今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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競馬のことを全く知らなかった俺でも、ツインターボ師匠に限っては以前から知っていた。
そんな俺がアニメ2期で「ツインターボっているのかな。いるならば、どんな感じで出るのかな。」と思って拝見したときの衝撃ったら……ねえ?


第14話:時速70キロの駆けっこ(後編)

「……ブライアン先輩。どうしても皆を代表して、あなたに一言言わせていただきたい。」

「何だ?」

 

 

 

 

「少々、大人げないのでは、ないか?」

「……」

 

……言われてみれば、そうかもしれない。

中等部に入ったばかりの娘達を相手に、高等部の自分が、つい本気を出してしまったのだから。

 

「……私に本気を出させる程、お前達は凄かった……ということだ。」

「できれば、目を合わせてから、もう一度同じ発言を、していただけるだろうか?」

 

へとへとのくせにやけに突っかかるじゃないか、面白い……と、内心で軽く開き直りつつも、ブライアンは走ったばかりのレースを振り返っていた。

 

ーーー

 

「ターボも走る!さっきそっちの娘が投げてた槍なんて、ターボなら余裕で避けちゃうもんね!」

 

ブライアンの乱入を三人が受け入れた直後、「ターボも走るー!」と、更なる乱入者が現れた。

無謀ともとれる行為に、周囲を含めて門前払いの空気が流れるが、シグマが気付く。

 

 

 

 

「今、『槍』……と言ったか?」

 

この娘には『見えている』。

 

「え?槍で合ってるよね?」

「うむ。……良いかな?皆は。」

「構わんぞ。」「ええ。」「おっけー。」

 

シグマの問いに、3人が肯定の意を示す。

 

「ふっふっふ。皆、この『ツインターボ』の走りに驚くのだ!」

 

 

 

 

ーーー

 

「……確かに驚いた。驚いたが……」

「あそこから、更に追込をかけてくるということは……」

「……ないんじゃないかなあ?」

 

先程と同様の中距離での勝負。

「審判なら引き受けるよー!本当はマヤも走りたいけれど、入学式で疲れちゃったから今日はやめとくね!」と、小柄なウマ娘の申し出を引き受け、

 

「ゲットレディー!」

「だありゃああああ!」

 

5人での勝負を開始……するや否や、ターボがシグマをも更に越えるスピードで飛び出す。

あまりの速度に面食らうも、全員が『ああ、これは……』と、即座に理解。ターボの存在を抜きにして、自分達の走りに集中する。

 

 

 

 

……1000メートルを越えた所で、予想通り早々にバテてヘロヘロになったツインターボを4人が抜き去った。

 

「加速とスピード『だけ』は目を見張るものがありましたわね。」

「うん。これが短距離での勝負だったら、ひょっとしたかもね……」

 

3人で走った時と似たような展開でレースは進んでいる。

シグマが先頭、その後ろをマックイーンとテイオー、更に少し後ろでブライアンが様子を伺う……という状況。

 

3人はブライアンに意識を向けながら走る。

明らかに様子を伺っている……つまり、それだけの余裕がある、ということでもあった。

 

「気に入りませんわ……ね!」

 

最初に火が点いたのは、先のレースで勝利したマックイーン。

誰が相手でも勝ってみせる……その強い気持ちが、早いタイミングで膠着状態を動かした。

 

「!…マックイーン!?」「え、もう仕掛けるの?」

最終コーナーに入る前でスパートに入ったマックイーンの様子に、前を行くシグマと並走していたテイオーが動揺する。

 

 

 

 

『セオリー通りに走っては、ブライアン先輩の思う壺でしょう。ならば、そのセオリーをさっさと畳んでしまうまで!』

 

『差し』を許さず、先にゴールを駆け抜ける。マックイーンが一気に集中力を高め、シグマに迫ろうとしていた。

 

 

 

 

『……そこを通していただけるかしら?』

『私がその質問に頷いたことが、一度でもあったかな?』

『そうでしたわねえ。ふふっ。』

 

迫るマックイーンと、それを阻止せんとするシグマ。

 

『ーその槍、私に投げたらブライアン先輩への分が無くなるのではなくて?』

『……そこまで意識しているのか。』

『相手はブライアン先輩だけではない。あなた達も倒さなければなりませんもの。』

『なるほど、理解したよ。 ……今の君が、相当【掛かっている】ということを、な!』

『!!!』

 

シグマの手から、槍が『突き出された』。

慌ててそれを避けるマックイーン。そして……

 

『一度見た技だ!それが通じると思うなよ!』

『わわっ!』

 

同じくスプリントを仕掛けたテイオーに槍の切っ先を向け、牽制する。

 

『君達にはここで少々油を売っていてもらおう!』

『甘いですわ!そんな余裕、私が打ち砕いてあげます!テイオー、シグマに仕掛けますわ……ツープラトンを!』

『え、何それ?』

『……本当に掛かってしまっているようだな……』

 

マックイーンの暴走で、冷静さを取り戻すシグマ。

二人への牽制は忘れず、呼び掛けた。

 

『さて、ここで2つの選択肢がある。1つは【彼女】を抑えること。もう1つはこのレースに勝つこと。……君たちならどちらを取るかね?』

『両方に決まってる(ますわ!)』

『……愚問だったな!おしゃべりはこの辺でお開きといこうか!』

 

 

 

 

三人が自分の走りに集中しかかった、

 

ーーーその直後だった。

 

 

 

 

『……そのまままとまってくれていた方が好都合だったのだが、まあいい。』

『……!!!』

 

 

 

 

突如と3人の意識が、『暗闇』に覆われる。

そこから姿を現したのは……

 

 

 

 

『協力して私を倒しにかかる……こともなく、全員があくまで勝利を狙うつもりとは……いいぞ、そうでなくてはな。

 

……もらうぞ。』

 

 

 

 

ブライアンがおもむろに右手を振り上げる。

そして……

 

 

 

 

『……くっ!』『遅い!』

 

 

 

 

シグマが槍を投げつけるよりも早く、拳を地面に叩き付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中々見所のある奴らだ。だがまだまだ……?」

 

先頭に立ち、最後のスパートをかけようとした所で、ブライアンが後ろからの様子に違和感を感じた。

 

 

 

 

3人とも、全く勝負を諦めていない。

 

直接『閃光』のターゲットにしなかったマックイーンとテイオーはまだしも、ぶち当てた筈のシグマは……

 

 

 

 

「……運が良かったのか、あるいは意図的に逸らした、とでもいうのか……

……フン、まあいい。」

 

やることは変わらん、とばかりに、全力でスパートをかける。

 

 

 

 

「ゴールイン!」

 

ゴールの位置で控えていたマヤノトップガンが、ブライアンの勝利を宣言した。

 

 

 

 

ーーー

 

「奢ってやる。お前達、何か食いたいものは……」

 

 

 

 

「……ブライアン……?何だい……この状況は……?」

「……アマさんか。見ての通りだが。」

「見ての通り、じゃないだろうがあ!」

 

気分が良いので先輩らしくさせてほしいのだが……と、話しかけようとしたところで、我に返る。

 

 

 

 

……今日の自分の仕事は、そういえば……

 

「今日から寮に入る娘達だっているんだよ!それを、アンタって奴は……!」

「……」

 

先輩らしくするには、この状況をどうにかせんとな……と悩む、ブライアンだった。




レースは一旦終了。
上手く書けていれば良いのですが

【追記】
とんでもないミスをかましていたので修正。
一番やっちゃいかん奴……ホンマ失礼しました。

【更に追記】
ヒシアマ姐さんの口調が全然違ったので訂正。
メイン4話で結構出てきてくれて助かったわ。
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