METRO BATTLE for LIFE   作:五式荒鷲 

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初投稿です。


序章
プロローグ


・トンネルの気温が下がっていく。ミラーと僕、そしてM4は地表に近づきつつあった。もうじき吹きすさぶ風の中へと出て、そこで待ち受けている悪夢と戦うことになるだろう。この長い旅もあと少しで終わる。だが僕に、最後まで見届ける勇気が、残されているのだろうか?

 

 

 

「おい、アルチョム。自分の駅を出発した時に、こんなところに行き着くなんて考えたか?世界を救おうとしているのか、地獄に落とそうとしているのかも分からずに……?」

 

 先に梯子を上っているミラーが後に続く僕に語りかける。そして一度止まって上からM4の声がするとミラーが梯子を登りきる。最後に僕が梯子を登りきろうとした時、運悪く梯子の留め具が外れた。

 

「危ない!」

 

梯子が外れ落ち、僕も落ちそうになるがすんでのところでM4が僕の腕を掴んでくれた。

 

「よし、掴んだぞ!」

 

 ミラーももう片方の手を掴んで二人に引き上げて貰ったがその途中でM4のカラシニコフ2012が地下に落ちてしまった。

 

「大丈夫か?」

 

 僕は頷いて答えた。

 

「そうか……。カタリナ、予備の銃はあるか?」

 

「大丈夫です」

 

 M4はホルスターからリボルバーを取り出してミラーに見せる。

 

「………もう少し進めば仲間と合流できるはずだ。その時に予備の銃を取れ」

 

「はい」

 

「よし、行くぞ。軍の前哨基地を抜けなければ地上には出られないからな、アルチョム」

 

 そう言ってミラーはエアロックに近付くと身を屈めて人差し指を口に当てる。

 

「隣の部屋で何かが動いてる。ゲートを空けろ、アルチョム。カタリナは私と援護に回れ」

 

 ミラーが小声で僕とM4に指示する。僕は指示通りにエアロックのスイッチに向かう。クモの巣が邪魔だったのでライターで燃やしてからスイッチを捻る。すると、エアロックが音を当ててゆっくり開くがすぐに止まってしまう。

 

「はぁ……ここはなんでも壊れているな。補助ハンドシステムでゲートを開けよう」

 

 ミラーはため息をつきながら僕に指示を出す。僕は言われた通りにスイッチの横にあるハンドルを掴むと右回りに回す。2、3回程回すと屈んで通れるくらいにエアロックが開いた。ミラーが先にエアロックを通って安全を確認すると僕とM4もエアロックをくぐる。

 エアロックをくぐると目の前に照明の点灯装置があった。点灯装置のレバーはすべて下に下げられていたので僕は全部のレバーを上げる。すると僕達が進む先へ電灯が一つずつ点灯する。

 

「敵影なし。アルチョム、そこのロッカーにある弾薬を拾っておけ。ここに来るまでにかなり使っただろう?」

 

 僕は頷いてロッカーから5.45㎜弾が納められている弾薬ケースを取る。ついでにそこにあった救急キットから薬品が充填済みのスポイト型注射器を抜き取って自分の救急キットに入れ直す。弾薬と注射器を取るとロッカーの隣に取り付けられているオレンジ色のガスマスク入れからガスマスク用のフィルターを二つ見つけた。手持ちのフィルターは少なかったが僕はフィルターをミラーとM4に渡すも二人に断られる。

 

「私はお前達と分かれてる間の道中で予備を確保している」

 

「私はこの作戦前に前哨基地の方から多めに貰っていたのでアルチョムが持っていてください」

 

 僕は渋々頷いて予備のフィルターの入ったポーチに入れる。

 

「よし、進むぞ」

 

 そう言ってミラーは目の前の穴を飛び越えて先に進む。僕達も飛び越えて進むと黄色いライトが点灯して開いているドアに入る。その先の階段を進むと僅かに開いたドアがあり、そこから風ともミュータントの呻き声にも似た音が聞こえてきた。ミラーはドアを少し開けて外の様子を伺う。

 

「もうすぐ地上だ。アルチョム、予備の弾倉に弾を込めろ。カタリナは来た道を警戒してくれ」

 

「了解」

 

 僕はついさっき拾った弾薬ケースから弾を取り出してカラシニコフ2012用の箱形弾倉に弾を込める。マガジン一つはフルロードできたが中途半端に残っていた弾倉に弾を込めるも数発の空きできてしまった。仕方なく半端に残ったマガジンをマガジンポーチに差し込んでフルロードした弾倉をカラシニコフ2012に装填する。

 

「準備はいいか?」

 

「はい」

 

 僕も頷いて答える。

 

「よし、ガスマスクを着けろ。…………行くぞ!」

 

 僕達がガスマスクを着け終わるとミラーはドアを開けて先に進む。階段を登り終わるとどこかの建物のエントランスに出た。建物に開いた穴からは月の光が射し込んでいたが外は吹雪のせいで先が見えない。

 

「もう少しでオスタンキノ・タワーに着くはずだ……!!。二人とも、武器を構えろ!奴らが来るぞ!」

 

 そう言ってミラーは手にしているレールガンを構える。僕も壁際によってカラシニコフ2012をM4はリボルバーを構えた。そしてミラーがいる壁を見ると建物の二階でミュータントの影が動いていた。

 その直後、呻き声と共にミュータントがミラーに飛び掛かる。ミラーはレールガンで撃ち落とすと近くで動き回るミュータントに数発撃ち込む。僕とM4も近くに降りてきたミュータントに5.45㎜弾と44口径弾を撃ち込んで倒していく。数体のミュータントを倒すとそれ以上襲ってくるものはいなくなった。

 ミラーは出口を塞いでいる網目のドアを引っ張るが建て付けが悪くなっているのか開かない。

 

「カタリナ、回りを見張ってくれ。手を貸せ、アルチョム」

 

 僕はカラシニコフ2012のスリングを腕に通して肩に掛けるとミラーと共にドアを引っ張る。

 

「ふぅぅっ!くっ!せいっ!」

 

 ミラーは呻き声を上げながら引っ張る。そして僕とミラーはどうにかドアを引き倒した。それと同時に僕は後ろに倒れてしまうがすぐに起き上がってカラシニコフ2012を手に取る。

 

「行くぞ!」

 

 ミラーが先に外に出ると僕とM4も外に出る。外は壊れた車が乱雑に放置され枯れ草と枯れ木が所々に生え、そして辺り一面を雪が覆って吹雪が吹き荒れていた。

 

「見えたぞ、アルチョム、カタリナ。我々のゴールは目と鼻の先だ」

 

 僕は上を見上げるとこれまで見た建造物の中でもひときは大きい建物が僕達が進む先にそびえ立っていた。もう少しでエキジビションにいるアレクセイやみんなを、救える!

 

「『応答願う………ウルマン、応答願う。どうぞ』」

 

 すると前を歩いているミラーからヘルメットに内蔵されている無線器に通信が入る。

 

『はっきり聞こえてます、大佐。どうぞ』

 

「『塔に到着した。繰り返す、塔に到着した。一団は移動したか?どうぞ』」

 

『はい、連絡を取りました。彼らは既に塔に近くにいます。どうぞ』

 

 どうやら前哨基地の増援が塔の近くにいるようだ。これならM4の武器を手に入れることが出来そうだ。

 

「『了解。塔の最上階に到着したらまた連絡する。その後、こちらの位置を確認してくれ。ミラー、通信終了』行くぞ、他の連中も来ているはずだ」

 

 僕は頷いてミラーのあとを追う。近くからミュータントの鳴き声や雷の音が聞こえてくるがほとんど吹雪の音に書き消される。僕達は小走りで先に進むと突如横からライトの明かりが現れる。僕は腕で光を遮るがすぐ後ろに引き倒される。その直後に目の前を機銃砲塔を搭載したトラックが通り過ぎた。

 どうやらM4がぶつかる直前に後ろに引き倒してくれたようだ。

 

「大丈夫、アルチョム?」

 

 M4はそう言って手を差し出す。僕は頷いてその手を取って起き上がる。

 

「おい!怪我はないかアルチョム!」

 

 通り過ぎたトラックの反対側からミラーが駆け付けてきた。僕は頷いて手を上げて無傷であることを示す。すると、トラックから完全武装のレンジャーが降りてきた。

 

「どうも、大佐。それと君、怪我は?」

 

 僕は首を振って無傷であることを伝える。

 

「はぁ、そうか、よか「おい!今の聞こえたか!?……ほら!」」

 

 突然、トラックの機銃砲塔に乗っているレンジャーが僕達が目指す塔とは違う方向を指差す。

 

「ありゃ何だ……?」

 

 僕達も彼が指を差す方を見ると何か大量の足音が近付いて来ていた。ミュータントの鳴き声も同時に聞こえてくる。

 

「陣形を整えろ!」

 

 ミラーの指示に回りにいる僕らやレンジャー隊員はトラックの近くに移って陣形を組む。僕はカラシニコフ2012に装填している残弾の少ないマガジンをもう一つのマガジンと交換する。M4もリボルバーから空薬莢を取り出してクイックローダーで弾を再装填する。装填が終わって顔を上げると大量のミュータントが僕達を円を描くように囲みながら走り回っていた。僕は引き金に指を掛けて引こうとする。だが、

 

「『慌てるな!』」

 

 ミラーの言葉を聞いて冷静さを取り戻す。

 

「『みんな、背後には気を付けろ……。ああ……図書館の時よりも厳しくなりそうだ……』」

 

 僕は深呼吸してミュータントがどこから来ても対処できるように備える。すると、ミュータントが何体かこちらに近付いてくる。

 

「『構えろ!』」

 

 僕は目の前に唸り声を上げて威嚇してくるミュータントに銃口を向ける。そして、

 

ガァァァァァッ!

 

 僕は雄叫びを上げるミュータントに引き金を引いた。それを皮切りにミュータント共が襲い掛かってくる。

 

「『クソッ!撃ちまくれぇ!』」

 

 僕や周りにいるM4やレンジャー隊員は向かってくるミュータントを倒していく。だが、数が多すぎる。

 

「ギャァァァッ!」

 

 隣にいるレンジャー隊員がミュータントに首を噛み付かれ引き裂かれる。僕はレンジャー隊員を襲っているミュータントにありったけの弾丸を浴びせるもすぐに弾切れになった。すかさずリボルバーに持ち変えようとしたが死角からミュータントに吹き飛ばされて、その衝撃でリボルバーを取り落としてしまう。そして、僕を吹き飛ばしたミュータントが僕に襲い掛かかろうとしたがそれに気づいたレンジャー隊員が僕に向かってくるミュータントを倒してくれた。

 

「デーモンだ!」

 

 僕を助けてくれたレンジャー隊員は塔の方を指差して叫ぶ。その方向にはデーモンが数体、飛びながらこちらに近付いて来ていた。僕は急いで近くの崩れた建材の影に隠れるも、目の前からデーモンが迫って来ていた。そしてデーモンは重機関銃を撃っているトラックの機銃砲塔を掴むと僕を助けてくれたレンジャー隊員を押し潰すようにトラックを倒した。機銃砲塔は倒れた方向に転がって行き、その方向からデーモンが僕に襲い掛かかった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 悪夢から目を覚ますと僕はすぐに起き上がって周りを見渡す。それはいつもと変わらない僕の部屋の中だった。最近、毎度のことこの悪夢にうなされてる。でも、目を覚ますと覚えているのは最後、ミュータントに襲われそうになるところだけで、しかもそれは朧気で何がどうなっているのか分からない。

 僕はため息を吐きながら着替えを済ませると朝食を摂る。そして趣味で集めている絵はがきを見たり、戦前の小説を読んだりして駅の警備の時間まで暇潰しをする。あと数日もしたらハンターが久しぶりにこの駅にやって来る。僕はハンターが来るのを待ちどうしにしながら今日も駅の警備に向かう。

 

 

 この時、僕は想像できるはずがなかった。ハンターから重要な役目を担うこと。そして、僕の故郷だけでなく、メトロ全域の未来に関わる選択を迫られらることになるとは………。




初投稿です。(2回目)
誤字脱字はできるだけ修正します。
指摘等色々あると思いますがご容赦してくれると幸いです。
また、キャラの一部(と言うかM4)に関しては今後名称を変更する予定です(ミラー大佐を見ながら)。

ミラー「(・_・) ?」


2021/9/24 追記
会話時のみ、キャラの名称を変更。
M4→カタリナ

2022/10/27 追記
誤字修正 及び 一部文章を変更しました。

2022/11/29 追記
誤字修正


次回の投稿予定日は9/25です。

次回からAR小隊が登場するのですがAR小隊視点の会話もいれた入れたほうがいいですか?

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