今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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【作品を読むにあたって】
『ダイの大冒険』のキャラについては、名前を現代風にアレンジしています。
今回の該当者はこちら。
・桐生院 悠人←ラーハルト

あと、チーム『シリウス』および『スピカ』からモブのオリジナルウマ娘を数人登場させます。


第33話:覇王の挑戦~皐月賞②

「……皐月賞、やはりオペラオーは出走するそうだ。」

「ははっ、そうこなくちゃな。」

 

 

 

 

週末の『皐月賞』に向けてチーム『シリウス』のメンバーが練習を行う中、サブトレーナーの桐生院悠人が北原チーフトレーナーに報告を行っていた。

 

「弥生賞には出てこないもんだから、おかげで誰が1着をとるのか読めねえのなんの。」

「……ウチのメンバーが聞いたら、怒るぞ?その発言。」

「いやいや、あいつらを貶してるわけじゃねえよ。大体あのレースの後は、お前も一緒になって走った奴らを労ったじゃねえか。俺の懐痛めてな。」

「今後もああいう機会が増えたら、出費が凄いことになりそうだな……」

「ま、ああこういうのも込みで俺らの仕事だからな。

将来独り立ちしたら、自腹切るのはお前だぞ?」

「うーむ……」

「オイオイ、今からそんなこと考えてんじゃねえよ。あくまであいつらに対しちゃ、『レースで勝たせる』ことを考えろ。」

「それもそうか……すまない。」

 

敬語よりも気楽ということで、北原は悠人にタメ口での会話を普段から容認していた。

その悠人が珍しく素直に謝ってくる様子に軽く面食らいながら、北原は続ける。

 

 

 

 

「『トリプルティアラ』を選んだ連中は順調か?」

「ああ。目下の相手は……むしろチーム内での競争だな。……幸い、ウチで去年デビューした連中は、全員ここまで怪我もなく順調にきている。」

「流石は桐生院トレーナー、ってところか。」

「最終的にデビューさせる娘を決定したのはあんただろう。」

「んじゃ、流石は俺、だな。」

 

含み笑いをする北原と、肩をすくめる悠人。

 

 

 

 

G1。

重賞の最高峰、ジュニア級でのデビューから己を磨き続け、一定以上の結果を残した者達だけが参加できるレース。

全国のウマ娘達が出走や勝利を目指す中、今年も『シリウス』から出場に名乗りをあげる者がいる。

 

「実際、デビューしたところで、まずはレースに1度でも勝たなきゃ、スタート地点さえ遠のいていっちまう。未勝利戦だっていつまでもそいつを待っちゃくれねえ。

あの娘達にとっちゃ、1戦1戦が勝負だからな。」

「ああ。……桜花賞はウチの『バーニングパープル』と『エメラルドクリスタ』、そこにスピカの『バトルコメット』辺りが張り合ってくる感じになりそうだ。」

「スピカ……沖野か。簡単には勝たせちゃくれねえだろうな。」

「勝つさ。だがどちらが1位を獲るかは分からんが。」

「はは、頼もしいな。」

 

 

 

 

トリプルティアラに関しては、引き続きこいつに任せるか……と改めて思い直し、北原はクラシック三冠に話題を戻す。

 

 

 

 

「皐月賞、今回ウチから出るのは誰だ?」

「『クレイジーロデオ』と『ホットスフィア』だ。」

「そうか……折角出走するからには、あいつらがどこまでやれるか見物だな。」

 

華麗さや優雅さ、そして勢いが物を語るトリプルティアラに対し、個々の実力が全てを語るのがクラシック三冠。

そこでトップを目指す連中……となれば、北原の方でも腰を据えて指導に関わる必要があった。

 

「勝てると思うか?」

「それをやらせるのが俺たちの役目……と言いたいが、流石にクラシック3冠の1角ともなると、簡単にはいかねえだろうな。」

「『シリウス』の中で、少なくともあいつらに勝てるウマ娘はいないぞ?……ああ、勿論オグリさんは別だが。」

「そういう奴らが集まる世界なんだよ。ここからはな。」

 

かつてオグリキャップが戦った相手やレースを思い出しながら、北原は続ける。

 

「オペラオー以前に、まずは弥生賞を獲った『スペースミリオン』や、2着の『アドマイヤベガ』にはリベンジする気でかからねえとな。」

「その辺りは、あいつらが一番分かっているだろうが。

 

……ちなみに……」

「どうした?」

「あいつらにマークさせるなら、どちらの方が良いと思う?」

「アドマイヤベガの方だろうな。」

 

悠人の質問に、即答する北原。

 

「明らかにリハビリ明けの調整って感じで、本気じゃ走ってなかったようだからな……しかし、それで2位とか、つくづく悔しいが天才ってのは幾らでも出てきやがるな。

あ、変にマークしろとか、あいつらに伝えるんじゃねえぞ。」

「分かってる。あくまで例えだ。」

「……まあ、いずれにしてもあいつらに勝つことが目標だ。景気良く勝てれば良いけどな。」

「勝たせるのが俺達の仕事……と、言ったばかりだろう?」

「ははは、そりゃそうか。」

 

 

 

 

だが……と、北原は続ける。

 

「勝たせるにしても色々なやり方があるもんだ。今回出走登録をしなかった『カノープス』のメイショウドトウみたいに、無理にG1での勝利を狙わず、じっくりと鍛え上げながら結果も出す、みたいな方法もな。」

「メイショウドトウ、か。弥生賞では……」

「ああ。」

 

最終コーナーで仕掛けようというタイミングで、まさかの転倒。下位に沈んだ1人のウマ娘を共に想像する。

 

「結果こそああなったが、もし転んでなけりゃあのレース、勝ってたのはおそらくあいつだ。」

「そこまで評価してるのか。」

「まあな。あの『カノープス』も、中々癖はあるが一筋縄じゃいかねえ連中が揃っている。マークしておけよ。」

 

 

 

 

考えにふける悠人に北原が、ふと思い付いて話を振る。

 

 

 

 

「……あ、そういやお前が一番意識している『ポルックス』は、ナリタタイシンが天皇賞に出るらしいな。」

「……何だと?」

 

突然の振りに、表情を険しくする悠人。

 

 

 

 

「見てりゃ分かるし、別に隠す必要もねえよ。俺がお前の立場なら、間違いなくあいつに対抗意識持ってるわ。」

「……フン。」

「あいつのチームにも中々凄い奴が入ったらしいし、ここはひとつ、我らが葵ちゃんに頑張って貰わねえとな!」

「……俺らが頑張るんじゃないのか。」

「葵ちゃんとミークが結果を出せば、それは俺らの手柄にもなる!『新人美少女トレーナーと、それを支える俺たち』って構図でな!」

 

何言ってんだか。

別に良いだろー。

 

葵とハッピーミークが合流するまで、トレーナー同士のやり取りは続いた。




オリジナルのウマ娘の元ネタは、某レースゲーム。
例えばスペースミリオンはジェットヴァーミリオンを軽く捻った名前。

モブの強さはスピカ(隠しマシン)≧シリウス(デフォルトマシン)って感じ。

あとトリプルティアラは現実でも当然ながら、決してクラシック三冠に勝るとも劣らない存在ではありますが……主要のネームド出せない都合もあって今回に限ってはこんな感じ。サーセン
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