今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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アニメで幾つも技が出ちゃってるし、仕方ないよね


第4話:譲れないもの(後編)

ーウマ娘レスリングー

 

それは、ウマ娘同士の争いの決着法。

プロレスや総合格闘技ともルールは似ているが、反則攻撃も可能なバーリトゥード(何でもあり)の戦い。

但し、ウマ娘は自らの肉体と技術を武器として戦うことを誇りとしていて、あくまでリングの上での決着こそが全て。

だからこそ、彼女らは戦う。正々堂々と。

 

 

 

 

「……出展、ドーベル書房『火事場のバ鹿力は楽しみにしていたお菓子を食べられた時こそ発揮される』より抜粋。」

「待って!今のドーベルさんの創作!?何で言い切って満足そうな顔してるの!?」

「大体ヒムちゃんが読ませてくれた漫画が悪い。」

「俺のせいなの!?というかなんで掴み合いだったのがいつの間にかレスリングになってるの!?」

 

 

 

 

「凶器は持って無いね。よし、ファイッ。」

「ライアンさんも何でレフェリー役になってるの!?というかオレ達が乱闘を止めるんじゃなかったのかよ!?」

 

 

 

 

「いやー、始まります、恒例のマックイーン対シグマの一戦。アルダンさんはどのように今日の試合をご覧になりますか?」

「そうですねえ……ここまでの戦績はほぼ互角ですし、今日も面白い試合が見られるんじゃないでしょうか。」

「もう何から突っ込めば良いんだよこれええ!!」

 

当事者の二人は両手で威嚇しながら「ガルル……」「グルル……」と唸り声を上げて構えている。

自分以外に常識人がいないことに慟哭する火丸であった。

 

「ヒムちゃん落ち着け。おかげでアタシも安心して突っ込みを任せられる。」

「突っ込みを任せる前に二人を止めてくれよおお!」

 

百面相を披露し続ける、場で唯一の男子を尻目に、組み合う二人。

 

マックイーンが仕掛けた。シグマの腰をとり、肩に担ぎ上げようとしてーーー

 

 

 

 

「むう……あれはカナディアンバックブリーカー……」

「知っているのかドーベルさん!?」

「……ありがとう。……からの、ベンジュラムバックブリーカー。」

「何だよそれ!っていうかマックイーンはいつそんな技を身に付けたんだよ!」

「私が教えちゃいました。」

「ライアンさああん!?何、照れ臭そうに白状してるんですかあああ!!」

「私達実況解説席の出番がありませんね。」「そうだねえ。」

 

 

 

 

肩に抱え上げたシグマを何度も揺さぶってから、フィニッシュホールドに移行するマックイーン。

 

「食らいなさいな!」「はうっ!?」

 

右膝を利用した大技を、腰からモロに食らうシグマ。

 

 

 

 

「や……やったか!?」

「ヒムちゃん、それ『フラグ』……?」

 

ドーベルが突っ込みを入れた最中、ふとマックイーンの鳩尾にシグマの右手が添えられていることに気がつくギャラリー。

 

「かんっぺきに決まったようですわね!この勝負、わたくしの……」

「……それはどうかな?」

 

勝ちを確信したマックイーンの目には、苦しそうな表情を浮かべながらも鋭い眼光を向けるシグマの姿があった。

そして、自分の鳩尾に向けた右手からは……

 

 

 

 

「こ……これは!?」

 

「ライトニング……バスター!」

「はううっ!?」

 

全身全霊を込めたシグマの掌底が、的確にマックイーンを貫いていた。

 

衝撃と痛みで倒れ、もんどりうつマックイーンと、その傍らで腰を抑えて痙攣するシグマ。

 

 

 

 

少し嬉しそうに二人に近き、ドーベルが宣言した。

 

「メジロドーベル、死亡確認。」

「……死んでない(ませんわ)……」

 

 

 

 

「……これは今回も引き分けだね。」

「ですね。お二人に大きな怪我は……大丈夫そうですね。」

「うん。10分もすれば二人とも野球の応援ができるよ。」

「……試合はもう終わってるって……。姉貴が回復したら、お暇させてもらいます。」

 

「……余ったサンドイッチはお持ち帰りになって、よろしければお母様に差し上げてくださいな……」

「あ、どーも。」

 

まだ起き上がれない状態の中、律儀に告げるマックイーンに、火丸はお礼を告げつつ姉の回復を待つのだった。

 

【場外乱闘結果:引き分け】




ライトニングバスターの無駄遣い。
そしてヒムが只の新八になってしまっている件
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