蹴球の盗賊王   作:はちみー

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外伝です。
個人的に書きたかったのをポンと。



蹴球の盗賊王外伝
〜豪炎寺兄妹〜


「お兄ちゃんパース!」

 

「あぁ」

 

とある住宅街の公園で、仲睦まじい兄妹がサッカーボールで遊んでいた。

その兄妹は豪炎寺修也とその妹、豪炎寺夕香。

そしてその場にはもう1人、心底納得いかなそうな顔でベンチに座っている少年がいた、言うまでもなく獏良了である。

 

「はァ……何で俺様が付き合わなきゃならねぇんだ」

 

時は数分前に遡る。

獏良は徹夜明けで、自宅となったホテルへと向かっている途中に豪炎寺兄妹と出くわした。

夕香の押しの強さは分かっていたので、さっさと挨拶して帰ろうとすると案の定捕まった。

 

「今からお兄ちゃんとサッカーの練習するんだ!」

 

「そうか、じゃあ楽しんでこい。俺様は帰る」

 

「まぁまぁ、こっち来てよ」

 

「おい引っ張るな、豪炎寺兄お前からも何とか言え!」

 

「ふっ、夕香。あまり困らせるなよ」

 

豪炎寺兄が俺様の肩にポンと手を乗せてぐいっと押してきた。

ちがうそうじゃあない。

 

「言動が一致してねぇぞオイ、持つ肩は夕香の方だ。いや味方する意味でじゃねぇけど」

 

「行こっ、獏良お兄ちゃん!」

 

「ほんの少しだけ付き合ってくれ、獏良」

 

「テメェら……はァ、少しだけだ」

 

と、言う訳だった。

以前までの、いや、馴れ合いなんて俺様がするのは柄じゃない。

まだ俺が甘いのもあるんだろう。

…こう考えるんだ、この借りはいつか役に立つと。

 

「行くよ、お兄ちゃん!」

 

「こい!」

 

「れっぷうダーッシュ!」

 

「!?」

 

「ただのダッシュじゃねぇか」

 

「ぶー!いつか物にするもん!」

 

ぷんすかと文句を垂れるクソガキ夕香を鼻で笑って流す。

しかし、ただのと言うには惜しいものであるのを豪炎寺兄と俺様は分かっていた。

何せ地面が焦げていたからだ。

 

「おい豪炎寺兄、うかうかしてたら抜かされるぞ」

 

「ふっ、早々抜かされないさ。俺はお兄ちゃんだからな」

 

「お前初期からキャラ変わってねぇか?」

 

「俺は生まれた時から夕香派だ」

 

「だめだこいつ」

 

「お兄ちゃん達さっきからなんの話してるの?」

 

「なんでもないさ、夕香」

 

「なァ、もう帰っていいか」

 

「「ダメ!(だ)」」

 

なんなんだお前ら。

 

______

 

「ねぇねぇお兄ちゃん、獏良お兄ちゃんってどの位強いのかな?」

 

「サッカーか?」

 

「うん!」

 

「そうだな……」

 

豪炎寺修也がサッカーをしている獏良をほぼ見た事がない。

しかし、夕香をトラックから救い出したという事はスピードに関しては間違いなく凄いものの筈。

蹴る威力は、1度だけゴールに叩きむのを見た所から察するに自分以上なのは確実だった。

コントロールも、数メートル先のゴミ箱に空き缶を入れられたので良好。

 

「少なくとも、お兄ちゃんが本気でやっても通用しないだろうな」

 

「へぇ〜、獏良お兄ちゃん凄いんだ!」

 

「だが夕香、俺もいつか獏良を超えるからな。応援してくれるか?」

 

心配そうな兄の顔を見た夕香は、それを払拭するような笑顔で伝えた。

 

「勿論、お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだもん!ずっと応援するからね!」

 

「フッ。期待していてくれ」

 

「うん!」

 

「ところで夕香」

 

「?」

 

「獏良の事をどう思っている?」

 

「どうって?」

 

「その……男の子として意識しているのか?」

 

「よく分からないけど、カッコイイなぁって思ってるよ?」

 

「……今度会ったらお礼をしなくてはな」

 

「???」

 

_____

 

!?

な、何か寒気が…

誰が噂してやがんだ?

まぁいい、それよりも面白そうな奴を見つけたな。

 

闇野カゲト、ファイアトルネードと対を成すダークトルネードを使う人物。

恐らく名前の如くの特性を持つに違いない筈だ。

何せ俺様の闇に勘づいていた様だからな。

 

ハハハハハハ、使える奴は嫌いじゃねぇ。

精々俺様のコマとして働いてもらおうか、カゲト。

今は楽しく暮らして…いや、あいつはボッチだから楽しくはなさそうか。

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