今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中) 作:R主任
「……と、いったところだ。」
「そうか……」
生徒会室。
新入生達を対象とした食事会やレクリエーションも一通り終わり、食堂では余った食料について、フジキセキが声掛けした者達がお礼として食べたり、容器に入れて部屋へと持ち帰っている。
ブライアンが、シンボリルドルフに今日のレースについて報告を行っていた。
最初は明日で良いじゃないか……と渋るも、好機到来だ、ニンジンジュース自腹を免除してやるぞ?との一言に、折れて今に至る。
「有望な奴は他にもいるかもしれん。だが、私が走った限りでは、やはり3人……4人か?は、中々面白そうな連中だった。」
ーーーツインターボ。
「あの加速とスピード……
走り方もペース配分も滅茶苦茶だが、ある意味自分の長所と武器を弁えているとも言える。
トレーニングやコーチングによっては化けるかもな。」
ーーートウカイテイオー。
「『軽やか』に走るんだ、とにかく。
本人は何も考えてないんだろうが、ポジショニングやコーナリングに関しては既に一流かもな。あれで駆け引きを覚えれば、会長、あなたにも匹敵するかもしれん。
……気になるのは『才能に恵まれ過ぎている』点か。ああいう奴は怪我が怖そうだ。」
ーーーナイトシグマ。
「あんなに『生意気』な新入生は初めてかもしれん。
逃げている癖に、後ろの連中のアタックに『見えてるのか』って思える程的確に対応してくる、小賢しい奴だ。
姉貴程の冷静さはまだ持ち合わせていないようだが、場数こなせば恐ろしいことになりそうだ。……あと、1つ気になったことがあるが……後にさせてもらう。」
ーーーメジロマックイーン。
「『名家のお嬢様』なんてイメージは今日にでも捨てた方が良さそうだ。
既にG1で走らせても通用しそうな程に逞しいぞ、あれは……『勝つ自分』をしっかりと描いてレースに臨める奴だ。スタミナも根性も十分にある。
ただ、今の自分の走り方をなまじ熟知しているだけに、想定外の状況には弱いかもしれん。」
今度試してみるかな……とうそぶくブライアンに、苦笑を浮かべるルドルフ。
「仕方ない、無罪放免ということで。ニンジンジュースは勘弁してやろう。
……ところで、シグマの時の『気になったこと』というのは……?」
「ああ。さっき『アタックに対応してくる』と言ったが……」
状況を細かく思い出そうとしながら話すブライアン。
「今日のレースで私はあいつらに、反応する猶予も与えずスパートを仕掛けた……筈だった。」
「……」
「……その完璧だった筈のスパートにも、対応してきたんだよ。あの『騎士』は。」
「ほう……」
「無意識なのか、奥の手なのかは分からんが……とにかくあいつは『何か』を隠し持っている。」
「今の内から潰しておくべきかな?」
「まさか。会長こそ、私の話を聞いてとても良い表情をしているが?」
「仕方ないだろう。許されるならば一日千秋とばかりに、私の方も早速勝負してみたい位だ。……いや、今週か来週になってしまうかな?」
ルドルフとブライアンが笑い合う。
……ルドルフの方は、言葉遊びをブライアンに気付いてもらえず、少しだけ心の中で凹んでいたが。
と、入り口の扉がノックされる。
「エアグルーヴだ。失礼する。」
「遅い時間までご苦労様。」
「それはお互い様だろう。……さて、本日も入学式にいらっしゃったカール学園から、今年も数名トレーナー研修生が派遣されるとのことだ。」
エアグルーヴが報告に入る。
2人は黙って、それを聞こうとしていた。
チームは「スピカ」「リギル」「カノープス」「シリウス」「ポルックス」「アンタレス」「レグルス」の7チームを想定。