今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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本作で一番キャラ壊しちゃってるのって間違いなくドーベルだと思うの


第30話:結成!覇王華撃団!②

チーム『レグルス』発足後、オペラオーと子岸が珍しく真剣な様子で話し合いを行っていた。

 

「トレーニングメニューの見直し?」

「うむ。改めてオペラオー、キミの練習スケジュールを見させて貰ったが、幾つか改善すべき点が見受けられた。」

「何だって?ボクの唯一無二たる覇王への輝かしい歩みにおいて、思わぬ死角から鎧の隙間に刃物を突き出される……そんな嘘のようなことが起こりうる、とでも言うのかい?」

「……残念だが。あ、神社への参拝に関しては、学園内でも話し合って『こちらの方が良い』という案を思い付いたので、それを後で聞いてほしい。きっと納得してもらえる筈だ。」

「ふぅむ……キミが言うのであれば、楽しみにさせてもらうとするよ。それで、他にも何か不味い点がある……とでも言うのかい?」

 

 

 

 

「飛び込み。」

「?」

 

飛び込みの何が不満なんだい?と聞き返す前に、子岸が続ける。

 

 

 

 

「……オペラオー。キミ、泳げないだろう。」

「……」

「飛び込み自体は悪い選択じゃない。ただ、泳げないのに飛び込みを続けるのは……下手したらキミ、何処かで溺れるぞ?」

「……」

 

子岸の指摘に、返す言葉が出てこないオペラオー。

 

「……ポセイドン王や、海底の様々な神秘をも魅了して支配する筈のボクの計画は完璧な筈……それなのに、まさかそんな恐ろしい罠が待ち受けていただなんて……これでは女神も、木こりに斧を返してすらくれないのではないだろうか……」

「……」

 

 

 

 

いや、最初に気づこう?という突っ込みは控える子岸。

 

 

 

 

「……しかし、それではボクはどうすれば……」

「……安心してくれ。飛び込みを行いつつ、溺れる心配も少ない、そして超強力な効果を得られるという方法を、『メジロドーベル』さんと『メジロライアン』さんから教わってきた!」

「な……なんだって!?」

「幸いにも、このボクが少々体を張って協力する必要があるらしいが……その位であれば問題ない!」

「嗚呼……やはりキミはボクにとって至高のトレーナーだよ!きっとその足も魚のまま天に上げられるようなことも無い筈だ!」

「よし!そうと決まれば早速試してみようじゃないか!」

 

ーーー

 

「……で、どうして我々がプールに呼ばれているんだ?」

「なんでもドーベルさんが『私、途轍もないものを産み出してしまったかもしれない……』と、ライアンさん共々私に声をかけてきたので……」

 

「……マックイーン、1つ……質問させてもらいたい。」

「なんですの?」

「私を道連れにしたな?」

「……お母様や火丸さんは元気にしていらっしゃるのかしら?」

「話題を逸らすのは止めたまえ」

 

シグマの追求をスルーするマックイーン。その横にはライアンとドーベルも並んでいた。

そして、反対側のプールサイドにはツインターボとサクラバクシンオー。『レグルス』トレーナーの子岸はプールの中で浮き輪をつけて浮いている。

そして、飛び込み台に立っているのがテイエムオペラオー。

 

 

 

 

「……1番高い位置からの飛び込みではないのか……?」

 

シグマが違和感に気づく。

立っている台の位置が、真ん中である。『飛び込み方』を披露するのであればともかく、あの高さで行うべきは『飛び込みの練習』ではないのか。

 

「トレーナーさんがいる位置も良く分かりませんわね。というかあの位置では丁度ぶつかってしまいますし、危険なのでは……?」

 

マックイーンが続ける。

受け止めようとしているのか?いや、それならば飛び込んだ後に横からヘルプに入る方が遥かに安全なのに……

 

 

 

 

「こちらはいつでもいけるぞ!」

子岸が叫ぶ。

「はーーーっはっはっはっは!今からボクは、海と空、その双方を虜にしてみせようじゃないか!

とうっ!」

 

 

 

 

「「あ、危な……!」」

 

オペラオーが、真っ直ぐに飛び込んでいったのは、他でもない子岸に目掛けてであった。

思わずシグマとマックイーンが叫ぶ。

 

次の瞬間、

 

 

 

 

ゴッ!

 

「……うわっ……え、えええ!?」

 

冷静なシグマが取り乱すほどの光景。

オペラオーは、子岸の頭に額から頭突きを当て……その場で回転し、再び頭突きを繰り返す。

 

「な、何ですのあれは!?」

「驚いた……本当にモノにするとはね。」

「ライアンさん!?」

「あの場でヘッドバットを繰り返しながら、徐々に上空への推進力をも高めていっている……オペラオーの体幹、そしてバランス感覚の成せる技ね。何より水面でそれを受け止め続けているあの『レグルス』のトレーナーも……たいした根性と体力ね。」

「……」

 

 

 

 

「(元凶はあなたの弟さんでしょうが!ドーベルさんに変なことばかり教えて!)」

「(私に言わないでくれ!)」

 

ドーベルのしたり顔に小競り合いを始める二人。

それを余所に……

 

 

 

 

「と、飛んだー!?」

 

ツインターボが指を差しながら驚愕する。

何度目かの頭突きの後、オペラオーが子岸の頭を両足でロックし、上空へ子岸もろともアクロバティックに不規則な回転をしながら舞い上がっていく。

 

そして、回転は下降状態に入っても続き……

 

 

 

 

「いくぞトレーナー!」

「応!」

 

「あ、あれはーーー」

 

 

 

 

バシャアアアン!

 

 

 

 

「決まった!」

「これぞ、『アステカセメタリー』!」

「「……」」

 

もう帰りたい……と思考を放棄したシグマとマックイーン、そして水面に叩きつけられた子岸と叩きつけたオペラオーを見て、教えた技が完璧に再現されたことを喜ぶライアンとドーベル。

 

ーーー

 

「いやあ、これは凄い練習だよ!流石はトレーナー!」

「いやいや、ボクはサポートしただけさ!モノにしたオペラオーが凄いのさ!」

「「はーーーっはっはっはっは!!」」

 

 

 

 

「ところで、ボクらは今どこで会話をしているのかな?」

「……何だか周囲の景色がだんだん……空に向かっていってないかい?これ。」

 

 

 

 

「二人ともしっかり!」

「AEDは!?」「もう使ってる!保健室から先生呼んできて!」

「なるほど!臨死体験によって根性を鍛えているのですね!」「そんなわけ無いだろう!」

「ターボにもできるかな?」「できません!しません!やらせません!」

 

……プールサイドが一部を除いて地獄絵図と化す中、天に引っ張られながら会話するオペラオーと子岸の魂があった。

 

なお、無事に二人とも蘇生したが、学園からは即日、危険な飛び込みを禁止する通達が発せられたのだった。




オペラオーがシナリオでプールへの飛び込みやってるのにスタミナ練習でビート板を持っているのが悪いと思うの
あと『アステカセメタリーやるならワタシの方が適任デース!』って叫びが聞こえるけど黙殺
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