今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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ハドラー親衛騎団の現パロ設定説明回。
皆は原作の記憶を持っているわけではないです。
シグマに入学時にインストールさせようか迷ってます←(追記)作品紹介で戸惑わせてるの忘れてた。三女神との漫z……やり取りでインストールさせます。


第5話:庭園の女王達

「お久しぶりですね。」

「ええ。そちらこそお元気そうで何よりです。」

 

メジロの中庭で、老婦人と女性がティータイムを行っている。

テーブルに置かれた豪華なティースタンド、そしてあまりにも自然に行われる模範的な礼儀作法が、両者の威厳や格を纏わせていた。

両者の傍らには執事が、テーブルから離れた場所では警備員と思われる男性の姿も見られる。

 

「ハドラー殿はどうされていらっしゃるのですか?」

「相変わらず……とお伝えすることしかできないのが、もどかしい限りです。」

「ふふふ。あの方は私達が支えになるつもりが、いつの間にか支えてられてしまっている。そんな御方ですものねえ。」

 

 

 

 

キサラギ家。

メジロマックイーン達の祖母にあたる女性と同世代を生きた、『如月 蓮』が起こした一門である。

必要以上の虚栄心や出世欲も見られたが、それを遥かに上回る才覚と実力で一代を築く。晩年には事故で両目を失明しても、最前線で手腕をふるい続けた。

 

彼が残した血脈が、長男の『牧志』、長女の『有美』、そして次男の『武郞』である。

 

長男の牧志に蓮は英才教育を施すも、本人の才覚の低さ、そして受け継いでしまった虚栄心の高さ、それらが素行の悪さにも繋がり、当代を引き継ぐ程の能力には繋がらなかった。

 

一方でその才覚を開花させたのが、妹の有美であった。

彼女は当時においても、女性であることで向けられる歪んだ視線を実力で黙らせる程の能力を発揮し、キサラギの地位を更に向上させていった。

 

ーそれを良しとしないのが、兄の牧志である。

ある時から彼による執拗な妨害工作が始まり、本人にこそ直接の被害は生じないものの、度が過ぎれば『お家騒動』として周囲の目にも留まり、その地盤に綻び生まれることにもなり得た。

 

 

 

 

そんなある時、偶然日本を訪れていた英国からの青年が、有美達の運命を一変させる。

 

 

 

 

「……未だに思うことがあります。ハドラー様に出会っていなければ、私はどうなっていたのだろう……と。」

「ふふ、有りもしない過去の可能性など、考えるだけ時間の無駄ですよ?」

「仰る通りです。ですが、私にとってあの頃の思い出は……」

「……全く、今日のダージリンにお砂糖は必要なさそうですね。」

 

 

 

 

娘のような相手から、会う度に聞かされる惚気話。

ただ、その多くは二人の武勇伝のようなものであり、本人が許可すれば孫娘達にもぜひ聞かせてやりたいとも思う婦人であった。

 

実の子供達が聞いたら……いえ、それは流石に可愛そうなので止めておきましょう、面白そうではありますが。と考えつつ、話を延々と続ける有美に『今日のところはこの位で』と相槌を止め、声をかける。

 

 

 

 

「武郞さんはお元気なのかしら?」

「武郞もハドラー様の下でしっかりやっている……と聞いています。」

「そうですか。彼がいれば安心ですものね。」

「……流石に皆の命が危ぶまれるようなことは、この先は起こらないと信じたいですが……」

「あの方達であれば、どのような危険や困難も自らの力で切り開くでしょう。私達女にできることは、それを見守ること位ですから。」

 

 

 

 

運命の赤い糸の存在を信じさせるかのような二人の出会いは、牧志の実力行使、すなわち暗殺という最終手段を生んだ。

 

が、事故に見せかけようとしたこの計画は、居合わせた武郞の咄嗟の機転と判断により、彼に後遺症こそ残ってしまったが失敗に終わる。

計画に散見した綻びから首謀者も簡単に突き止められ、牧志は完全にキサラギとしての地位を失う。

身内による犯行であり、また武郞の強い要望もあり直接的な社会的制裁を牧志が受けることは無かったが、分家『コマゴメ』として子飼いの立場に収まり、失意の内にこの世を去る。

 

 

 

 

「……コマゴメに生まれたウマ娘についてはご存知でしょうか?」

「中央への進学希望者に含まれていると聞きましたので、学園に少々無理を言って情報を教えていただきました。

実際、学業もウマ娘としての能力もかなりのもののようです。何よりあなたの娘であるシグマちゃんにそっくり。あなたやシグマちゃんを知っている方であれば、姉妹と言われて信じてしまいそうです。」

「……聞く限りですと、とてもあの男の娘とは思えないですね。」

「……ですが、あの娘の目に宿っているのは、明らかな『憎悪』。くれぐれもシグマちゃんと引き合わせることは避けた方が……」

「……心配いりません。

シグマも、そして『オミクロン』もキサラギのはしくれ。私達の誇りにかけて、憎しみの感情程度で何かが揺らぐことはないでしょう。」

 

 

 

 

中庭にいる者達全員が目を奪われる程の『女王』の威厳を纏い、有美は宣言した。




コマゴメは「駒込」。山手線繋がり且つ親衛騎団は「駒」ということで、メジロ=目白に肩を並べさせようと閃きました。
ただ、当初はシグマ達に名乗らせようと思うも、「コマゴメシグマ」←ぶっちゃけカッコ悪いし、何かの怪しい塾の名前みたいでアカんわ、と却下。
オミクロンは、原作でマキシマムによって率いられた騎士の駒がモデルです。ギリシャ文字繋がりを含めて「コマゴメオミクロン」は割と有りやな、と。
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