非きこもり、JDを拾う。そして、育てられる。   作:なごみムナカタ

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ようやく八幡視点に戻りました。
もう少し会話増やしたかったかな。

推敲不足ですが、取り合えず出します。
気になるところは後日修正予定。


2024.5.2 設定変更に伴い、一部追記修正
2022.12.4 本編と後書きに一部追記


非きこもり、合コンの闇を知る。【前編】

 自己紹介リズムゲームで全員の名前を把握した後、飲み物を注文する。待っている間、似戸部を始めとする男連中の視線が、俺の対面の女子に向けられていることに気づいた。

 長く背中にまで垂れ下がり、一つに纏められている青みがかった黒髪。

 この女こそ、何を隠そう俺が住み込みで雇っているJDメイド・川崎沙希その人である。

 余談だが、その隣に座るふんわりとウェーブがかったセミロング髪の女子も俺は知っていた。

 

 ……いやいや、五人いる女子のうち二人と知り合いとかおかしいだろ。穴埋め合コンで知り合い率40%って。違う言い方するなら5打数二安打の固め打ち。なぜ野球で言い換えたのかは自分でも謎。

 見渡すと、この安打二人の顔面レベルは頭一つ抜け出て男の視線も集中しているのが分かった。それをものともせず、スマホに目を落とす対面の女。その鋼のメンタルでスマホを操作する。

 

『しゅぽっ』

 

 俺のスマホにLINEメッセージが届く。

 勘弁してくれ。俺はお前みたいにメンタル強くねぇんだよ。合コン中にスマホいじるとか、今後似戸部にノート写させてもらえなくなるんだわ。

 頑なに通知を無視するが、それに不満を持った川崎はスマホから俺に視線を向けた。いや、向けるとか甘いもんじゃなく睥睨である。周りもビビりそうなくらいに圧が凄い。

 睨みながら指でスマホをトントンと叩く。『見ろ』のジェスチャーに仕方なくLINEメッセージを見てみるが、概ね予想通りの内容が送られていた。

 

【なんでいるわけ?】

[こっちが聞きたい]

 

 質問に質問で返すという吉良吉影を怒らせていくスタイルでシンプルに返答した。

 

【それと、なんでヒキタニ?】

[つい出来心で]

 

 似戸部のリズムゲームで戸惑っていたとはいえ、自ら名乗ってしまった己にびっくりしてる。

 俺の返答を見て呆れ顔の川崎に、今度はこちらから疑問をぶつけてみた。

 

[ところで、合コン中なのにスマホなんかいじってていいのか?]

【あんたもでしょ】

 

 いや、俺のはお前が強要したようなもんだろうが。文句の一つでも言おうと文字入力していると、間髪入れずに次が届く。

 

【なんか知らないけど、幹事の子に愛想良くするなって言われたから別にいいんじゃないの?】

 

 なんだその注意事項は? 普通逆だろ。

 だが、この面子を見てると妙に納得する。川崎の存在だけが『幹事MAXの法則』に反するのだ。要するに、客観的に見て幹事並みか、それ以上に川崎が美人なんじゃないかと思えるわけですよ。恥ずかしくて本人には言えないが。

 って、そんな美人さんと同居していることを自覚するとなんだか無性に気恥ずかしくなってくる。まぁ、実際は来客中に洗濯物隠したり、ドレッサーに川崎押し込めたりと、全然色気のある生活じゃないんですけどね。

 ともあれ、他に都合がつく女子がいないための苦肉の選択だったのだろう。塩対応厳守で参加させたということか。

 

[そうか。無愛想は得意だもんな]

「あ?」

 

 思っていたことをそのまま送信したら肉声で返って来た。しかも、睥睨のおまけ付き。

 俺の指摘を秒で証明する川崎に内心びびりながらも苦笑していると、ドリンクが運ばれてきた。

 

「お、飲み物きたきた。ほんじゃ、カンパイしよーカンパイ!」

 

 似戸部の言葉で川崎の睨め付けが有耶無耶になり、合コン開始の『カンパーイ!』(ゴング)が鳴り響いた。

 

 

 ぐいっとビールを一口。飲み慣れてないせいか、正直旨いと感じないがこの味が分かる頃には社畜となっているのだろうと、近い未来に思いを馳せる。

 対面の川崎も同じ考えなのか、置いたビールを不思議そうな表情で一瞥していた。

 

『しゅぽっ』

 

 その川崎からまたもLINEが届く。むしろ、今それ以外から届くとしたら家族の緊急事態くらいしか思い浮かばないので、川崎からであることに感謝すら覚える。

 

【ビールって、あんま美味しくはないね。あんたもそんな顔してるし】

[いつか『この一杯のために生きてる』って胸を張れる時が来るかもしれないぞ。その頃にはもう社畜道を邁進してそうだが]

【あんた働く気あったんだ?】

 

 さすが元クラスメイト。俺の内情を知らなければ撃てないカウンターを放ってきた。まぁこんなもの罵倒ですらないただの事実なのでダメージはゼロだが。

 

[働く気はないが、うちの両親は大学卒業した後も養ってくれることは絶対ないので働かざるを得ない]

 

 俺が両親に寵愛されていたなら生涯ニート生活が約束されただろう。だが、小町と俺の扱いの差は実子と血の繋がらない子レベルなので、その可能性はない。

 

【養われなくても働きな。ってか養うために働くもんでしょ】

 

 ぐ……物凄い正論で返す言葉が出ない。それなのに、つまらない意地のせいで大人しく従うことを良しとしない俺がいる。抵抗の証として実に自分らしく、こう答えるのであった。

 

[小町のためなら働くことも吝かではない]

 

 川崎はメッセージを見た後、しかめっ面で俺の顔を見ながら再びスマホを操作した。

 

【シスコン】

 

 それ、お前だから。なんだったら、シスコンとブラコンの両刀使い(バイ)なくせに。と、死んでも口に出来ない言葉を思い浮かべた時、横から肘で小突かれた。

 

「ヒキタニくん、スマホばっか見てないで女の子見よーぜ。なに? そんなじゅーよーなLINEなん?」

 

 おっと、幹事のオーダー通り塩対応する川崎に合わせてたら見咎められてもしょうがない。こっちにそんな免罪符はないしな。

 

「あ、いや、すまん。妹から連絡入ったんでちょっとな」

 

 話の流れから、つい小町を理由に使ってしてしまう。この時の何気ない発言をかなり後悔した。

 

「えっ、ヒキタニくん妹いるん?」

 

 似戸部の目の色が変わり食い付いてくる。お前こそ目の前の女の子見よーぜ?

 

「へー、妹ちゃんいるなら早くゆってよー。次の合コン参加かんげーよ!」

 

 その双眸は、まだ見ぬ小町に狙いを定めるケダモノのそれであった。

 貴様のようなどこの馬の骨ともつかん男に小町を紹介するわけがなかろう。見ることすら不敬に値する。

 

「やだよなんでだよ、なんで妹をお前に会わせなきゃいけねぇんだよ、でも妹と合コンできるのは嬉しいありがとう」

 

 拒絶、擯斥(ひんせき)、肯定、感謝と、無秩序に感情を詰め込んだせいで情報の処理が追いつかず、似戸部どころか周りもぽかんとしていた。

 逸早く我に返った似戸部が軽く引きながら言葉を返す。

 

「え、あ、……いやー、妹ちゃんに来てもらう合コンにはさすがにヒキタニくん誘わないっしょ……妹と合コンとか無理くね?」

「なにを言ってる! 妹一人で合コンに参加させる方がよっぽど有り得んだろうが! なんだったら合コンで意気投合した妹をお持ち帰りするまである」

「えー……、それってヤバくね? ……あ、でも兄妹で一緒に帰るだけだし合法なんか……?」

 

 普通、そう(後者)としか思わんだろ。『お持ち帰り』という言い方も悪かったが、妹相手にそんな発想をする似戸部に引くわ。

 しかし、全員が引いているのを見ると俺の方がマイノリティなの? 解せぬ。

 

 どちらが多数派かの議論は置いておくとして、大切なのは本人の意志である。この場にいない小町の言葉を伝えるべく、決して旨いと思えないビールで喉を潤してからゆっくりと告げた。

 

「下衆の勘繰りだな。そもそもお前は妹のタイプじゃない。諦めろ」

「え、妹ちゃんどんな男がタイプなん?」

 

 なおも食い下がる似戸部に対し、滔々としゃべり始める。以前小町が口にしていた好みの話を思い出したからだ。

 

「妹が好きになる人は変に律儀で真面目な浮気しそうにない捻デレだそうだ。いないだろ、そんな奴。つまりそういうことだ」

「なにそのよくわからん奴……、ってかヒキタニくん、妹ちゃんと好みについて話したりしてるん? 仲よすぎじゃね?」

「家に帰れば飯を作って待っている愛すべき妹だぞ。仲が良いのは当然だろう」

 

 そうドヤって見せたが、全員が「あ、こいつシスコンやべーな」という顔でドン引きしていることに気づいた。どんどん引き方の重度が増していく。っていうかこれ、妹の”未”を”家”に置き換えたら夫婦の惚気みたいだ。そりゃ、引かれるわな。

 内心、省みていると、またしても川崎からLINE通知が届いた。

 

【ブラコン】

 

 全く予想外な内容にたっぷりと数秒間固まってしまう。

 ブラコン? 誰が? いや、ブラコンはお前だから。

 

[俺がブラコンなわけないだろ]

 

 脊髄反射で返信すると、返って来た言葉がこれである。

 

【あんたはシスコン】

 

 確かに見る人が見ればシスコンに見られるのは仕方がないと思えなくもないが、どうにも会話が噛み合わない。俺をシスコンと断ずるなら、さっきのブラコンは誰を評した言葉なのか。

 答えを求めて文字を打ち込もうとすると、斜向かいの真鶴が口を開いた。

 

「じ、じゃあ、軽く自己紹介しただけだったし、今度はもうちょっと掘り下げよっか。リズムに乗って」

 

 そう言って会話の主導権を無理矢理奪っていく。

 雑談中ならLINEも出来ようが、リズムゲーム再開となれば漫ろに参加するわけにもいかない。先程と同じ轍を踏むことになる。追及はひとまず諦め、スマホを伏せた。

 

 ったく、誰がブラコンだよ……。

 

 

 女側の幹事である真鶴の提案に戦々恐々とする俺……と、恐らく川崎もだ。さっきの失態はまだ記憶に新しいはず。俺の『人間観察』はまだしも、川崎の『手芸』はあまりにも契約違反。こんな時は『空手』もしくは『ボディを殴る』とでも言っておけばいいのに、なぜ選択を誤るのか。

 しかし、趣味がボディブローは二つの意味でパンチが効き過ぎててやばい。川崎のボディブローが物理的に効くのもそうだが、他人(ひと)の腹でドラミングするという告白(パンチ力)が特にやばい。それは女子力以前にホモサピエンスであることへの否定。タダ飯のために川崎が人としての尊厳を捨てなくて良かったと胸を撫で下ろした。

 川崎の矜持について考察している間も、真鶴のルール説明は続いている。

 

「――で、答えた人が次の人に訊きたいお題を出す方式で行ってみない?」

 

 聞いている間、俺の表情が徐々に険しくなっていくのが分かる。

 ……別に訊きたいことなんてねぇんだけどな。この合コン自体、頭数を埋めるために参加した人助けみたいなもんだし。

 そんな事情もあって、女子たちにあまり興味も湧かず、あちらも俺をシスコン認定して引いていた。これってお互いにwin-winな関係だと思うのですよ? 違うか。違うな。

 まぁ、場を回すため、無難に答えておけばいいか。質問も同じのを引用すればいいし。

 まさに適当・オブ・テキトーと呼ぶに相応しい心構えで事に当たろうとする。

 

「今度は私から時計回りに始めましょーか。じゃ、いくよー」

 

 真鶴は左隣の女子に目配せをしてから、手拍子とコールを開始した。

 

「スリー、ツー、ワン、ごー! 就きたいお仕事」「マーケティング」

 

 俺は顔を伏せて含み笑いを隠した。自らコールし、自ら答える。初手のみ起こるこのスタイルがシュールで、どうしても笑いが込み上げてくるからだ。

 だが、ゲームが続いていくとその笑いは苦笑いへと変わる。

 

「就きたいお仕事」

「えっと、薬剤師」「就きたいお仕事」

「うーんと事務職、経理事務!」「就きたいお仕事」

「看護師です」

 

 唐突に始まった自己紹介の掘り下げは、大学生のなりたい仕事ランキングトップ10クイズと化していた。

 こういう席で話す”就きたい仕事”ってアイドルとか女子アナとか夢見がちなので場を盛り上げたりするもんじゃないの? 職選びがガチすぎて、茶化せない雰囲気が醸し出されている。

 

「就きたいお仕事」

 

 川崎以外の女子の順番が終わり、男子側にバトンが渡された。その瞬間、周りの空気が張り詰め、彼女たちは真剣な眼差しになる。獲物に狙いを定める肉食獣のようですらあった。

 これ絶対、物件としての価値測ってるだろ。質問の仕方がマジだし。せめて”将来の夢”とか暈した訊き方で遊びを作れよ。なんだったら次は志望動機とか訊かれそう。合コンの名を借りたステルス集団面接なのではと疑いを持つほど本気度が伝わる。

 そんな女子たちの熱い視線を受け、似戸部と並ぶムードメーカー山北が放った答えはこれであった。

 

「ゆーちゅーばー!」

 

 残念! 今はそういう空気じゃないんだよ。途端に女子たちの目がどんよりと曇り、表情が消えていったのがその証左だ。中には薄ら笑いを浮かべる者もいる。

 だが、山北は意に介した様子もなく、気勢を上げて質問(バトン)を渡す。もし俺が山北の立場なら、気勢を上げるどころか布団の中で奇声を上げていたかもしれない。

 次の順番に当たった松田(医学部)を不憫に思ったが、こいつの答えが場を一変する。

 

「就きたいお仕事!」

「あ、げ、外科医」

 

 女子たちの目がドロドロと腐ったものから、キラキラと輝いたものへと変わった。山北との緩急がエグい。その弛緩と緊張の振り幅たるや、郭海皇の消力(シャオリー)並み。完璧にロックオンされた松田が次の清川にバトンを渡す。

 

「就きたい職業」

「弁護士、かな?」

 

 外科医からロックオンがいくつか剥がれ、清川を捉える。

 ……お前ら分かり易いな。

 

 しかし、お前たちは大いなる勘違いをしている。

 質問内容はあくまでも『就きたい(・・・・)職業』であり、在職中ではないのだ。言ってしまえば願望を持っただけの大学生。そんな不確かな情報に食い付く彼女たちの将来が非常に不安である。詐欺とか気をつけろよマジで……。

 

「就きたい職業」

「公務員♪」

 

 バトンを受けた似戸部の答えは意外にも堅実派であった。このパリピが……公務員?

 いや、真面目に講義を受けてノート取るあたり、意外でもないのか……。合コン面子確保にその成果を消費したから印象が悪かったんだな。消費先が他ならぬ俺だし。

 

 そして、いよいよ自分の番が回って来る。すぐに思い浮かんだのが二十五歳でバッファローマン(一千万パワー)になれる夢の職業。誤解しか生まない言い方だな。年収がバッファローマンって意味ね。ただ採用倍率は三百倍なので就けるかどうか分からないが問題ない。就きたい(・・・・)職業だからな。

 

 既に答えが用意されているからか、川崎を気に掛ける余裕があった。見ると、なにやら難しい顔で思い悩んでいる。もしかして、就きたい仕事が思い浮かばない、のか?

 そういえばこいつは将来の夢とかで大学を選んだわけじゃないんだった。志望動機は家の経済的事情な部分が大きいだろうし、むしろ国公立ならどこでも良かったのかもしれない。なら急に訊かれて出てこないのも無理からぬことだ。

 

 別にちゃんと答えなくてもいいんだぞ。だが、そこは同居後に家賃・光熱費の折半を逆要求する川崎。嘘を吐くことが出来ない律儀な性格なのは明らかだった。

 そんな川崎にこんな答えもあるのだと道を指し示すべく、今からヒントを出してやることにする。

 

「就きたいお仕事♪」

「大手出版編集者()

「の?」

 

 思わず訊き返す似戸部。声には出さないが他の奴らも同じ気持ちだったはず。その先を口にするのに少々勇気がいるが、心の中で両の手を天に伸ばし、こう祈った。

 実家の小町ちゃん! オラに悠木を分けてくれ!

 

 ……勇気違いである。

 

 小町から受け取った悠木……ではなく、勇気を持って俺はこの言葉を口にした。

 

「――お婿さん」

 

 手拍子がぴたりと止まり、山北が答えた時(ゆーちゅーばー)とはまた違った空気が室内を支配した。

 久々にかつて奉仕部で味わった心地好い蔑視をひしひしと感じている。形容詞のチョイスが極めておかしいが俺にとっては平常運転だ。これも捻くれの賜物。おっ、これって小町のタイプなんじゃね? なんてな。

 

 止まっていた手拍子を自ら再開する。未だ、場の空気は酷い有り様だが、リズムを取り始めると何だかんだで皆流され追従してくれた。誰一人、場を盛り下げたいとは思っていないだろうし、ツッコむよりベターな選択だ。

 ……ツッコませるような発言をした俺が言うことではないが。

 

 そうして殿(しんがり)に控えし川崎へと水を向け、コールする。

 

「将来の夢」

 

 それを聞き、川崎ははっとした表情を見せた。なんで驚くんだよ。俺の答えで出版業界というヒントは与えたろ? 後はそこから関連業種を思い浮かべて答えればいい。広告代理店とか、Webデザイナーとか、ライターとか、色々あるよね?

 

 この時、俺は気づいていなかったが無意識に『将来の夢』とコールしていたようだ。ただの言い間違いだったのか、『編集者のお婿さん』が職業というより夢なのかもと無意識で訂正したからか。

 

 どちらにせよ、この言葉の変化が俺の思惑とは違う結果を齎すことになる。

 リズムに乗ろうと慌てて口を衝いた答えが、まさにそれであった。

 

「お、お、お、お、お嫁さん?」

 

 ――そっちかい。

 参考にされたのは『編集者』の方ではなく、『お婿さん』であった。

 

 本来、就きたい職業の答えは他人と被ってもいいはずだ。むしろ人気の職業なら被らない方が不自然といえる。しかも酒の席での会話だし、嘘でも問題はない。

 だが、良くも悪くも川崎は真面目であった。

 

 本当に就きたい職業を考えて答えようとしていたが、些細な質問の変化――将来の夢――で虚を突かれてしまう。軽くパニックに陥った川崎は、俺の『お婿さん』発言に引っ張られ、咄嗟に出たのが『お嫁さん』なのではないだろうか。

 その証拠に川崎の顔は言い終えた後、急速に赤らんでいく。顔ばかりか耳やデコルテまで真っ赤にしている様子から、羞恥具合が見て取れた。追い打ちを掛けるように周り(主に男側)から歓声が上がり、より一層赤味が増していく。とても望んで答えた反応ではない。

 それにしても照れてる姿がまたなんというか……うーん、これは女子社会から弾かれて当たり前ですわ。美人さんが普通に可愛い反応しちゃうのは良くないなって思います。

 

 なんにせよ場が盛り上がったのだから結果オーライに思えるが、これって無愛想条約違反にならないの? 男に受けるの禁止なのに全力でアピっちゃってるんですけど。

 ほら、真鶴の顔かお。笑顔なのに目が笑ってねぇよ、こえーって。

 

 不安を抱きつつも、合コンはまだ始まったばかりなのであった。

 

 

 

つづく




いかがでしたでしょうか。

次々とオリモブが出現してしまい、収拾に困ってしまいます。
次回からはもっと沙希との絡みを増やしますのでご勘弁ください。

『実家の小町ちゃん! オラに悠木を分けてくれ!』 はメタネタ過ぎたと反省している。

ちなみに、似戸部が妹を紹介してとせっついてきたところ八幡が返した「やだよなんでだよ、なんで妹をお前に会わせなきゃいけねぇんだよ、でも妹と合コンできるのは嬉しいありがとう」は、原作12巻164pで葉山に返した「やだよなんでだよ、なんでお前の言葉伝えなきゃいけねぇんだよ、でも気持ちは嬉しいありがとう」のオマージュでした。
『うーん、これは女子社会から弾かれて当たり前ですわ~』の件も12巻からです。このSSを読んでくださっているサキサキ好きには言わずとも御存じでしょうけどね。

書いてる時にこうやってちょいちょい原作参考にして拾ってくるんですけど、二十五歳編集者(年収一千万)も10.5巻からです。

参考を探している時に、その10.5巻の60pでいろはが「先輩。編集者おすすめですよ、編集者」と言ったくだりが、56pの「わたし、編集者と結婚します」と相俟って、いろは式逆プロポーズになってるんだなぁと、にんまりしてしまったのは内緒。


それでは次もお楽しみに。
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