『火山』
それは遍く溶岩が流れ出て行く極限の環境。荒れ果てた裾野に生息するモンスター群も、世界観から見ても強豪揃い。吹き荒れる熱気と灼熱の溶岩は踏み入れる者達に業火の試練を課す。凡ゆる物を融解させる溶岩はハンターの防具を焼き焦がし、肉体を消耗させる。
だが、その火山地帯には危険度は折り紙付きではあるが対価として貴重な鉱石物や希少な昆虫類と言う素材も数多く存在する為、ハンターや炭鉱夫がソレらを求めて危険を承知で赴く土地である。
このように何も何処の火山地帯も危険地帯である事に変わりは無く、火の国に至ってはしょっちゅう、滅亡の危機に瀕している。生息するモンスターも危険度が一際高い者が多い……。
そんな、中……更なる危険度を誇る火山地帯が確認された。なんと、『護石王』が寝床にしている火山地帯が確認されたのだ。『二つ名特異個体』で、数多くの挑戦者を亡き者、引退に追い込んだ爆鎚竜ウラガンキンの特異個体。怒りの鉄鎚を喰らい葬られた者は数知れず、である。
その火山地帯は地殻変動が発生し、大規模な構造の変化が発生している。そして生態系も激しい規模で変貌を遂げており危険度も大幅に上昇した、そしてギルドはこの火山を『特異火山』として呼称するのであった……。
『今日は稼いだな〜』
活火山である『特異火山』の奥地。絶えず溶岩が流動しては大河の様に流れる場所。溶岩の海が広がる場所にある中規模の小島の様な場所が我らが『護石王』の寝床であった。
——ハンターは活火山にも平然と侵入して来るのは分かりきっている。プレイヤーでも火山の中に平然と入ってくる事に疑問を覚えたわ。マリオじゃあるめぇのに、良くやる。じゃなかった……ハンターや炭鉱夫の事だ。鉱石、護石目当てなのは分かっている……‼︎ この一級護石鑑定士を舐めるなよ?人のお守りを強奪しようなどとはそうはさせるか‼︎
『護石王』は護石の原石を集める事はハンターズギルドには発覚している。そうなれば、護石を求めたハンターや炭鉱夫が現れるのは目に見えている。だが、『護石王』は並のモンスターでは無い。故に、溶岩の海の上に中規模の小島を作り、其処に集めた護石の原石や鉱石を溜め込む『宝島』を作り上げたのだ。如何にハンターや炭鉱夫がクーラードリンクをガブ飲みしようとも、溶岩の海を越える事は叶わない。入った直後、1乙は確定であるからだ。新大陸のハンターならば、翼竜で来ようと思うが生憎と此処には翼竜種は居ない。居るのは翼蛇竜のガブラスだけである。
そして、今日。『追剥』を目撃した後、馬鹿2名を放置した『護石王』はこの宝島に戻ってきて集めた鉱石類を篩い落として溜め込んだ。
『『匠』、『業物』、『鈍器使い』、『鬼火纏』……ハンターならば誰もが欲しがるラインナップと言えるな』
他にも『ドラグライト鉱石』を始め『ピュアクリスタル』や『竜骨結晶』、『エルトライト鉱石』、『黄金骨』、『金のたまご』と言った物も回収して溜め込んでいる為に殊更、宝島感が増している。
『しっかし、あの追剥……どーっか、で見た事ある様な雰囲気を纏っていた気がすんだよなぁ〜』
そんな中、『護石王』は追剥をしていた小さな人間の事が脳裏に過ぎった。アレが初対面であり過去に会った事は一度も無い。なのに、偉く印象に残っていた。
『うーん、考えても仕方ねぇな。この広い世界で、遭遇する確率なんて物欲センサー並みに低いしな……』
『ちわー、ガブラス新聞でーす』
そんな時、1匹のガブラスが『護石王』の前に降り立って行く。と言うか何処ぞの居酒屋の様なノリであった。モンスターの癖にどうやって紙面を取り扱ってるのかさっぱり分からないが気にしてはダメなのだろう。コレもラギアクルスの所為である(冤罪)。
『おー、今度はどんなニュースなんだよ……』
・道場破り、入門者、大歓迎‼︎ 『ラージャン道場』
・『クック塾』が新学期を迎えました。
・『アトラル炭鉱』と『ブラキ炭鉱』の関係悪化の兆し‼︎ 其処へ『ザザミ炭鉱』と『タロト金鉱』が殴り込む‼︎
・ガブラス新聞の新社長にミラボレアスが就任‼︎
・『赫猿王ラージャン』への挑戦権と優勝賞品『キリンの蒼雷角』を賭けた『力の祭典』の参加受付開始‼︎
内容を要約するとこんな感じとなる。ツッコむ所しか存在しないが、大体は事実である。
『何だよ……炭鉱同士で揉めてんのかよ。と言うか、ダイミョウザザミとマム・タロトが殴り込みを仕掛けて、四つ巴の戦争状態かよ。うわー、巻き込まれたくねぇな……暫くその辺の火山に行きたくねぇな』
何事も情報は必要な事なのである。その為、『護石王』は戦争が起こりそうな地域は暫くは避けておこうと考えるのであった。