今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中) 作:R主任
【追記】これ書いてから有償ジュエル買ってスタートダッシュの10連(サポート・ウマ娘両方)回したら、後者で出たのが
スズカとライス(通常)
暫く変な笑いと震えが止まりませんでした
数年前から、カール学園からトレーナーの研修生を、トレセン学園では受け入れていた。
……そもそもウマ娘のトレーナーとというのも、非常に就くことが困難な職業である。地域単位でライセンスが必要であり、その中でも中央のライセンスとなれば、膨大なコーチングの知識量と「センス」、そしてウマ娘達との「相性」が大事になってくる。
その為、特に若くしてトレーナーの資格を得た者達は、研修期間中に他のトレーナーの下について様々なことを学ぶのが通例となっていた。
「……研修生の一名は、チーム『アンタレス』の黒沼トレーナーの下で研修を行い、順調であれば『引き継ぎ』が行われる予定です。」
「そうか……」
エアグルーヴの報告に、少しだけ寂しそうな声色を混ぜて頷くルドルフ。
チーム『アンタレス』。
コーチの厳しい指導の下、怪我や指導についていけない等の理由で、非常にウマ娘達の定着率も低いチームである。
だが、それに耐えて『精鋭』となったウマ娘達はレースで結果を残し、黒沼トレーナーとの信頼関係も厚い。が……
「……1年、いや半年も現場に立ち続けるのは難しい、らしいな……」
ブライアンが呟く。
黒沼が、初期ではあるが難病を患っている……という報告が、前年度の学園内の定期検診後に極秘事項として上がってきた。
本人とも確認・話し合いの上、実績も高いチームの解散を学園としても避けるべく、今回のような措置をとることとなった。
「一件落着、といきたいが、果たして新人の若いトレーナーくんが、あの黒沼トレーナーからの引き継ぎに耐えられるかな……?」
「その辺りは一応、向こうの校長から『彼なら大丈夫です』とのお墨付きを貰っている人材ではあるようなので……」
「あとは、チームのメンバーと溶け込めるかどうか、だな。」
現在、アンタレスの中心メンバーであるミホノブルボンやアドマイヤベガ達は、揃って長期のリハビリ中だった。
「手並拝見、といったところだな。10年に1人の逸材となってくれるか、はたまた1年に10人はいるような『痛つ材』となるか……」
「……冗談でも後者にはなってほしくないな。というか、そういう連中の整理も必要かもしれんが……」
「……??」
エアグルーヴだけがイマイチ要領を得ないまま、話は進んでいく。
「実際、『ポルックス』のトレーナーも確かカール学園の出身だっただろう?」
「ああ、あいつか……」
「『ポルックス』……」
前年度、トレセン学園で最も多くの勝ち星を手にしたのは、今ここにいるメンバーも所属するチーム『リギル』。そして、それに対する最大のライバルが、オグリキャップをエースとするチーム『シリウス』だった。
……だが、『勝率』という側面に焦点を当てた時、浮かび上がるのがチーム『ポルックス』である。
アンタレスのトレーナーとは違い、指導面においては特に悪い意味での目立った噂は流れては来ない。ウマ娘達の実力も間違いなく一流であった。
一方で……
「サイレンススズカやライスシャワーは、今年は走れそうなのか?」
「は。その二名は順調に回復し、問題無いとの報告が入っています。ただ……」
「ただ?」
「……『ポルックス』のトレーナーが、事故の影響で二度と全力で走れなくなった、とのことです……」
去年のレース中、2人のウマ娘が大事故を起こしたが、本人達の一歩間違えば予後不良になっていた程の状況を、『ポルックス』のトレーナーが咄嗟にレース場に乱入し、自身の体を張っての機転でいずれも大事にはならずに済んでいる。
……むしろ、今のエアグルーヴの報告を受けて……
「……あのトレーナー、確か『複雑骨折およびアキレス腱断裂』していたよな?
それも、2度も。
……それが、何故『二度と全力で走れなくなった』という程度の報告内容なんだ?大して時間経ってないよな?」
「いや、それどころかあの男……
……その前の年も『再起不能』って報告、上がってなかったか?」
「……」
三者三様に『訳がわからない』といった様子で沈黙する。
とにかく、チーム『ポルックス』の周辺には、不可解なトラブルが絶えず発生していた。
世間では非常に人気のあるチームである一方、いつしかトレーナーを筆頭に『呪われた集団』という噂が、一部学園内のウマ娘達の間では流れていた。
「学園内には私設のファンクラブまであるらしいがな。あの男。」
「顔立ちの良さは、下手すればアイドルにも匹敵しますからね……」
話が横道に逸れかけたところで、ルドルフが続ける。
「まあ、閑話休題、今年も我々リギルの最大のライバルとしては、シリウスとポルックスが肩を並べる、といった腹積もりで良さそうかな?」
「いや……そいつらも勿論大事だが、まずは……『スピカ』だな。」
「ああ、そうだったな。」
昨年の日本ダービー。
クラシック三冠の一角、その栄光を手にした……
「『スピカ』の『ウイニングチケット』。奴の快進撃を阻むことが、まずは一番の目標だな。」
「おハナさんも悔しがってたからなあ。」
「今年は、逆に向こうのトレーナーを歯ぎしりさせてやらんとな。」
先程の沈黙から一転、今年の様々なレースに思いを寄せ、気持ちを昂らせる3人。
「ブライアンが報告してくれた連中共々、今年のレースも群雄割拠、熱いものになりそうだな。」
「果たして今年は三冠バが生まれるか、それとも……」
「私達も出走するレースでは、常に勝利を目指さねばな。」
時間を忘れ、生徒会室ではその後も3人が暫く話し込む様子が続くのであった。
チケゾーとゴルシの勧誘コンボに耐えられる奴はいない。
そして普段のチケゾーゴルシのテンションに耐えられる奴もいない。
というかチケゾーと沖野Tって結構相性良さそう