今日の勝利の女神は、横っ面を引っ叩く(更新停止中)   作:R主任

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数十回にわたるリセマラの末目当てのキャラを引けたものの、過程において『10連でデジたん・シチー・フク』のパターンとかをみすみすスルーしなければならない運命に本気で泣きそうになった(本編の内容とは一切関係ありません)


第7話:女神をひっぱたいた女神がいた(前編)

「すっげー設備だなこりゃ……オレの入った『カール学園』とも全然見劣りしないぜ……」

「ふふ、お前の学校の入学式も、今から楽しみではあるな。」

 

迎えた入学式の日。シグマと父兄にあたる火丸は、式の開始時刻よりも早くからトレセン学園を訪れ、敷地内を見学がてら歩いていた。

入学式の日ということで、学生のウマ娘はまばらである。火丸を見て怪訝に思う目も、隣にいるシグマを見て納得した様子ですれ違ったり興味を無くしていく。

 

 

 

 

「親父や武郞さんは到着がギリギリになるって話だし、折角なら皆で一度集まりたかったのに、残念だぜ……。」

「そう言うな。わざわざ遠路はるばるお越しいただいただけでも感謝しなければ。」

「まあ、そうなんだけどさ……母ちゃんは式場に入っちまったけれど、これだけの時間座ってたりすんのかな?」

「学園や他の来賓の方々への挨拶回りをするそうだ。お前の通う学校の関係者も来ているだろうし、顔合わせにも絶好の機会なんだろう。」

「言われてみれば確かにそうだけれど……って、母ちゃんこの後、ずっとそれやんのかよ!?うわあすっげーな……」

 

理事長・学園長は勿論、企業の役員や理事のような立場の者達にとって、こういう式典は挨拶や近況の報告、情報交換等も兼ねた貴重な会話の機会となる。

弟の方が、オレはそういうのはやりたくねえなー、とうそぶきつつ、双子は敷地内の『四女神像』の前へと辿り着く。

 

 

 

 

「……これがトレセン学園や姉貴みたいなウマ娘の護り神なんだっけ?

 

……って、おい、姉貴?シグマの姉貴!?」

 

ふと横を見ると、姉の姿が消えている。

慌てて周囲を見渡すも、誰かが走り去った痕跡も無く、突然の状況に困惑する火丸。

 

 

 

 

「……オイ、どうすりゃいいんだこれ!?入学式に入学する本人がいなくてどーすんだよ!誰かいねーのか?

いたら聞いてくれ!オレの姉貴が!」

 

どこか見当違いの発言をしつつ、関係者や警備員が誰か近くにいないのか?とその場を離れる火丸だった。

 

 

 

 

ーーー

 

「……おかしい……確か私は、火丸と共に学園を歩いていた筈だが……

一体何処だ?ここは。

いや、そもそも『何』だ?ここは。」

 

四女神像の前を歩いていたと思ったら、いつの間にか一人で、昼前にも関わらず暗闇に迷い込んでいたことに気付くシグマ。

正面には光が見えており、一旦はそちらを目指して歩き続ける。

 

 

 

 

『……ようこそお越しくださいました。【戦場を駆ける騎士・シグマ】殿。』

「……!!!」

 

 

 

 

周囲に光が拡がったと同時に、女性の声が響く。

 

ーーー同時に、『自分が誰なのか』と『自分が誰であったのか』、嘗ての存在である自身の記憶が流れ込み、頭を抱えてしゃがみ込む。

 

……これは、何かの幻術なのか?罠なのか?

それとも、これまで自分が『こちら』で過ごしてきた時間や体験は、あの時確かに自分が食らった『究極の呪文』によって生じたものである可能性は?

 

 

 

 

記憶の混乱の中で、こういう状況こそ決して取り乱してはならない……と、呼吸を整え直し、改めて自分の体を見る。

 

オリハルコンの金属生命体……には戻っていない。

『ウマ娘』の体のままだった。

 

 

 

 

「……少し、質問させていただきたいのだが、よろしいだろうか。」

『宜しいですよ。』

「私は何故、このような姿でここにいるのだ?

……いや、その前に君達は一体何者なのだ?そもそも私は……」

 

 

 

 

『……一体落ち着いて、肩の力を抜いて。』

「……失礼した。」

『まあ、驚くよね。気持ちは分かるもの。

 

……それにしても、ポップが今のあなたを見たら、腰を抜かして驚くでしょうね。』

「……!!!」

 

自身の生涯最大の好敵手であり、仇敵として忘れようにも忘れられない名前を聞かされ、混乱の中で狼狽えることしかできないシグマ。

 

 

 

 

……同時に、ふと、自分の中で何かがカチリとハマったことに気付く。

 

 

 

 

相手の正体。

 

「『自分の名前』と『ポップのこと』を同時に知る者」。

また、この短いやり取りでも、『この人物しかいない』という確証の下、改めて相手に呼び掛ける。

 

 

 

 

「確か、マァム……だったか、君は。」

『おっ、正解。』




本作の世界が生じた理由は次回にて
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