エキジビション駅
2033年〇月△日
・今日は久し振りにハンターに会い、ハンターから絵ハガキの土産も貰った。土産はすごく嬉しかったがその後の戦闘のせいで現状を打破する方法を聞くことが出来なかった。ハンターから絵ハガキを貰った後、ノサリスが通気口から侵入したがハンターと女性レンジャー達のお陰で食い止められた。ただ、同じ時間に監視所をダークワンの攻撃で破壊された。今までよりも大きな被害を
朝になってもハンターは戻ってこなかった。僕は正直こんな大任を果たせる人間じゃないし、アレクセイにもやめたほうが良いと言われたがそれでもハンターの信頼を裏切りたくはなかった。
女性レンジャー達と共にポリスへ向かう方法を考えながら朝食を取っている際に親友のユージーンから、明日リガ駅へ運ぶ物資の護衛任務にもう一人人員がいるらしく、それで僕に声をかけたようだ。僕はユージーンの誘いを引き受けた。そうでもしないと次に故郷のエキジビション駅を出れるか分からなかったからだ。朝食を食べ部屋に戻ると、明日の準備を始めた。
最後に女性レンジャー達にこの事を伝えるため兵舎に向かうとどうやら彼女達も同じ話を聞いたらしい。だが、それでも一人しか乗れないらしく4人の中から最初に僕に話し掛けてきた『カタリナ』と名乗る女性レンジャーが参加するようだ。他の3人は別のルートでポリスを目指すと言った。
兵舎を後にした僕は夕食を食べて眠りに就こうとするも、初めて駅の外へ出ることの不安とハンターから頼まれた事の重圧でなかなか眠れなかった。
結局、あまり眠れられなかった。僕は朝食を食べると持ち物の確認をしてもう一眠りすることにした。そして、聞き慣れた親友の歌い声で目を覚ました。
「準備できたか?…………はぁ、まったくマイペースな奴だな、そろそろ物資の積み込みが終わる。武器庫で武器と装備品を貰って準備してこい。あとアルチョム、忘れ物するなよ?」
そう言ってユージーンは部屋を後にした。僕はベットから立ち上がると、テーブルの上に置いていたリボルバーをホルスターに入れて44口径弾と通貨替わりの軍用弾、そして日記と革製の日記入れ、食料と工具等が入ったリュックを持って武器庫に向かった。
武器庫に向かう途中に知り合いの夫婦と出会ったが、今日は子供を連れていなかった。
「アルチョム頼む!息子が病気で薬を買わないといけないんだが弾があと2発足りないんだ。時間がかかるかもしれないが必ず返すから!」
僕は頷いてポケットからバラの軍用弾薬2発を出して彼に渡した。
「ありがとうアルチョム!恩に着るよ!」
僕は頷いてから武器庫に向かった。少し歩いてから振り返ると、彼は僕に手を振っていたので僕も手を振って答えた。武器庫に行くと武器の管理を任されている親父さんがカウンターの前に立っていた。
「よう、アルチョム。武器がほしいんだってな、すぐに準備するよ」
そう言って壁に立て掛けていたサブマシンガンを手に持った。
「5.45㎜サブマシンガンの『バスタード』だ。アーモリー製だが反動は大きいし命中精度も悪く銃身もオーバーヒートしやすいから“バカマシンガン”って呼ばれてる。使い方は分かるな?」
そう言って親父さんがカウンターに置いて差し出してきたので受け取る。久し振りに持ったので少し感触を確かめてからスリングをとおして肩に掛けた。
「ショートバーストで使えよ、弾も少し持ってけ」
親父さんは弾丸が装填されたバスタード用の保弾板を2つ置いて、それを受け取ってマガジンポーチにしまった。
「後はガスマスクと軍用の治療キット、それに万能充電器も忘れるな」
最後に出された3つを身に付けると、親父さんは最後に忠告してくれた。
「アルチョム、銃があるからってボサッと頭を出してると殺られるからな。気を付けて行ってこい」
僕が頷くと親父さんは右手の親指を立てた。僕も同じように右手の親指を立てて返すと、武器庫を後にしようとしたが立ち止まって昨日拾った空薬莢を親父さんに見せた。
「なんだ、ただの空薬莢じゃないかって…………おい、アルチョム。こいつをどこで手に入れた?」
僕は一昨日、病院の奥にあるバリケードからハンターと共にやって来た女性レンジャーが使っていた銃の空薬莢だと親父さんに伝える。
「ふーむ…………お前さんが嘘をつくとは思えないし、空薬莢も錆一つない新しいものだし、本当のようだな。…………それで、アルチョム。お前はこれの何が知りたいんだ?」
僕はその空薬莢の弾薬がバスタードに使えるか聞いた。
「無理だ。こいつは5.56㎜弾、5.45㎜弾を使うバスタードには使えん。規格が違うからな」
僕は少しがっかりしたが時計を見ると出発の時間が迫っていた。
「そろそろ時間だろ?さっさと行ってこい。それと、アルチョム。こいつを見せるのは信用できる奴だけにしておけ、いいな?」
親父さんから空薬莢を返してもらうといつもと雰囲気の違う親父さんの忠告に頷いて武器庫を出た。
駅に行く前にアレクセイの執務室によって、執務室のドアを叩くとアレクセイの声が聞こえたのでドアをあける。アレクセイは昨日と同じように書類を作っていた。
「もう行くのか?」
僕は頷いて答えた。
「そうか。…………アルチョム、お前がハンターを尊敬していることは知ってる。でもハンターのようなレンジャーと私達の生活は違うんだ。ハンターにポリスに行くよう頼まれたようだが任務が終わったらすぐに戻ってこい」
僕は頷いて執務室を出た。初めてアレクセイに嘘をついた自分に嫌悪感を抱きながらも、輸送隊のいる駅の出入り口へ向かった。
「おーい、アルチョム!こっちだ!」
出入り口に着くとユージーンが僕を呼んでいた。呼ばれたほうに顔を向けると、そこには女性レンジャー達全員が集まっていた。
~1時間前~
朝早くに朝食を食べた私達は宿舎に戻ってポリスまでの計画を練ることにした。
「まずはこの駅から次の駅に行かないといけないけど・・・」
「今日は輸送隊が2つ先のリガ駅まで物資を輸送するみたいだが、護衛に付けるのは後1人だけと言っていたからな」
「下手に別れると合流が難しくなるけど、仕方がないか」
仕方ないとはいえ、私1人が先に向かうことになったが出来ればみんなも一緒に連れていきたい。
コンコンッ
すると誰かがドアを叩いた。私達は何だろうと見合わせて私がドアを開くと、帽子を被り髭をはやした中年の男性が立っていた。
「やぁ、私はボリスって名前のものだ。すまないが手を貸してもらえんかね?」
「どう言った内容のことですか?」
「輸送隊の護衛についてもらえんかな?実は今日輸送する物資が手違いで増えてしまってな、新たに4人護衛を担当する人員が必要になったんじゃよ」
それを聞いた私達はすぐにその依頼を引き受けた。
「助かるよ。それと出発は1時間後じゃ」
そう言ってボリスさんは去って行った。これでポリスにみんなで行けると思った私達はすぐに準備をしてからリガ駅に着いた後の行動について少しだけ話し合った。その後、出発10分前にボリスさんが来て駅の出入り口に案内して貰い、そこで私達が乗るトロッコの操作を説明してもらっている途中に彼がやって来た。
~現在~
僕は驚きながら近づくとボリスが何故彼女達がいるのか答えてくれた。
「実は手違いで物資が増えてしまってな、護衛の人員を増やすことになって彼女達に協力を仰いだんじゃよ」
何という偶然だろう。彼女達をポリスまで連れて行くよう言われた僕としては好都合だった。
「さて、君達は前のほうに乗ってくれ。アルチョムと私は後ろだ」
僕はボリスに連れられてユージーンが先に乗っているトロッコに乗った。前の貨車のほうを見ると、物資の積み込みがあと少しで終わりそうだった。
「やぁ、リガに行くのかい?」
すると若い男性がボリスに話し掛けた。
「そうじゃよ」
「なら乗せてもらえないか?」
「いいとも、ただしタダじゃあない。トロッコのレバーを押すのを手伝ってくれ」
「はは、もちろんさ」
そう言って若い男性は僕の向かい側に乗った。それと同時に物資の積み込みが終わった。
「よし、残った者たちに幸運を。それに儂らにもな」
ボリスがそう言うとトロッコがゆっくりと走り出した。若い男性もレバーを押してトロッコを走らせる。
「ようやく他の駅を出る覚悟ができたのか、アルチョム?」
ボリスが笑いながら言う。僕は頷くが本当は昔、勝手に駅の外へ出た時にアレクセイにバレてこっぴどく叱られた。その時からアレクセイは僕が駅の外へ出ることをなかなか許してくれなかった。
「やったな、アルチョム!ついに自由だぞ、リガまではな。きっと楽しいぞ!少しの危険はあるだろうけど、それも悪くない」
ユージーンの言葉に僕は頷いて返す。でも、リガ駅はそれほど遠くないし、さほど危険はないと僕は思っていた。
この時、僕はまだ理解していなかった。故郷の駅を出るということの意味を。そしてその意味をすぐに理解することになる。
ここまで2年前に書いてたもの(プロローグを除く)を手直ししたものです。
また、今回から2週間おきにこの時間に投稿しようと考えています。
ですが、タグの通り不定期更新なので予定日よりも早く、または遅く投稿するかもしれませんが楽しみにしてもらえると幸いです。
次回の投稿予定日は10月15日です。