走れトレーナー   作:ゴールデンウィーク

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怪我で走れなくなったサイレンススズカに代わってトレーナーが出走!?



重くならないように改変しました。
小説初投稿です。
稚拙な文章、熟語の誤用等大目に見ていただければ幸いです。
所々時系列が歪んでおりますがご容赦ください。(○○の後に○○記念があるのはおかしい、等。)


第1話

沈黙の日曜日ーーー

それは多くのウマ娘に、いや、彼女を知るすべての人々に衝撃をもたらした。

サイレンススズカは翌日病院で目を覚ました。大怪我をしたとは思えないくらいいつも通りの表情で目の前にいる俺に微笑んできた。

 

彼女の話を聞くと、「やり切った」らしい。

確かに俺たちの目標はJRAファイナルズの優勝だったが、それ以上に彼女が追い求めていた「向こう側」を見ることができたのが満足だったようだ。なら良かった。笑顔で終われるなら良いことじゃないか。

 

トレーナー「お前が満足なら、俺も満足だ。」

そういうとサイレンススズカは更に笑顔になった。横に来るようせがまれるとなんと肩にもたれかかってきた。前まではこんなこと一切なかったのに。

 

しばらくそんなことをしていると、急にスズカが話しかけてきた。

 

スズカ「トレーナーさんとたくさん練習してたくさん勝利を勝ち取りました。全てやり切りました。大体満足しました。だから早く他のウマ娘のトレーナーになってもらっても構いません。私はもう大丈夫です。トレーナーさんには生活があります。私のことは気にせずトレーナーさんの新しい景色を歩んでください。」

 

スズカがそう言うのには理由がある。スズカは学生だが俺は大人だ。働いて、お金を稼がなくちゃならない。トレーナーという役職は、ウマ娘と契約してそのウマ娘の出走報酬や獲得賞金の一定割合を報酬としてURAファイナルズから支払われることで生計が成り立つ。

担当ウマ娘が主要大会で1着を取るようなことがあれば担当ウマ娘共々莫大な報酬を手にすることができる。

逆に担当ウマ娘がいない、または担当ウマ娘が一度も出走しなければ報酬を貰うことはできない。

 

目の前にいるウマ娘はちょーーーーすごいウマ娘なので俺もかなりの金額を貰ってはいるのだが、彼女の怪我はそれこそ治すのに年単位で考えなければいけない怪我だし、治ったとして再び走ることができるかどうか分からない。

もし俺がサイレンススズカ以外のウマ娘と契約しなければこれまでに貰った報酬が俺の一生分の収入になる。流石にそれだけでは生活できない。

 

それでも、俺はスズカを見捨てることができない。確かに彼女は学生だ。別に今とは関係ない進路ならこんだけ端正な顔立ちの子だ。引く手数多だろう。それでも彼女自身の心は満たされない気がした。速さを求めて、求め続けた子だ。妥協してお金を貰うためだけにこれからの人生を費やせるとは到底思えない。俺がスズカを見てあげなくちゃいけない。でも、何年も待ってあげられるだけのお金なんて持ってない。

じゃあ、どうすれば…、

 

 

そのとき、俺の脳裏にありえない選択肢が浮かんだ。

 

 

これを聞いたら気でも狂ったか、と思うだろう。でも別に狂ってないさ。本当にウマ娘になるわけじゃないからな。いや、それでも充分狂ってるか…

 

トレーナー「スズカ、俺とお前が歩み続けられる選択肢があるとしたらどうする?」

俺はスズカに問いかける。

スズカ「トレーナーさん、その選択肢はダメです。トレーナーさんは優しいから、私のために自分を犠牲にしようとしています。でも、それはダメです。私のことなんか忘れて他のウマ娘の所でいっぱいお金を稼いで…」

やっぱりスズカは気付いて無いようだ。必死に俺に問い掛けてくる。

 

 

さーてと。

覚悟はもう決めた。

俺はバ鹿だ。

大バ鹿者だ。

だからこそ、こんな奇跡の選択肢が浮かんだんだ。

スズカ、いつかお前に見せてやるよ。本当の『向こう側』ってやつを。

 

トレーナー「スズカ」

ゆっくりと彼女の名を呼ぶ。途端、スズカの話が止まり俺の目を見つめ直した。

 

トレーナー「俺が…になる」

スズカ「えっ、今なんて…」

どうやら聞こえなかったようだ。もう一度言ってやる。

 

トレーナー「俺がウマ娘になる」

 

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