どんなにチートでも僕は南雲ハジメ   作:排他的

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奈落に落ちても変わらないハジメくん17歳

ザァーと水の流れる音がする。

 

冷たい微風が頬を撫で、冷え切った体が身震いした。頬に当たる硬い感触と下半身の刺すような冷たい感触によってハジメは意識を覚醒させる。

 

ボーとする頭、ズキズキと痛む全身に眉根を寄せながら両腕に力を入れて上体を起こす。

 

「痛っ~、ここは……私は原作通り奈落に落ちたんでしたっけ」

 

ふらつく頭を片手で押さえながら、記憶を辿りつつ辺りを見回す。コードによって不老不死ではあるがダメージがない訳では無いのだ。

 

周りは薄暗いが緑光石の発光のおかげで何も見えないほどではない。視線の先には幅五メートル程の川があり、ハジメの下半身が浸かっていた。上半身が、突き出た川辺の岩に引っかかって乗り上げたようだ。

 

ハジメが奈落に落ちていながら助かったのは全くの幸運だった。

 

落下途中の崖の壁に穴があいており、そこから鉄砲水の如く水が噴き出していたのだ。ちょっとした滝である。そのような滝が無数にあり、ハジメは何度もその滝に吹き飛ばされながら次第に壁際に押しやられ、最終的に壁からせり出ていた横穴からウォータースライダーの如く流されたのである。とてつもない奇跡だ。

 

まぁその奇跡もコードによって無駄になっている。どうせ回復するのだから。

 

火よ灯れ(アールデスカット)

 

指先に炎を灯し、自分の服を乾かす。そして自分の服が水を全て蒸発させた頃に、ハジメは立ち上がった。

 

「そろそろ動きましょうか、セットアップ」

 

ハジメは自らのデバイスであるブラックブラスターを展開してバリアジャケットを着る。そして浮遊しながら大迷宮を攻略し始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハジメが進む道は洞窟といった感じだった。

 

低層の四角い通路ではなく岩や壁があちこちからせり出し通路自体も複雑にうねっている。二十階層の最後の部屋のようだ。

 

「…錬成、錬成、錬成!」

 

ハジメは錬成の練習になると思って道を整地していた。せり出している岩や壁を無くして行く。

 

ちなみにハジメの周囲はサーチャーによって警戒されており、いつ魔物が来ても対応可能だ。

 

そんなハジメだったが遂に初めての分かれ道にたどり着いた。巨大な四辻である。ハジメはどの道に進むべきか逡巡した。

 

考え中の最中、ハジメのサーチャーに魔物の反応があった。

 

よく肉眼で見てみるとハジメのいる通路から直進方向の道に白い毛玉がピョンピョンと跳ねているのがわかった。長い耳もある。見た目はまんまウサギだった。

 

ただし、大きさが中型犬くらいあり、後ろ足がやたらと大きく発達している。そして何より赤黒い線がまるで血管のように幾本も体を走り、ドクンドクンと心臓のように脈打っていた。

 

だがそんな魔物を見てもハジメは冷静だった。

 

「魔物ですね、ぶっ倒します!」

 

《Black Shooter!》

 

ブラックブラスターの銃口から7つの黒い魔力弾が放たれ、ウサギに向かって放たれる。ウサギが反応して迎撃する頃には包囲され魔力弾の餌食になっていた。

 

だがその後すぐに別の魔物が襲いかかって来た。どうやらウサギはハジメではなくその別の魔物と対峙していたようである。

 

その白い狼は大型犬くらいの大きさで尻尾が二本あり、ウサギと同じように赤黒い線が体に走って脈打っている。

 

どこから現れたのか一体目が飛びかかった瞬間、別の岩陰から更に二体の二尾狼が飛び出す。

 

「ほい!」

 

《Black Shooter Phalanx Shift!》

 

無数の黒い魔力弾がハジメの前に現れ、二尾狼三体に攻撃していく。圧倒的な弾幕に、基本理性的な考えができない魔物が避けられるはずもなく、そのまま消し飛んだ。

 

「弱いですね…あ、神結晶でも探しましょうかね、神水は魅力的な効能がある水です。確かこの辺りを錬成すれば出てくると思うんですが……」

 

考え事をしているハジメの背後に迫る、巨体な魔物。二メートルはあるだろう巨躯に白い毛皮。例に漏れず赤黒い線が幾本も体を走っている。その姿は、たとえるなら熊だった。ただ、足元まで伸びた太く長い腕に、三十センチはありそうな鋭い爪が三本生えている。

 

「この階層全体を錬成、およびブランチマイニングすれば出てきますよね!錬成!」

 

巨体な魔物、爪熊はハジメが後ろを向いている瞬間に自慢の爪を振り下ろそうと力む。だがハジメが錬成と言った瞬間に、地面が揺れ始め、爪熊は転び、ベルトコンベアに乗っているかのようにハジメから離れていく。

 

何が起こっているのか分からない爪熊は辺りをキョロキョロし、ハジメの方を見る。すると…

 

「さよなら〜」

 

爪熊に向かって手を振っていた。元々サーチャーで気づいていたのだが、普通に倒すのも飽きたので、神結晶を探すついでにこの階層の魔物もミンチにしようと考えたのだ。

 

そんな適当な殺され方をされた爪熊は…

 

グルルルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウ!!?(このクソ野郎ぅぅぅぅ!!?)」

 

とうるさい声で叫んでそのまま周辺の壁や床によってミンチ肉にされたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから少したち、ハジメの目の前には回収された有用な鉱石や魔石、魔物の肉、神結晶が並んでいた。

 

「さてっと…鉱石類は異空間にしまって…魔物の魔石もかな…」

 

ハジメは異空間に適当に鉱石と魔石を仕舞い、神結晶から神水を抽出する。

 

そして急ごしらえのトングと皿、ナイフにフォークを用意してトングで魔物の肉を掴む。

 

「…まずそうですね」

 

ハジメが掴んでいるのは二尾狼の肉。見るからに硬そうで酷い匂いでとても食べれる気がしないのだが、これを食べて果たして原作のように技能が手に入るのか気になっているのだ。

 

火よ灯れ(アールデスカット)

 

手から火を出して二尾狼の肉を焼いていく。よく焼いて生焼けの部分がないようにしてからそれを口に入れた。

 

「ぐぅぅぅぅ!?不味っ!?」

 

いつもの丁寧語はどこに行ったのか、形容しずらい不味さにハジメはのたうち回る。

 

硬い筋ばかりの肉を、血を滴らせながら噛み千切り必死に飲み込んでいく。およそ二週間振りの食事だ。いきなり肉を放り込まれた胃が驚き、キリキリと痛みをもって抗議する。

 

コードがあるとはいえこんな食事続けていられない。そもそも食事はコードを手に入れた時点でいらないのだが。

 

肉を食べるのでは無く飲み込んでいると、ハジメの体に異変が起こり始めた。

 

「あ。アガァァァァ!?」

 

突如全身を激しい痛みが襲った。まるで体の内側から何かに侵食されているようなおぞましい感覚。その痛みは、時間が経てば経つほど激しくなる。

 

コードが回復をしているのだが痛みは収まらない。仕方なしに神水を口に含んで回復をブーストする。

 

「ぐぅぅぅぅ!?なお、治らない!治らないィィィィ!?」

 

回復の後に激痛、さらに回復してもまた激痛が起きる。

 

ハジメの体が痛みに合わせて脈動を始めた。ドクンッ、ドクンッと体全体が脈打つ。至る所からミシッ、メキッという音さえ聞こえてきた。

 

ハジメは転生してから初めての苦しみに苛まれながらこの激痛が治ることを願う。

 

すると、ハジメの体に変化が現れ始めた。

 

まず髪から色が抜け落ちてゆく。許容量を超えた痛みのせいか、それとも別の原因か、日本人特有の黒髪がどんどん白くなってゆく。

 

次いで、筋肉や骨格が徐々に太くなり、体の内側に薄らと赤黒い線が幾本か浮き出始める。

 

だがコードがその変化を抑え始める。白髪が元の色に、赤黒い線が徐々に消えていく。

 

そして元の体に戻っていくのだが、また日本人離れした姿へと変わっていく。

 

数時間後、痛みも完全に引き、身体の変化も収まった頃…

 

「で、なんでこんな身体に…」

 

白髪、赤目、赤黒い線が体の内側に浮いているのは変わらない。だがハジメの目に常に不死鳥のギアスマークが現れている。

 

赤目のせいか、不死鳥のマークはジェレミアのギアスキャンセラー、レイラ・マルカルのギアスと同じ色、即ち青になってしまっていた。

 

「…はぁ…ステータス見てみるか」

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:15

 

天職:錬成師

 

筋力:500

 

体力:500

 

耐性:500

 

敏捷:500

 

魔力:700

 

魔耐:500

 

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成][+遠隔錬成][+整地]・全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法[+ネギま!]・危機察知・高速魔力回復・魔力供給・魔力操作・胃酸強化・纏雷・言語理解

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ハジメは原作通りの技能を見てあることを思い付く。

 

「…これ、闇の魔法(マギア・エレベア)再現行けるような気がするんですが…」

 

ハジメは纏雷を発動する。すると指先に赤い稲妻が走る。

 

纏雷はその名の通り、身体に電気を纏わせることも可能になっている。

 

「試しにやってみますか、魔力操作で詠唱しなくても発動できますから詠唱なしで!」

 

ハジメはその身に赤き稲妻を纏う。そして自らの身体を雷に変えていく。

 

「ぐぅぅぅぅ!?はァァァァァァァ!!!」

 

ドラゴンボール並の掛け声で身体を変えていく。正にスーパーサイヤ人になろうとする悟空のように!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5分後…

 

「はぁはぁはぁ……無理です…」

 

魔力が無くなるギリギリまで闇の魔法(マギア・エレベア)したために身体中が疲れ果ててしまい、そのままうつ伏せになるハジメ。

 

そんなハジメが導き出した結論は…

 

「うん、ダメです…また今度やりましょう。今度は電気じゃなくて違う魔法で」

 

ネギの雷の術式兵装を諦め、違う術式兵装を今度再現するという結論に達したようだ。ハジメはそのまま使ってないリンカーコアの方の魔力を使って結界を展開してそのまま死んだように眠りにつくのだった。

 

ブランチマイニングモドキで魔物を全て殺して血だらけの岩の床の上でそのまま眠るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヴェハハハハハ!遂に完成だ!これぞ仮面ライダークロニクルを改良した私とハジメの最高傑作!ゲンムゲームズファイターズ!私とハジメの神の力、思いし「黙れ」グバ!」

 

「…連絡取れないな…マスター、貴方は無事なのか?」

 

ハジメのことを思いながらもゲーム開発に精を出し暴走するクロト(ゲーム狂)とそんなクロトにツッコミという名の手刀を首に撃ち込むアイン(常識人)

 

ハジメと連絡が取れず、徐々に不安になるデバイスが地球(ハジメの故郷)に2人……

 




闇の魔法は再現できませんでした。そもそも魔法を掌握しないといけないんですよね。身体に纏わせて電磁バリアのようにすることはできるかもですけど、身体を雷に…なんてことは難しいでしょうね。

再現するなら氷の術式兵装が楽かもしれません。

今はシアの武装をどうしようか悩み中です。拳にしようかハンマーにしようかパイルバンカーにしようか……まだ登場すらしてませんが。
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