今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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スピカとアンタレスの動向入れて本番レースという流れですが、今回はスピカでストップ。


第34話:覇王の挑戦~皐月賞③

「よしっ!二人とも良いタイムが出たね!」

「この調子なら中々いけるんじゃねーの?」

 

『スピカ』では、桜花賞と皐月賞に出走するウマ娘達が、チームのメンバーによるサポートの中で模擬レースを続けていた。

 

 

 

 

「先輩達……本当に気合いが入っていらっしゃいますわね。」

「ついていくだけで精一杯よ……」

「いや、むしろ今の時期からついていけるだけでも大したもんだぞ。」

 

マックイーンとオミクロンに、沖野トレーナーがスポーツドリンクを持って話しかける。

 

「マックイーンは、今からでもあいつらに混じってクラシック級に殴り込ませても面白そうだよなあ。」

「何を仰っているのかしら……まだ本番で結果も出していませんのに。」

「そもそもルール上無理だから。」

「マジトーンで返さないで、俺泣いちゃうから。」

 

塩対応をしながらも、しっかりスポーツドリンクは飲んでいる二人に苦笑しつつ、続ける沖野。

 

 

 

 

「『スペースミリオン』に関してはあれだけゴールドシップやチケゾーが色々教えてくれているし、あとは本番で実力を出せば心配ないだろうな。」

「ターフでは、先輩として本当に頼もしいですわね、あの二人。」

「……普段の様子からは想像できないけどね。……って……」

「ああ、聞こえてたみたいだな……」

 

長身の芦毛が突如マックイーン達の方を振り返り、凄い勢いで走ってきた。

 

「このゴルシちゃんを呼んだかー!待たせたなー!」

「よ、呼んでないわよ!?」

「ああ、呼ばれてないぜ!……だが……うっかり屋のウマ娘は見つかったようだな!」

「ちょ……ぴゃあああああ!?」

 

 

 

 

オミクロンに抱きついて、髪の毛をわしゃわしゃするゴールドシップ。

 

 

 

 

「天知る地知る人知るゴル知るだぜー!オミっちゃんの考えなんざゴルっとお見通しだこのヤロー!」

「ちょ、ちょっとお止めなさいゴールドシップ!沖野さんも……

って……」

 

 

 

 

『可愛いなあ』と顔に出して呆けている沖野に、マックイーンは表情を引き締め、狙いを定める。

 

 

 

 

「ゴールドシップさん、準備はよろしくて?」「おうよ!」

 

「……え?ちょ、ま、ぐあああ!?」

 

 

 

 

完璧なクロスボンバーが、沖野へと華麗に炸裂した。

 

悶絶する沖野と、突然の二人の切り替えやアドリブに困惑するオミクロン。

 

 

 

 

「……な、何なの?今の二人の息の合ったコンビネーションは?

ゴールドシップには、マックイーンのやろうとしていることが分かったとでもいうの?」

「ああ?マックちゃんの目を見れば、沖野に天誅が必要だってこと位、あたりきしゃりきのゴルゴルシキって奴よ!」

「不思議とその辺りの意志疎通がしやすいんです……私にも理由は良く分からないのですが。」

「というか、沖野トレーナーは……ああ、そういえばそうだったわね……」

 

 

 

 

ウマ娘達の渾身の一撃を食らっても、悶絶程度で済んでいるこのトレーナーも、大概よねえ……とオミクロンは思う。

 

 

 

 

「あああ何か楽しそうなことやっててズルい!アタシモ参加シタカッタヨオオオ!」

「いや、しなくて良かったですから……」

 

 

 

 

ゴールドシップの突然の離脱を見て、丁度休憩の時間ということもあって、叫びながら近づいてくるウイニングチケット達。

 

 

 

 

「それにしても、チケゾー先輩の走りを見ていると、正直今からでも天皇賞への参加ができないのかしら……と、どうしても思ってしまうのですが……」「駄目だ。」

 

マックイーンの呟きに、あっさりと復活した沖野が真剣な表情で答える。

 

思うところがやはりあるのか、耳が落ち着かなくなるチケット。

 

 

 

 

「チケゾー先輩、大阪杯では結果を出したじゃない。」「だからこそだ。天皇賞にはナリタタイシンもビワハヤヒデも出る。だからこそ、なんだよ。」

 

俺だって本音では出てほしいさ……と呟き、アメを口に頬張りながら沖野が続ける。

 

 

 

 

「……有馬で結果を残せなかった分を、今こうやって戻しているところだ。まだまだシニア級は続くんだ、ライバル達から学ぶ時間や方法はいくらでもある。」

「うん……。」

「マックイーン達も、今度の先輩達やそのライバル達の走る姿を見て、しっかりとイメージを焼き付けてほしい。自分の目指すものがどういう存在なのか、きっと学べることはある筈だ。」

 

「そうそう、チケゾー先輩には、たまには恩返しをさせて貰わないと!」「その通り。」

 

沖野の言葉に、『バトルコメット』と『スペースミリオン』が続く。

 

「私達、あのチケゾー先輩のダービーに感動して、このチームに入れて貰ったんですから!」「どんな相手であっても最後まで全力で戦う。それに憧れた者達が走る姿、ぜひその目に刻み付けてください。」

 

 

 

 

「……うううううう!ミンナアアア!!!ワタシ、嬉シイヨオオオ!!!」

 

後輩達の力強い言葉に、感極まって号泣するチケット。

 

 

 

 

「オミクロン、今度はあなたが私の模擬レースに付き合って貰えるかな?」「私ですか?」「うん。」

 

バトルコメットがオミクロンに話しかける。

 

「ウチのチームは、どうもマイルの距離を上手く走れる娘が少ないみたいでね……あなたが併走してくれると走りやすいんだ。」

「分かりました。お供します。」「よろしくね。」

 

「マックイーンも、今度はミリオン達の模擬レースに参加したらどうだ?」「ええ、そのつもりでしたわ。」

 

沖野の言葉に、マックイーンが頷く。

 

 

 

 

「よっしゃー!このまま皆で駆け抜けるぜー!目指すは冥王星だと日帰りじゃ遠すぎっから、天王星の輪っか目指して破片をお土産に持って帰ろうぜー!」「あはは……」

 

ゴールドシップのどこまでは本気なのか分からない号令に誰かが苦笑しつつ、スピカでは引き続き練習が続いていた。




前話でも触れましたが、スピカとシリウスのオリジナルのモブウマ娘は、『F-ZERO FOR GAMEBOY ADVANCE』が元ネタです。
F-ZEROシリーズはコース別のリーグをチェスで定めている(ナイトリーグ、クイーンリーグ等)ので、今回の俺の作品設定と親和性あるよなと思って流用させてもらいました。
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