今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中) 作:R主任
「で、何故私に黙っていた?」
「待て待て姉貴!説明よりも前にイダダダダダ!」
ポーカーフェイスでボストンクラブを仕掛ける姉と、本気で痛がる弟。
姉と同じ銀色の短髪、快活そうな男前が、鼻水も出しながらの百面相で台無しである。
「オ、オレがあの学校に行くつもりだったのは姉貴だって分かってただろ!それに下宿については、母ちゃんに相談したら速攻でメジロに話付けてくれたんだぜ!」
「……そうだったのか。」
技を解かれ、こうなるのは分かってたんだよチクショー、とぼやきながら、極められていた腰をさする火丸。
「あの学校はそれなりに入学が難しい筈だが、その辺りは大丈夫か?」
「へっ、それに関しては何も心配ねえって。むしろ姉貴こそ、トレセン学園に入れるか自分の心配をした方が良いんじゃねえか?」
「……全く。」
幼少期から自分達が受けてきた教育を脳裏に、互いに笑みを浮かべる。
「まあ、ウマ娘達に混じって走ったり遊んだりできる人間も、中々いないからな。」
「……昔っから姉貴やメジロの連中に振り回されてきたからなあ。」
運動面の素質優れていたとはいえ、長年ウマ娘、それも由緒あるエリートの遊びに付き合い続けてきた「ヒムちゃん」。
身体能力の違いに当初は凹んだり打ちのめされながらも、負けん気とプライドを胸に努力を続けた結果、彼女達の遊びについていける程度の能力を身に付けていた。
「で、母ちゃんにはどうすんのか伝えたのか?」
「いや、これからだ。……お前はどうするべきだと思う?」
「そんなん決まってるだろ!オレの姉貴がメジロの奴らもぶっ倒して、一番をとるのを見せてくれよ!」
一点の曇りもない表情で告げる弟に、自然と笑みを浮かべる姉だった。
ーーー
「……『コマゴメ』の者が、トレセン学園に入学するそうです。」
「「……!!!」」
母・『有美』が告げた事実に、衝撃を受ける二人。
「コマゴメ、ってえと……あいつだ!姉貴にそっくりな!」
「……ふむ、あいつが中央に来るというのか。」
幼少期に何度か会い、その度に自分への対抗意識、ともすれば憎悪ともとれる感情を自分へと向けていた存在を、シグマは思い出していた。
「コマゴメにキサラギが後れをとるようなことは、我らが父様の為にもあってはならないことです。
シグマ、分かっていますね?」
「承知しました。」
「へっ!コマゴメもメジロもぶっ倒して、親父を喜ばせてやろうぜ!」
直接戦うわけではないのにテンションを上げて宣言する息子と、事務的な返答と裏腹に闘志を燃やす娘の様子を、母親は穏やかな気持ちで見つめていた。
親衛騎団「キサラギ家」。
祖父:フェンブレン(フェンブレン→フェブラリー→2月→キサラギ)
母:アルビナス(有美さん)
母の異母兄妹:マキシマム(コマゴメ家)
母の旦那:ハドラー様
母の実弟:ブロック
双子の姉(ウマ娘):シグマ
双子の弟:火丸(ヒム)
脳内でプロットがぐわんぐわんしているのを吐き出すとめっちゃスッキリする。