護石王と追剥少女   作:夢現図書館

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鬼火纏いしウラガンキン

 

 

「此処か……」

 

 砂原の一角。其処にヘビィボウガンを背負った1人のハンターが来ていた。

 

「此処に奴が現れる……‼︎」

 

——俺は今、噂となっている『護石王』を討伐しに此処、『砂原』に来ている。公表された情報によるとその護石王ってのは爆鎚竜の突然変異による特異個体だと言う。然も取り分け危険であり立ち向かった連中は皆々、敗退して行ったと聞く。あの二つ名として恐れられる『宝纏』を上回る危険性を有しているそうだ。

 

「はっ、たかがウラガンキンと侮ったな」

 

——金属の塊野郎を相手に近接武器で挑むなんざ馬鹿のやる事だろーが。馬鹿馬鹿しいぜ……‼︎ だからこそ、この俺が討伐して一気に名を上げてやる‼︎ これ以上、狩猟制限がキツくなる前に仕留めて……モテまくってやる‼︎ それに『護石王』って言うんだからな……護石やらも大量に持ってんだろ?ハッハッハ‼︎ 特異個体の素材に加えて護石も手に入るってんなら一石二鳥じゃねぇか‼︎

 

 そのハンターは意気揚々と言った心持ちでかの護石王が現れるのを待ち侘びていた。その為、前準備として荒れ果てた大地の崖の間にある箇所は細く大型モンスターの通り道になる場所に落とし穴を仕掛けておき、その左右にも予め大樽爆弾を設置している。落とし穴に嵌めた後に起爆し更にボウガンによる火力砲撃で短期決戦に挑む様である。作戦としては悪くは無いだろう。何せ相手は特異個体であり、長期戦は危険な事に変わりは無いからだ。

 

——特異個体と雖も恐らく水属性が弱点の筈だ。物理弾は心許ないが、属性弾は通る筈だ。一先ず、あしひきの山砲の御車を担いで来た。ネルギガンテと言う奴は知らないが……背中付近はまるで攻撃が通じないと考えて良いだろう。

 

「それよりも、気になるのがギルドで他のハンター達が話していた内容だよな」

 

——何でも『追剥』が散見しているらしい。クエスト完了後にギルドのある町や村に帰還途中で、襲撃を受けたと言う報告が多数、寄せられている様だ。モンスターでは無く、ハンターでも無いらしい……となると盗賊の類……。いや、追剥か。しかし、完全武装したハンター相手に追剥をやろうだなんて馬鹿な真似は早々居ないと言いたい。何せ狩場となる場所はモンスターが跋扈している。プロのハンターでさえ一瞬のミスで命を落とす環境だ。野盗如きなど、蹂躙されて終いだ……しかしながらハンターが犯人と言う線は薄い。最も非公式ハンター……つまり密猟者の連中の場合は可能性はある。あの連中は非公式故に表立って行動は出来ない筈だからな。追剥をして、戦利品を強奪と言う線も無くは無い。

 

「受付嬢からも『追剥には充分注意して下さい』って言われていたんだよな。となると、相当深刻な問題かも知れない」

 

——噂によるとギルドナイトも本腰を入れているらしい。おー、怖い怖い……対人ハンターって噂だし……と言うか逆にギルドナイトが……そんな筈は無いか。むしろあって堪るかい。

 

 その時、轟音と共に地響きが鳴り響く。土砂が弾け砕ける音。その音を聞き、ハンターは耳栓をしてボウガンを構えて照準を合わせる。護石王の咆哮は通常種や二つ名とは格段と強く、振動が発生する程の轟音。モロに喰らえば陸に動けずに仕留められる。そうして、顎の鉄槌を食らい頭を粉砕されて命を落としたハンターも多い。ヘビィボウガンと言う機動力に劣る武器で遠距離で戦うと雖も油断は出来ない。

 

「来い、護石王‼︎」

 

 断崖の裏手から巨大な山の様なモンスター、護石王ウラガンキンが遂に現れた。

 

——って、何か聞いていた話と全然違うんだけど……?

 

 護石王ウラガンキン。背中の突起物は金剛棘の様なモノがズラりと並んでいるのは当然話に聞いていた通りではあったが、両足付近に紫色に燃え上がる焔が纏わり付いている。この紫色の炎に関しては完全なる初見であった。

 

「あ、クソ……眼前で止まりやがった……‼︎」

 

——落とし穴を見抜くって聞いて居たが、本当だったか‼︎

 

 護石王ウラガンキンはハンターが仕掛けた落とし穴の手前で立ち止まり、周囲を見渡す。そして岩壁付近に走る亀裂に視線を向けた。こうして、ハンターとウラガンキンの攻防が始まる……。

 

 

 




 護石王の扱う状態異常
 火属性やられ、睡眠、裂傷、爆破やられ、腐食やられ、鬼火やられ(NEW)
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