今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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タグを編集。野球にハマる騎士シグマの魂を持ったウマ娘とか、これがキャラ崩壊じゃなければ何なんだ、と……


第3話:譲れないもの(前編)

「母上、メガホンはセーフですか?」

「アウトです。」

「タオルは……」

「ダブルプレーです。」

「(結構ノリ良いな、母ちゃん……)」

「っ……それでは、グローブやボールは……」

「学園で訪ねなさい。キャッチボールのような運動であれば、必要な物品なども含めてルールが定められているでしょうから。」

「……分かりました。……シンジのサイン入り色紙は……」

「家に置いていきなさい。」

「分かりました……」

 

マックイーンとの楽しみが……と呟きながら露骨に凹んでいる姉を連れて、寝室へ向かう火丸。

へたれた耳やゆらゆら力なく揺れる尻尾を見て、ここまで分かりやすいのも珍しいな……と思いながら話しかける。

 

「母ちゃんも言ってたけれど、休みの日なんかは野球楽しんでも良いって話じゃん。そこまで凹まなくても良いって。むしろ中等部に入ってもあんな様子じゃ困る……」

「……あんな様子……だと……?」

 

ゆっくりと振り向いたシグマの目には、炎を思わせる眼光が宿っていた。

常人であれば怯まずにはいられないであろう威圧感に対し、火丸は続ける。

 

「毎回毎回『ヒムちゃん確保!』とパーマーさんやライアンさんに連行されるオレの身にもなってくれよ……まあ、オレも確保されそうな日は分かってるから、準備はできてるんだけどなあ。」

「む……」

 

野球にハマったマックイーンに連れられ、彼女以上にハマってしまったのがシグマである。マックイーンの『ユタカ』に対し、シグマのイチオシは『シンジ』という選手。

互いに異なる贔屓のチームや選手が対戦する日に二人が居合わせたが最後、そこで始まるのは文字通りの『場外乱闘』であった。

火丸は先日あったばかりの出来事を思い出す。

 

ーーー

 

「ヒムちゃんこんばんは。いつもありがとね。」

「アルダンさんこんばんは。……いえ、もう慣れてますんで。ところで二人の様子『やってしまえシンジ!』『返り討ちにしてあげなさいユタカ!』……まだ大丈夫っすね。」

「ですが、そろそろ始まりそうですよ?」

「ドーベルさんも、すっかり慣れちゃってますねえ……」

「あはは、流石に直接対決の日はヒムちゃんにもいてもらわないとヤバいからねえ。」

「ライアンさん……いつも思うんですが、ライアンさん達だけでも止められないですかね?」

「キミの役割は止める以外にも、シグマちゃんの回収があるから。まあ、このサンドイッチやローストビーフでも食べながら暫くは寛いでってよ。」

「はあ……あ、これ旨え。」

 

ある者は仲裁、ある者は余興として楽しむ目的で、すっかり慣れた様子でテレビの前に集まっている。

野球に熱を上げる二人はソファーで観戦、その他の面々はソファーの後ろのテーブルを囲みながら座り、テレビよりも食事やお茶で寛いでいた。

賄いにしては高級な食事に舌鼓を打ちつつ、火丸は二人の様子を見守る。

画面の向こうでは、丁度それぞれが推す選手同士が対決していた。

フルカウントからシンジが投じた一球の結果は……

 

 

 

『アアアアイッ!(ストライーク!バッターアウト!)』

シンジがユタカを見逃し三振にきってとったようだ。

 

「よし!流石はシンジ!ユタカなんか敵じゃない!」

「何を言ってますの!明らかに今のはボール半個分外れていたじゃありませんか!有り得ませんわ!」

「審判は常に公平なジャッジを行うものだ。それに文句を付けるとは、負け惜しみも大概にするべきだな。」

 

 

 

 

「……は?」

 

「大体、際どいボールならばカットすれば良いだけの話だ。やはりシンジの投球術の前では、ユタカは手も足も出ないようだな。」

 

 

 

 

「……あ?シグマさん、今何とおっしゃって?」

 

「ユタカじゃシンジには敵わない、と言っているのだが?」

 

 

 

 

「……その減らず口を発したのは……」

 

 

 

 

「……あ、これは始まるわ。ライアン、ヒムちゃん、スタンバイ。」「オーケー」「はあ……分かったよ。」

 

ユラリ……と立ち上がったマックイーンを見て、臨戦態勢に入るよう小声で指示するパーマーと、それに従うライアン&火丸。

 

 

 

 

「この口ですのおおおお!」「いたたたたた!何をするんだマックイーン!」「ユタカを罵る者には天誅ですわあああ!」

 

恒例の場外乱闘、開始。




シンジとノリヒロで迷った末、選手の方が投手ということで前者を選択。
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