ではない。

 

 

「ったく、ハルトのせいで甲板無茶苦茶だぜ。……それはそれとして」

「腹ごしらえの前に~……だな。メシ喰う前に」

「ああ。あっちが気になる」

 

 

皆が一様に一点を見据える。

当然、見据える先にあるのはあの島。

 

 

「マルコぉ、ハルトぉ、お前ら空飛べんだから見て来いよ!」

「やだよい! 楽しみが減る!」

「こういうのは分かち合い、だからね」

「分かち合いって。メシで争ってた癖にどの口で言ってんだか。……でもまぁ、そうだな。これは別腹(・・・・・)だ」

 

 

誰もがあの島に心を奪われている。

そしておでんや白ひげも同様だ。

 

 

「行くか! 白吉っちゃん!」

「ああ! ……野郎ども!! 上陸するぞぉ!!!」

 

 

 

ドンッッ! 

 

と一際大きな白ひげの声が響くと同時に皆が各々の武器(エモノ)を空高く掲げて鬨を上げた。

 

 

「ほぎゃーーー~~~!」

「え~~~~んっっ!!」

「ほらほら、日和ちゃーん、桃ちゃ~~ん、お兄ちゃんが付いてるよ~~!」

「ふふ。頼りになるお兄ちゃんね~。日和、モモの助」

 

 

流石に乳児や幼児たちにはこの雰囲気は厳しい様だ。

いつも以上に泣き声を上げていた。

そんな2人をあやす様にハルトが宙に浮いて色々とやって見るが……泣き止む気配は無い。

尋常ならざる気配を、本能的に2人は感じているのだろう。

 

その感覚を持っていても決して不思議ではない。

何せ……2人はおでんの息子と娘なのだから。

 

 

「わっはっはっは! ハルトの言う通りだぞ、2人とも! 何でもない、大丈夫だ!」

「そうそう、いつも通り、皆で楽しんだら直ぐ戻ってくるからね?」

「……私としては、ハルトも一緒に残って貰いたいのだけど……」

「――――――……トキさぁん、ゴメンなさい。それは勘弁してください。ボクも行きたいんですぅ……」

「うふふ。冗談よ」

 

 

本気で止めようとした所で止まる訳がないのはトキとて解っている。

ただただ、ハルトの反応が可愛くて毎度してしまうのだ。

 

そんなトキの心中を知ってか知らずか、ハルトはただただ顔を赤くさせてそっぽ向いていた。

 

 

 

 

 

そして、島に上陸。

 

 

するとどうだ? 非常に珍しい光景がまた広がっている。

 

明らかに海岸に、砂浜に居て良い生態ではない。

ジャングルの奥地を縄張りとしてそうな獰猛な猛獣たちが集まってきているのだ。

それも一心不乱に隣合わせで並んで走ってる。競い合ってる? とも思えなくもないが、その表情を見たら直ぐに解る。

 

 

「猛獣たちも逃げ惑ってるか」

「一体何がこの島にいる、ってんだ?」

「――――—————」

 

 

 

ちらり、と島の上空を見上げるハルト。

ほんの一瞬だけど、直ぐに収まったけれど、黒い稲妻の様な一閃がこの島の空に合ったのを覚えている。空を貫かんばかりの黒閃。

 

曇り空だったらその片鱗が見れたかもしれないが、生憎今は雲は余りない空。

でも、あの感じは見覚えがある。

 

 

「覇気………」

 

 

 

強者だけが、一握りの強者だけが習得できると言われる人間の潜在能力の全て、とでも言う代物。

強者へのステージの第一歩がその領域、とも言えるだろうか。

 

そして今自分が所属しているのは白ひげ海賊団。世界でもトップクラスの海賊団。

何度も何度も見てきている。

 

そう、少なくとも白ひげ海賊団と同等の存在がこの島にいるのは確かだ。

 

 

 

「………まさか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな島の奥地にて。

1つの戦いが幕を閉じていた。

 

周囲に散らばるはボロボロの身体にボロボロの船。

方や殆ど無傷。

 

そんな中、呆れた様に、ボロボロの男の1人を、ある男が胸倉を掴み上げた。

 

 

「ガープやセンゴクでも連れてこいってんだ。……お前らじゃ何も面白くねェ!!」

「ッ…………!!」

 

 

ガープにセンゴク。

それは海軍の英雄と海軍の大将の名。

世界最高戦力と称される2人の名だ。

 

つまり、襤褸屑の様になっているのは海軍。

新世界の中で絶対正義を掲げ、海賊たちと戦う精鋭たち。

 

そんな猛者と言って良い男たちが完膚なきまでにやられる程の相手は――――。

 

 

 

「船長!! ロジャー船長!!」

 

 

 

時の大海賊

ロジャー海賊団

 

 

 

「島の反対側に、白ひげの船だ!!」

 

 

この世界でも屈指の実力者を揃えた猛者中の猛者。

白ひげに勝るともと劣らない男ロジャであるー。

 

 

「白ひげか。今一戦やったばかりだぞ。どうする? ロジャー」

「わっはっはっはっは!! そんなもん決まってんだろ? レイリー!!」

「……聞いてみただけだ」

 

 

白ひげの名を聞いた途端、ロジャーは大きく笑った。

そして、もう興味を失った海軍中将の1人を放り投げると、身体を白ひげたちが居るであろう場所へと向ける。

 

 

 

「ああ、久しぶりだ白ひげ。これ以上ない楽しさだ。アイツの船にゃ逢ってみてぇヤツらがゴロゴロいるしなぁ!」

 

 

 

大笑いをしていると、猛獣たちが、怪鳥たちが一声に島の内部へと戻ってきた。

それはつい先ほどまで、島の外に逃げる勢いで消えていった筈の猛獣と怪鳥たちだ。

 

それが意味するのは、当然。

 

 

「どうやら上陸した様だ。異質な気配を感じる」

「わーーっはっはっはっは! よ~~~し、いっちょやるか! 生きててこその殺し合いだ! 何せ間に合って良かった」

 

 

ロジャーはにやり、と笑った。

 

 

「おれももう、寿命(おわり)が近い。最後の最後、全力で遊べる相手が来てくれて助かったぜ、ニューゲート。さぁ、楽しもう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2つの大海賊の邂逅。

そして戦争の火蓋が切って落とされる。

 

 

 

 

先陣切ったのは当然————。

 

 

 

 

「来るぞ―――――!!」

「侍だ~~~!!」

 

 

 

 

白ひげ海賊団きっての切り込み隊長。

二番隊隊長 ワノ国の侍 おでん

 

 

「うわっ、おでん隊長待って!!」

「大丈夫だ! 宝奪えば良いか!?」

「いや、大丈夫じゃねーーって。今回の敵はいつもと全然違うんだ! ロジャー海賊団はやべぇんだって!」

「大丈夫! ボクも行ってくるから!」

「いや、ハルト! お前もか!?? いや、いつも通りなんだけども、ロジャー海賊団はヤベェんだって!! 聞けよ!!」

「ああぁもう! 全然大丈夫じゃねぇよ!! なんでお前らは こういうときに限って息ぴったりなんだ!!?」

 

 

 

そして、神出鬼没にして異常現象そのもの。

 

 

白ひげの懐刀(隠し子)

魔の王 ハルト

 

 

 

 

おでんの強烈な覇気は、当然ロジャー海賊団にも伝わる。

殺気増し増しで、触れれば斬られるとてつもない殺気の塊がこれまたとてつもない速度で突っ込んでくるのだ。

当然臨戦態勢で構える――――のだが。

 

 

「おでん二刀流————!!」

 

 

 

おでんの勢いは、それを上回る。

 

 

 

(ガン)擬鬼(モドキ)!!!」

 

『ぐわぁァァ~~~~!!』

 

 

 

剣で斬られる感覚じゃない。まるで銃弾の雨霰。銃擬きとはよく言ったモノだ。

防御に構えていた数名をなぎ倒し、更に奥へと突き進む。

 

そのおでんの初手が、ロジャー海賊団を更に警戒させる切っ掛けとなった。

無論、知らなかったわけじゃない。噂通り、噂以上。

 

 

「……噂通り、強ェぞ! 速めに止めるかレイリー」

「そうしようか」

 

 

ロジャー海賊団の中でもNo.2、No.3であるレイリーとギャバンがそれぞれの武器を手に、おでんと対峙しようとしたその時だ。

 

 

「アレが噂の侍かぁぁ!??」

 

 

どひゅんっっ!! と何かが出てきた。

 

 

「ちょっと待ってろレイリー、ギャバン! キミ達にケガさせる訳にゃいかんからな!」

 

 

はち切れんばかりの笑顔で突き進むは、ロジャー海賊団船長 ロジャーその人。

最強の男候補である。

 

 

「何だその顔」

「ただお前が戦りてぇだけだろ」

 

 

呆れつつ―――ロジャーには絶対の信頼を寄せている故に、何も手を出す事なくあの暴風の様なおでんをロジャーに任せた。

 

 

その気配をおでんも見逃さない。

否、逃す訳がない。自分に向かってきているから。

 

トンデモナイ気配が。

 

 

「――――獣の匂い!!」

 

 

自分の好む匂いを発する男に好奇心の全てを奪われる。

手あたり次第に刃を向けていたが、あの男一本に絞った。

 

 

「よう! 侍!!」

 

 

挨拶代わり、と言わんばかりにロジャーは刀を抜いた。

おでんも二刀を交差させて受けて立つ構え。

 

まずは鍔迫り合い―――力比べ! と思っていたのだが。

 

 

 

 

神避(かむさり)!!」

 

 

 

 

自分が思っていた事が、全く出来なかった。

何が起きたかさえ解らない。

 

2本の刀で受けようとしていた筈だった。

力比べなら負けない、と踏ん張った筈だった。

でも、得たいのしれない何かが、とんでもない衝撃派となって腹部を襲ったのだ。

 

堪える事など出来る訳がない。意識外の攻撃だから。

 

おでんの身体はそのまま大きく大きく、突っ込んできた時の勢いをそのままに、跳ね返されてしまったのだ。

 

そのまま彼方へ消えてしまう……事を想像していたのだが、そうはならない。

吹き飛んだおでんの身体を何かが包んだから。それはまるで光と闇で構成された? 巨人族の手。……否、それ以上か。

 

 

魔皇(まこう)()御手(みて)

「どっわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

おでんの身体を包んだまでは良かった。

でも、その後ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる~~~~と、まるで大渦に呑まれたかの様な体験をおでんはしてしまう。

目が回って回って……漸く降ろされた。

 

 

「ぅ、ぅぅん~~~……、は、はるとぉぉぉ、なに、しやがんだぃ……」

「仕方ないよ、おでん。あのまま衝撃受け流さず受けてたらもっと大変だった。衝撃逃がすのとこの場に留めるの、両方するにはこれしか無くて」

 

 

 

「あっちは、噂の赤子魔王か!!」

「!!」

 

 

宙にふよふよ~~~っと浮いているハルトの姿を視認したのはロジャーともう1人(・・・・)

 

 

「!!」

 

 

跳んできたのはロジャーではなく……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「見様見真似————かむさり!!」

「どっっぅぅぅ~~~~!!」

 

 

 

 

 

 

 

麦わら帽子をかぶった赤髪の少年。

 

 

おでんを包んだその手の様に、ハルトの周囲を構成していた光と闇で構成された大きな鎧の様なモノを切り裂き、ハルト自身にダメージが行く一歩手前程度で刃は止まる。

 

 

「お前強ぇんだな! オレはシャンクス。さぁ戦ろうぜ!!!」

 

 

はち切れんばかりの笑顔を向けてくる。

どうやら、同類な様だ。

 

つまり、戦闘狂(バトルジャンキー)

 

 

 

 

 

「――――ほほう、わがバリアを突破してくるとはな」

 

 

 

 

 

 

正直内心冷や汗モノ。

ここまでの衝撃は中々ない。

何せ、目の前の相手もよ~~~~~く知ってる。だからこそ、冷や汗をかきつつ、歓喜もしていたりする。

 

 

「しかし、無駄なこと。――――さぁ! 我が腕の中で苦しむが良い!!!」

 

 

どーんっ! と決め台詞を言ってのけたのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

「いや お前の腕、小さ過ぎるから 腕の中は無理あるんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

渾身のキメ台詞に対して、シャンクスに至極全うな、最もな意見で、それも真顔で返された。

さっきまでシャンクスは笑っていた筈なのに、楽しそうにしていた筈なのに、どうなってる? と、ハルトは顔が凄く暑くなってきた気がした。

 

 

「細かい事は気にしないっっ!!」

 

 

むんっ! と気合を一閃させる。

すると、真顔だったシャンクスは顔を歪ませる。

 

 

「っ~~~~~!! さすがっ。幼児の癖に覇王色か」

 

 

全身に叩きつけられる感覚。

それはシャンクスにも覚えがある。

 

だけど……不可解な点もあった。

 

 

「さむっ……」

 

 

悪寒がするのだ。

それは精神的なモノではない。実際に寒い。寒くなっている。

 

 

 

「これは覇王色じゃない。――――魔王色(凍てつく波動)だ」

 

 

 

と言う訳で、白ひげ海賊団 vs ロジャー海賊団

 

 

時の大海賊のぶつかり合いはまだまだ続く――――――……?

 

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