今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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第29話:結成!覇王華撃団!①

「さあ!今日もボク達の栄光をより確固たるものとすべく、皆で頑張ろうじゃないか!」

「その通り!栄光への序曲を奏でる為に、まずは日々の努力を怠らないことだ!」

「おお!やはり君は良く分かっているじゃないか!そう!覇王たる者が覇王であり続けるには、何よりも研鑽と鍛練あってこそ!決して風車小屋に決闘を挑むようなことにはならぬよう、己自身を正しく導くことが求められるんだ!

トレーナーもターボ君も、その小さき体に秘めし闘志は、既にボクのそれに勝るとも劣らない素晴らしいものだ!ぜひ共に、この世の中を光で照らしていこうではないか!」

「了解(りょーかい)!」

「「はーーーっはっはっはっは!!!」」

 

 

 

 

「……何なんだ、あれは……」

早朝の競技場に響く、高笑い。

 

ウォーミングアップに訪れたシグマの目の前に、何とも個性豊かな3人の姿が見えていた。

関り合いにならないよう、距離を置いて自主トレを始める。

 

 

 

 

「……しかし、女神様も中々お節介なことだ……」

数日間の学校生活を経て、マァムから貰った『女難に注意!』のアドバイス(メモ)について振り返る。

 

改めて自身を客観的に分析する。

ウマ娘は例外無く美少女であり、シグマはその中でも『凛々しい』顔立ちを誇る。その上で、騎士道精神に則った振る舞いを学園内で普段から続けていれば……

 

 

 

 

「……中々こういう時間をとるのも難儀なものだな……」

 

 

 

 

モテる。

マックイーン達と一緒の時は問題ないが、今後のトゥインクル・シリーズの為の視察や、チームの見学を行おうとする時に同級生から話しかけられるのは、できれば遠慮したい……というのが本音であった。

 

 

 

 

「おや?あなたは確か『ナイトシグマ』さんですね!」

 

ランニングを行っていたところ、同じく1人のウマ娘から声を掛けられる。

 

 

 

 

「貴女は……『サクラバクシンオー』殿か。」

「おおっ!私のことをご存じとは!」

 

あからさまに『嬉しいです!』という感情を全身で表現するバクシンオー。

 

 

 

 

「新入生の中で、皆にとても親切に接する模範的な生徒がいる、と聞いてました!今日も朝から自己研鑽とは、とても感心なことです!」

「……そのような評判が流れていたのか。光栄なことだ。」

「私の知らないみんなの情報はありません!何てったって私、学級委員長ですから!」

 

はっはっはっはー!と笑うバクシンオーの姿に、『ああ、この人もそういうタイプか……』と理解するも、顔には出さないシグマ。

一方で、今自分がやろうとしていることを考えた時、目の前のサクラバクシンオーというウマ娘がどういう存在なのかを理解し……

 

「ところで折角の機会だ。貴方にお願いしたいことがあるのだが……」

「おお!新入生からのお願いごと、断る理由がありません!何てったって私、学級委員長ですから!」

 

 

 

 

「……あの木を目印に、競争して貰えないだろうか?

 

『1200メートル』を。」

「……ほほう?」

 

 

 

 

バクシンオーの雰囲気が変わる。

1200メートル、つまり短距離での勝負を、この私に挑もうというのか、と。

 

 

 

 

「言っておきますが、私、手加減なんてできませんよ?」

「元より手加減などされては意味がないのでね。」

「……良いでしょう。受けてたちましょう!この学級委員長の名に懸けて!」

 

ーーー

 

「……やはり強い。」

「ご覧いただけましたか!これこそが、バクシン的勝利です!」

 

勝負はサクラバクシンオーが5バ身差を着けての圧勝。

 

「というか貴方、明らかに短距離のレースに慣れていませんよね?」

「仰る通り。普段走っている距離とは異なるのでね……全力の貴方に対して少々無礼なお願いだったかもしれない。許してほしい。」

「いえいえ!私も思いっきり走れて楽しかったので!」

 

生徒のお役に立てました!これは今日も1日、良い日になりそうです!と笑顔のバクシンオー。

 

 

 

……と、

 

 

 

 

「「「はーーーっはっはっはっは!!!」」」

「ちょわっ!?」「……」

 

競技場の一角に、勝負を終えたにも関わらず高笑いを続けている集団がいた。

 

 

 

 

「むむむ……これは少々良くないかもしれませんね!」

「え……?」

「風紀の乱れにも繋がりかねません!ここは一つ、学級委員長でもある私がビシッと注意してきます!」

「いや、できれば止めておいた方が……」

「レッツ、バクシーーーン!」

「……」

 

 

 

 

『レグルス』に一直線に駆け寄っていったバクシンオー。

 

そして……

 

 

 

 

「「「「はーーーっはっはっはっは!!!」」」」

 

「増えてる……」

 

 

 

 

……とりあえず、逃げよう。

そう思い、シグマは振り返ることなく競技場を後にした。

 

ーーー

 

「『世界平和の道も、身の回りの秩序を正し、人々を笑顔にする為に皆で笑うところから』……素晴らしいです!このサクラバクシンオー、皆さんの考えにいたく感服いたしました!」

「嗚呼、バクシンオー先輩!貴方ならばボク達の考えを理解してくれると分かっていたさ!ぜひ『レグルス』の一員として、共に覇道の道を歩んでくれたまえ!」

「ターボ君、このサクラバクシンオーさんは、先行逃げきりという走りにおいては学園でも右に出る者はいないほどのスペシャリストだ!これ程頼もしい存在は無いぞ!」

「おお!ならば、将来ターボがバクシンオーさんを越えれば良いんだな!」

「ちょわ!?こ、これは頼もしい一言……ですが、簡単に負けてはあげられませんからね!」

「素晴らしい、素晴らしいじゃないか!こうしてボクら一人ひとりが互いに命を賭して高め合うことが、最後に悪の神々をも打ち砕く聖戦の幕開けにも繋がっていくのだろう!『獅子』の挑戦は、これからも続いていく、そうだろう?」

「よしっ!新生チーム『レグルス』改め『覇王華撃団』、再び今日より発足だ!」

「おおー!」

「『覇王華撃団』……良いですね!」

「華麗に、優雅に、更なる高みを!」

 

「「「「はーーーっはっはっはっは!!!」」」」

 

 

 

 

「……あのー、オペラオーさん?」

「ん?どうしたんだいドトウ?」

「えーと、そろそろ支度しないと、始業時間に間に合わないんじゃないかなー、って……」

 

 

 

 

『覇王華撃団』、発足1分で解散ッ!




華撃団に所属しているのが『サクラ』『バクシ』……

違うんです!わざとじゃないんです!
でもバクシンオーを所属させずにはいられなかったんです!

【修正・追記】
ターボの手本となるバクシンオーの走りを短距離→先行逃げきりに修正。
アオハルでチームに加わるまでターボの得意距離がマイル~中距離じゃなくて短距離だと完全に勘違いしてました……
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